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元々小沢に打撃を与えられるのは証人喚問なのに、小沢に配慮して「政治倫理審査会議決」などにこだわるから幹事長・岡田克也もマスコミから「やるやる詐欺」扱いされるのだ。「証人喚問」と発言する岡田の声もどこか勢いがなく、本当にやれるのかという疑念が先に立つ。民主党政権は重要な外交・内政課題に事前調整も洞察力もなく安易に方向性を打ち出してすべからく失敗、自滅している。
その繰り返しが今のていたらくなのだ。今回の「小沢切り」も実態は八方塞がりだ。
証人喚問といってもまず党内がまとまるかどうかだ。ロッキード事件で渦中の人となった田中角栄の証人喚問が実現しなかった背景は、「田中軍団」の結束があった。明らかに小沢の動きはこれを意識している。代表選200票を背景にすれば強気の姿勢を貫けるとみているのだ。岡田の調整能力ではとても民主党内が一致して証人喚問という姿にはなりにくい。加えて喚問は全会一致が原則であり、小沢の手が回っている亀井静香のいる国民新党が反対に回れば実現しない。額賀福志郎の喚問が共産党一党の反対で実現しなかった例もある。
さらに喚問が実現しても実効が上がるかだ。駆け出し記者がよく偽証罪が適用されるから小沢は逃れられない旨の記事を書いているが、甘い。確かに虚偽と認識して偽証すれば3月以上10年以下の懲役刑が待っているが、大きな抜け道がある。刑法の偽証罪は故意犯のみを罰するから、「現在の記憶」の通りに証言したと言えば適用しがたい。だからロッキード事件で国際興業社主であった小佐野賢治が「記憶にございません」を連発し、その後の喚問では常套用語となったのだ。小沢自身も東京佐川急便事件で喚問されており、その辺のツボは十分心得ているはずだ。
証人喚問が実現するかどうかがあやふやで、実現しても「記憶にない」で済むとなれば何か手はあるのか。首相・菅直人が小沢の出処進退に言及、離党・議員辞職を暗に求めたが、それを実現できるのか。強制起訴で世論の憤りが最高潮に達したところを狙い撃ちすればそれなりの追い込み効果はあろう。おそらく岡田は「離党勧告」まではやるかもしれない。
しかし、離党を求めても、小沢がこれに応じず塹壕に籠もって弾をやり過ごすのは目に見えている。離党といっても、予算審議の最中に本当に離党させて、場合によっては民主党が過半数を失う覚悟が菅にあるのか。いくら「脱小沢」の支持率がほしいといっても、政局が一挙に流動化した結果、解散や総辞職と引き替えになっては元も子もなくなる。議員辞職も自民党が決議案提出を準備しているが、やはり党分裂の危機が伴う。自民党の狙いもそこにある。戦後決議を受けて議員辞職したケースもない。
要するに始末に負えないのである。小沢が裁判を逆手にとって三件分立を盾に居座り続けたら為す術がないのである。小沢は政局の先を読んでいる。小沢と同程度に先を読める幹部は失礼ながら民主党にはいない。塹壕に入っていればそのうちに菅政権の方が高転びに転ぶと踏んでいるのだ。
◎朝刊トップ10秒勝負
★朝日
米中2強が組む
★読売
首相「日米同盟が基軸」
★毎日
小沢氏政倫審招致断念
起訴時の処分検討
★日経
NECレボノと合弁
パソコン日中連合
★産経
米中「人権」なお溝
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-01-21
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