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http://mainichi.jp/select/opinion/iitai/news/20110120ddm004070141000c.html
◇霞が関の外から日本を創ろう−−青山社中筆頭代表・朝比奈一郎
私は昨年11月12日、約14年勤めた経済産業省を辞めた。危機的状況にある日本を立て直すべく、ラディカル=根源的な政策作りとその実現を図るシンクタンクを創設し、リーダー育成塾などを開始するためである。
03年9月、「中から霞が関を変える」ことを唱え各省の同期らと「新しい霞ケ関を創る若手の会(プロジェクトK)」を創設した。以来、一貫して霞が関の構造改革の必要性を訴え、プロセスも含めた改革案を示してきた。
そんな私が民主党政権誕生後、1年以上経過した時点で離職したのは、これ以上霞が関改革を中から進めることは現在の政治の仕組み、特に今の政党の統治能力では不可能と感じたからである。
民主党政権誕生後、「政治主導」の掛け声の下、霞が関改革がある程度進展したことは間違いない。「政務三役」という名称が一般化したが、これまで「盲腸」とやゆされることすらあった副大臣や政務官が稼働し、省庁間の縦割り打破のための司令塔「国家戦略室」が誕生したことなどは評価すべきだ。
しかしながら、国家戦略室はいまだに局への格上げもままならない。抜本的に行政のあり方を見直すはずの行政刷新会議は、わずかな予算減らしのための「事業仕分け」の実施機関に成り下がった。公務員制度改革はほとんど進展していない。
特に問題なのは、民主党が組織の体をなしていないことだ。役所の言いなりにみこしにのるか、役人とけんかしかできない政治家たち。政府・民主党内でどの機関が何を決めるのかが見えてこない。
政治は結果責任こそが重要で、物事をどう動かすかがカギだ。縦割り以上の「オレ割り」ともやゆされるが、会議で気持ち良く発言し留飲を下げるだけでは意味はない。
問われるのは人を動かし、確固たる理念に基づき物事(政策)を実現していく経営能力のはずである。「小沢一郎氏的」な政党の在り方−個性の圧殺−も前近代的で認めがたいが、百論噴出の「オレ割り」で決まらないのも困るというのが国民の率直な感想であろう。
自民党など他党も基本的に同じであろう。日本の政党のガバナンス能力向上が急務である。
党員間での理念の共有は当然として、特に以下の3点が重要だ。(1)政治家採用・育成の仕組み(経営ノウハウ、個別政策の知見)(2)政策決定プロセス・司令塔の確立(「オレ割り」打破、総合判断)(3)野党時代の準備態勢(個別政策案と実施手順の検討。それに基づくマニフェスト作成)である。
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私たちは、本来政党が行う政策研究や人材育成も行うつもりだ。次世代を考える諸団体とともに、新たな連盟(利益団体)を結成することも視野に入れている。引き続き霞が関改革案を練るだけでなく、政党や国会など日本全体のガバナンスのあり方や経済・社会政策など具体論研究を重ね、マニフェスト作り等を通じてその実現を図りたい。
新会社の名称「青山社中」は戦争から貿易まで、新しい日本を創るとの理念のためさまざまな活動をした坂本龍馬の「亀山社中」に倣って名づけた。日本を「世界に誇れ、世界で戦える国」にすべく、利潤よりも理念を大切にする。
深みのある政策案や統治能力を個人・組織として身につけ、来るべき日に備えたい。「これぞ」という政治家にささげてもいいし、自分たちで政党化する選択肢もある。挑戦を見守ってほしい。
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「これが言いたい」は毎週木曜日に掲載します
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■人物略歴
◇あさひな・いちろう
97年通産省(現経済産業省)入省。米ハーバード大留学後、官僚組織、業務など改革案を提言。
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