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菅直人首相(64)に痛恨のブーメランが返ってきた。かつて、世論から猛批判を浴びている与謝野馨経済財政担当相(72)と同様の離党劇を行った議員に対し、「離党と同時に辞職すべき」などと、国会等でののしりまくっていたのだ。過去の言動を平然と覆すのは民主党のお家芸とも言えるが、24日からの通常国会で追及されるのは必至の情勢だ。
この発言をくらったのは、無所属の大江康弘参院議員(57)だ。大江氏は2007年の参院選で、民主党比例で2回目の当選をしたが、翌08年に民主党を離党して改革クラブを作った。昨年4月には同党が舛添要一代表率いる新党改革に衣替えした際に離党、5月に幸福実現党に入党したものの年末に離党したという経歴を持つ。
大江氏らが総務省に改革クラブ結党を届け出た08年8月28日、野党・民主党の代表代行だった菅首相は記者会見で「比例で当選された方は、きちっと議席を党に戻した上で行動をすべきだ」と猛批判した。
米軍普天間飛行場移設問題や消費税増税方針などマニフェスト変更に代表されるように、野党時代の発言や約束を、与党になってひっくり返すのは民主党政権のお家芸だが、始末の悪いことに、菅首相は民主党が与党になってからも、同様の発言をしている。
昨年3月3日の参院予算委員会。大江氏は自民党会派の質問時間を使い、副総理兼財務相だった菅首相に対する質問を行った。このとき、菅首相は大江氏に対し・・・・
「大江さんは07年の参院選で民主党の参議院の比例で19位で当選した。今の法律は、比例で民主党で通った人が自民党に移ることはできないことになっている。だから、無所属に出て、そして今度は会派で、まさに自民党の皆さんの時間を使ってこの場でこういう議論をしている。1票の重みは、民主党に議席を1議席ということだった。当然、大江さんは政治家として、もし筋を通したならば、ちゃんと離党と同時に辞職して自民党に入党されればよかった。天につばするものだ」・・・・・・・とまで罵ったのだ。
首相の言葉を借りれば、与謝野氏は自民党比例という有権者の『自民党に議席を1議席』という意味で当選したはず。それなのに、離党してたちあがれ日本を作り、菅首相の猛烈なアプローチで、そこを離党して閣僚となって民主党会派入りした。
それだけに、大江氏はこう呆れ気味に話す。「菅首相は、自分たちに都合のいい人ならば何をやっても問題ではないが、自分たちと考えの違う人には別の反応をする。この一貫性のなさが、政権運営、内閣支持率の低迷につながっている。自分より強い人には全くものを言えず、弱い人間に対してはどんどん追い込んでいくという人間性からしても首相の資質に欠けている。与謝野さんの行為は私の行為と変わらない。私に言ったことを、与謝野さんにも言ったらどうか。子供の教育上、また日本のためにも、一刻も早く退陣したほうがいい」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110121/plt1101211548002-n1.htm
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