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■委員差し替えに反発
民主党の小沢一郎元代表の衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席問題は19日、政倫審メンバーの差し替えの是非をめぐり党内対立が先鋭化した。岡田克也幹事長が「党の方針と違う考え方であれば、その段階で差し替える必要が出る」と断言すれば、小沢氏に近い議員は「血判状」を手に差し替えに反旗を翻した。小沢氏の証人喚問を求める野党側と党内の反発の板挟みにあい、党執行部もひるみ始めた。(斉藤太郎)
◆小沢氏返事待ち
岡田氏らは週内に政倫審で招致を議決する方針を決め調整を続けてきた。だが、自民、公明両党が欠席方針であることに加え、小沢系議員の強硬姿勢で執行部の足並みも乱れ始めた。
「小沢氏の返事があるまで動かないでほしい。これは国会対策上の判断だ」
安住淳国会対策委員長は19日夕、政倫審の土肥隆一会長に電話でこう伝えた。執行部は小沢氏の回答期限を20日正午に設定。19日には一時、小沢氏が政倫審に審査を申し出なければ21日に民主党単独でも招致を議決する方針を決めた。安住氏は、その数時間後に急ブレーキをかけた格好だ。あくまで小沢氏の返事を待つ形をとろうとしたのは、党内から政倫審での議決や小沢氏への離党勧告をにらんだ態勢固めに反発する動きが出てきたためだ。
民主党は19日、菅第2次改造内閣発足に伴う役員人事を発表したが、仙谷由人代表代行ら増員となった5人はことごとく小沢氏と距離を置く。離党勧告の決定権がある常任幹事会はこれまで通り反小沢系が多数を占めることになる。
執行部へ闘争心
政倫審は定数25のうち民主党の委員が17人。5人程度の小沢系議員が執行部の方針に反して野党と集団欠席すると過半数に足りず、審査会を開けない。このため、党執行部は国会の他の委員会人事と合わせ、政倫審メンバーを大幅に入れ替えようとしている。
「私は差し替えを望んでいない!」
小沢氏に近く政倫審の委員を務める川内博史衆院議員は19日の常任幹事会で岡田氏に直訴した。これに対し安住氏は「国対で決めさせてもらう。国会は自分の好き勝手な演説をする場ではない」と拒絶した。
川内氏はこれに先立ち、大幅な委員の差し替えを阻止するため、辞任の意向がない委員連名の文書を執行部に提出。小沢氏と盟友関係にある鳩山由紀夫前首相は19日、都内で仙谷氏と会談し、委員の差し替えについて「(人事が)偏るから臆測を呼ぶ」と批判した。鳩山氏は同日夜、小沢氏、輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長と都内で会談。出席者の一人は「どっちに理があるかだ。正義は勝つ」と執行部への闘争心をむき出しにした。
執行部はこうした声を受け、一時的に軟化の姿勢を見せた格好だ。
ただ、小沢氏は早ければ週内にも強制起訴されるため、政倫審出席を拒否するとみられる。そのため執行部の一人は、小沢系議員の過熱ぶりに「小沢氏本人に出てくる意思がなければ、政倫審は開けないのだが…」と本音を口にした。
◇
■政倫審委員など、辞任拒否の民主議員
衆院委員会の委員を辞任しない意向を示した民主党議員は次の通り。(敬称略)
【衆院政治倫理審査会】辻恵、石山敬貴、平山泰朗、三宅雪子、中野渡詔子、橋本勉、道休誠一郎、川内博史
【衆院予算委】岡島一正、豊田潤多郎、黒田雄、福田昭夫、金子健一、水野智彦、川島智太郎、三宅雪子、橘秀徳、玉城デニー、津島恭一、川内博史
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110120/stt11012008140020-n1.htm
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