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2011年01月19日
先ずは、元『噂の眞相』編集長・発行人:岡留安則氏のコラムを読んでいただこう。概ね筆者も同意である。
≪ 1月某日 沖縄が寒い。全国的に寒波襲来で大雪が降る地方もあるのだから、それに比べればどうということもないだろうが、沖縄も例年よりは3,4度は最高気温じたいが低いために体感温度は東京の冬を思わせる。最近の最低気温は10度を割った。
何せ、奄美大島の亜熱帯樹林では降雪が目撃されたという。写真まであるのに、気象庁の役人が現認していないという理由で公式記録には残らないのだという(ウーム)。沖縄には冬物をほとんど持ってきていないので、薄着のせいもあるだろう。しかし、寒いのは気候のせいだけではない。不景気感に加えて、菅内閣の内閣改造もお寒い限りだ。
未来に託す希望すら次々と押しつぶす民主党政治の現実はあまりにも悲しすぎる。
例によって内閣改造で支持率の多少のアップはあったものの、これもご祝儀相場の域を出るものではなく、いずれ再下降することは目に見えている。何よりの失敗は、「たちあがれ日本」を離党した与謝野馨を経済財政大臣に大抜擢したことだ。やはり、この男は疫病神のようだ。
同じ東京一区の長年のライバルだった海江田万里を経済産業大臣に横滑りさせて、与謝野のために経済財政大臣の椅子を譲らせるというセンスじたいが理解しがたい。与謝野議員の現在の議員職は、東京一区で落選し、自民党比例で救われた結果だ。
自民党が「民主党の閣僚になるならば、議席を自民党に返上してから、一民間人としてやるべきだ」というのは、きわめて真っ当な話だ。この人事も菅内閣が「国民の生活が第一」という政権交代の理念と民意を無視した政策を進めている独善性の結果にしか見えない。なにはともあれ、菅総理にとっては政権維持じたいが大命題なのだろう。結果的に通常国会で与謝野大臣が自民党などの野党から総攻撃を受けることは必至だろう。問責決議によって仙谷官房長官や馬淵国土交通大臣を更迭した政治配慮も徒労に終わる公算が大ではないのか。何よりも与謝野経済財政大臣は、自民党時代よりツーカーの関係にある財務省と二人三脚で消費税10%アップに取り組む役回りであることが見え透いている。政権交代時の約束と違うだろう、菅さんよ!
おそらく今回の内閣改造で一人ほくそえんでいるのは、仙谷代表代行ではないだろうか。更迭は不本意だったといわれているが、子分の枝野は官房長官、前原は外相、岡田は幹事長留任だから、仙谷院政体制はばっちりだ。3月の予算及び予算関連法案が通過しない危機状況になれば、菅総理は確実に総辞職を迫られ、 その際は仙谷氏の出番が来る。仙谷氏にすれば、菅総理から前原外相に首を挿げ替えてでも延命をはかる作戦だろう。前原氏はいまだに何の実績も示していないが、折を見ての勇ましい発言とパフォーマンスでイメージづくりをしてきた。その結果、総理候補NO1の世論調査が出ているのだから、驚きである。
メディア の世論調査は世論誘導の意味合いをどんどん強めている。既得権益を守るという点では、霞が関官僚と大手メディアの思惑は完全に一致しているということだろう。むろん、米国も、である。反小沢路線のメディア対策と世論操作で生き抜いて来た仙谷氏にすれば、菅総理をけしかけて小沢一郎の政治生命を奪い、自分が意のままになる政権をつくる野望を捨てるわけがない。
しかし、それにしても、政治家というのはお国のため、国民のために尽くすというよりも自分の野心や権力志向を満足させることが最優先の人種なのだろう。 菅、仙谷、前原、岡田はいうまでもなく、与謝野人事を「不条理」と叫んだ海江田大臣、首相補佐官に指名された細野豪志などが、小沢一郎の追放を目論む菅政権にポストでつられるというのも、いかがなものか。自民党ならいざ知らず、民主党までが国の命運を間違えて太平洋戦争になだれ込んだ、戦前の大日本帝国陸軍官僚たちと同じではないか。がっかりである。やはり、菅、いや官僚組織は諸悪の根源なのかもしれない。社会主義の理念を変質させたスターリン官僚志組織 の超克は永遠の人類の課題ということか。 ≫
菅直人と家族ぐるみのつき合いがあった岡留氏にして、このコラムである。
岡留氏が“噂真”を店じまいして7年が経つ。記憶では、“噂真”の記事に対する既得権益陣営の大反撃を受け、名誉毀損等の損害賠償訴訟が矢継ぎ早に繰り出され、既得権益側の最終代行人である裁判官により、多額の賠償請求が認められ、窮地に陥った。
当時としては、広告料に頼らずに主に雑誌の販売収益のみで黒字を確保すると云う、稀有なトップ屋ジャーナリスト魂、此処にあり の“噂真”だった。“噂真”の店じまいが上記の原因だけであったかは、岡留氏しか判らないだろうし、筆者がとやかく言うのは僭越だ。
しかし、岡留氏のジャーナリスト魂はいまだ健在である。気候温暖な沖縄で、ノーテンキを標榜するが、どうしてどうして手厳しい。多くの見識において筆者も岡留氏に同意である。筆者のように、近視眼と揶揄されるような、レア情報の裏読みせずとも、真正面から、菅民主党の正体を白日に晒す点では、一目おく事になる。
ただ、やはり“ひねくれ者”としては裏読みもしたくなる。たしかに、菅政権を裏で牛耳っているのは、更迭されても仙谷由人が握っているのだろう。そして、前原を次期総理に祭り上げ、闇総理の座を安泰にしようと全知全能を傾けているのは間違いない。
何が目的で政治をやっているか自体良く判らない政治家と云う意味では、菅・仙谷・枝野・岡田・玄葉は良く似ている。こういう男たちが権力を握っていると、間違いなく日本は取り返しのつかない大ドジを踏むことになるだろう。
小沢一郎が昨年「これは権力闘争だ」と言った事が、民主党内のこれら政治目的なき権力亡者達との闘争を意味していたわけではない。その言葉を放った時期と東京第5検察審査会の議決が公表された時期が近いことから、検察・マスコミを含む官僚組織との闘いだと言ったと考えるのが妥当だ。つまり、政治vs官僚組織と云うことになる。
この辺の自覚が、現在の与野党の政治家達に理解できるかどうか、多分無理だろう。
哀しむべき事だが、それが日本の政治家の現実だ。 岡留氏が締め括りで述べているように≪ 自民党ならいざ知らず、民主党までが国の命運を間違えて太平洋戦争になだれ込んだ、戦前の大日本帝国陸軍官僚たちと同じではないか。がっかりである。やはり、菅、いや官僚組織は諸悪の根源なのかもしれない。社会主義の理念を変質させたスターリン官僚志組織 の超克は永遠の人類の課題ということか。≫と云う事になる。
菅・仙谷・枝野・岡田・玄葉など、政治目的なき権力亡者達は、この官僚組織に魂を売り払った?手を結んだ政治家、否、政治屋ということになる。与謝野馨や藤井の登用は霞が関万歳政権を象徴している。
ここで皆様もお気づきのことと思うが、あの前原誠司の名前が出てきていない。オマエが忘れたのだろう、と言われそうだが違う。(笑) 世論調査によると、次期総理候補NO1なのに、嫌に目立たない。菅改造内閣の中で音無しの構えで、米国だ、韓国だ、ロシアだ、とアドバルーンだけを上げているが、マスメディアは意識的に表立った派手な報道を控えている。これはどういう事なのだろう? おそらく、瑕疵ある言動を報道しない姿勢の現れのようだ。都合のいい次期総理候補は厳重に密閉保管するということか。
実は前原の動きが微妙だと、前々から筆者は感じている。どのように微妙か聞かれても答えに窮する。ただ、仙谷・前原は一枚岩だろう、という指摘は違うような気がする。仙谷はいずれの時期で菅直人を切り捨てる腹積もりだろう。そして、仙谷は前原を、官僚組織、米国、マスメディアのバックアップで総理に祭りあげ、実権を握ろうとしているのだがろうが、前原誠司と云う男は、菅直人とは違い、それ程単純に仙谷の術中に嵌る男ではないような気がする。
小沢一郎が最近口にした「政局になる」は前原の動き 微妙なスタンスを感じながら“政局”と言ったような気がする。菅首相の能力が酷過ぎるから“政局になる”のはたしかだが、その先もあるだろう。小沢は今国会が紛糾する事を暗示しているのだと思う。
それは単に菅降ろし等と云うレベルではない。菅を降ろすだけなら簡単だろう。本心は「予算を何とか通したい」訳だが、そこまで菅直人政権が持つ可能性は低い。この辺の匙加減は、相当に難しい判断が求められるのだと思う。好むと好まざるとに関わらず、政権再編の渦に巻き込まれるリスクも内包する。
民主党が何とか政権与党で居られるのは、衆議院で過半数を握っているからだが、菅を力づくで降ろすと、党の分裂に直結する。自民党が汚い腕を突っ込んでくるのは明白だ。ここに、前原誠司と小泉純一郎の暗闇の友好関係が仲間入りすると、事は複雑だ。小沢一郎が口にした「政局になるぞ」は色んな意味での“政局”の姿があると思わざるを得ない。
筆者は、前原誠司は腹に一物で、仙谷と歩調を合わせているが、政治路線は違うと思う。この2,3月に起きるであろう“政局”これは小沢の意図ではなく、生き物と言われる政治の世界の成り行きが強く作用した問題ではないだろうか。
現時点の菅政権は、中曽根・マスメディア(ナベツネ)・官僚組織、菅直人(与謝野馨)と云う勢力に、既に乗っ取られているのだ。民主党は気がついてみると、自民党に乗っ取られたのならいざ知らず、霞が関に乗っ取られたのだ。これは本当に笑えない冗談のような政権だ。
さて、小沢一郎・鳩山由紀夫・野党の一部はどのような動きをするのだろう?そして、立場が今ひとつ不鮮明な前原誠司はどんな動きをするのだろう?
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