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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110119-00000001-gendaibiz-pol
現代ビジネス 1月19日(水)7時5分配信
「廃材内閣」---この言葉がぴたりと当てはまる内閣が1月14日発足した。リサイクルはエコだが、廃材内閣はエゴの塊。一日でも長く総理をやりたいという権力欲のイメージだ。錦の御旗は消費税大増税。
その象徴が与謝野経済財政担当大臣。もともと財務省の守護神のような政治家である。
与謝野財政学の特徴は、バラマキ歳出や公務員人件費のカットには目もくれず、一心不乱に財政危機をあおり、全てを大増税で解決しようという考え方といってよい。民主党政権が進めた全国一律金太郎飴的バラマキや、2割カットするとしていた公務員人件費を守るための大増税を目論んでいるといっても過言でない。
鳩山前総理を「平成の脱税王」と糾弾していた与謝野氏は、「平成の増税王」と呼ぶにふさわしい。
しかし、菅総理が、この人事で消費税大増税に近づいたと感じているならば笑止千万。自民党の比例代表で当選を果たしながら、様々な党派を渡り歩く「平成の渡り王」といえる与謝野氏を起用すれば、自民党はもとより、他の野党も反発するのは当たり前。菅総理の政治オンチぶりがよく出ている。
その与謝野氏は、2010年1月に「民主党が日本経済を破壊する」などという勇ましいタイトルで本を出版していた。
本の中身は、「『無駄排除や天下り廃止で財源が生み出せる』などといって、財源確保の目途がないまま、毛バリのようなマニュフェスト」、「脱官僚依存や政治主導と称し行政の停滞を招く」などと官僚主導を擁護する立場から民主批判をしていた。
むしろ、本のタイトルは「民主党が官僚主導を破壊する」の方がふさわしかったようなイメージだ。こういう与謝野氏起用と、「政治主導なんてうかつなことを言ってしまった」と講演で述べたとされる枝野氏を官房長官に起用したことは、菅総理が守旧派官僚に対し無条件降伏をしたようなものだ。
その守旧派官僚の援軍を得た菅総理は、強気になったのか、野党が社会保障と増税をセットにした超党派の協議に応じなければ、「歴史への反逆行為」とのたまわった。
そもそも、なぜ、こういう議論を国会でやらないのか。国会でやると、内閣支持率が下がるから、協議機関の設置にこだわっているとしか思えない。これは、自民党時代のような古い慣れ合い談合政治と相通ずるものがある。
本当に政策論争をしたいのなら、早期に通常国会を開会し、予算や重要政策課題(公務員制度改革、国家戦略局、独立歳入庁等)について小委員会方式をとるなど徹底した議論をすべきだ。
みんなの党は、消費税を全額地方の安定財源にすべきと主張している。民主党も地域主権の確立をうたっているのなら、みんなの党案の議論を深めるのが筋ではないか。
民主党は、前回の衆議院総選挙において、「消費税を4年間引き上げない」、「消費税率を維持する」、「国の総予算207兆円を全面組替えし、財源を生み出す」などと訴えていたはずだ。
例えば、なぜ、国債整理基金特別会計に潜む11兆円の財源を発掘しないのか、郵政・政府系金融機関の政府保有株売却を凍結し埋蔵金を埋め戻すのか、公務員人件費を削らないのか、そして、名目4%成長達成に向けた成長戦略を覚悟をもって描かないのか、世界標準の財政金融一体政策を講じないのか。
菅内閣が、こうした予算組替えや成長戦略を放棄し、安易な大増税第一主義にがらっと変節したのは、もはや「未来への大反逆」としかいいようがない。
しかし、それは当然の成り行きであった。なぜならば、本気で予算組替えを行いたいならば、財政など政策の細部を理解できる自前の裏方部隊をもっていなければならなかったからである。
私は、前回衆議院総選挙の前に、当時の菅氏から政権運営のアドバイスを求められた際、「官僚機構を使いこなす前に、官僚を選べ」と助言していた。しかし、民主党政権は、官僚を選ぶことをせず、自民党政権下の官僚を居抜きで使ってしまった。
それどころか、筋金入りの改革派官僚を、いわばムラ八分にする始末。それが、「改革派官僚であればこの人あり」、といわれる経済産業省の古賀茂明元公務員制度改革担当審議官だ。私も、彼とは20年以上前からの付き合いである。
民主党政権も、当初は、行政刷新担当大臣であった仙谷由人氏が、古賀氏に協力を求めるべく、内閣審議官兼行政刷新担当相補佐官という肩書きを用意していたようだ。古賀氏も、揺ぎない信念の下、仙谷氏に「事務次官ポスト廃止」、「公務員リストラ法の制定」を進言した。
ところが---である。官僚組織の総本山といわれる財務省から「古賀を登用すれば政権運営に協力しない」と強い抵抗にあうに及び、仙谷氏は、変節し、古賀氏に対し事実上の内定取消しを通告したと囁かれる。
その後、古賀氏は、福田政権以来その職にあった国家公務員制度改革推進本部事務局審議官を解かれ、経済産業省大臣官房付に戻された。官房付は「異動待機ポスト」で、通常は一週間から二週間で次のポストが決まるが、なんと、古賀氏は今に至るまで一年以上官房付にとどめ置かれたまま。
これが、霞ヶ関ムラからの「ムラ八分」である。更に、古賀氏は、退職管理基本方針にのっとった肩たたき第1号にもされた。この一件は、民主党が一丁目一番地として訴えていた「脱官僚」「政治主導」放棄のシンボルである。
民主党は、これまで、普天間基地移設問題を皮切りに、あげれば切りがないほど国民に対しマニフェスト詐欺を働いた。こういう嘘つき政治が横行すると、国民の政治不信が爆発する。
今、菅内閣がやらなければならないことは、ただ一つ。解散総選挙をやり、政権選択をやり直すことだ。
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