http://www.asyura2.com/11/senkyo104/msg/895.html
Tweet |
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0118&f=business_0118_743.shtml
菅政権の改造内閣がスタートし、財政問題を含めた経済政策運営の方向性が注目されている。目玉人事は、自民党時代に閣僚を歴任した与謝野氏の経済財政政策担当大臣、そして財務省出身の大御所の藤井裕久氏が政策運営の要である内閣官房副長官就任だ。
「政治主導」を打ち出してスタートした民主党政権は、財務省や経済産業省などと関係が深い重鎮を登用して、困難に直面している予算策定を乗り切ろうという腹積もりのようだ。安定的な社会保障制度、財政制度の構築において、野党と協調する枠組みを作ることも意図しているとみられる。
報道で伝えられている通り、年金システムの制度設計について民主党が2009年のマニフェストで掲げた案と、それを否定してきた与謝野氏が経済政策の舵取りを行うが、現状どのような財政、社会保障の制度設計が打ち出されるかは流動的である。国民との約束をほとんど実行しなくても、これまで政権運営を続けてきただけあって、正直予想は難しい。
財政政策運営の肝要な点は、景気状況を配慮した短中期的政策と、持続的な制度を構築する長期的な政策、の両者のバランスをとる事である。1990年代後半以降、経済状況に配慮を怠り、増税政策を打ち出す度に景気回復が頓挫し、結局財政健全化に失敗してきた。
増税は、経済成長を担う民間部門から、政府部門へ強制的に所得を移転することである。ベーシックな経済理論に基づけば、短中期的な対応として、増税は景気が過熱している時に行うべき方策である。現状の日本の経済状況を考えれば、主要国の中で唯一デフレを克服できないなど停滞は明らかで、増税に踏み切るリスクは極めて大きい。デフレになっていない米国ですら、昨年末に減税政策を継続していることを忘れるべきではない。
もちろん、持続的な社会保障制度を確立するという、長期的な視点の対応も必要である。ただ、この長期的な視点「のみ」から、日本の財政状況が厳しさを極度に誇張して伝える、メディアや評論家が非常に多い。こうした極論は、税制を変更しなくても、デフレを克服し経済が正常になるだけで、財政赤字がかなり縮小することを忘れている。
例えば前回の景気回復局面を振り返ると、2002年に財政赤字が約−37兆円と最も拡大した時から、景気回復によって2007年には−13兆円前後まで改善した。07年はデフレから抜け出す一歩寸前の状況で、その程度に経済が正常化するだけで財政収支はかなり改善する。
持続的な社会保障構築のために、ある程度の増税が必要としても、必要な金額は経済が通常の状況に戻った時に考えるのが妥当である。今後の政策対応がこうした常識を前提に運営されるかどうか。冷静な視点で、改造内閣の経済政策の妥当性を考え、投資判断の材料にする必要がある。(執筆者:村上尚己 マネックス証券チーフ・エコノミスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK104掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。