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小沢一郎は民主主義と自由主義、普通の国を目指しているだけなのだが (世相を斬る あいば達也)
http://www.asyura2.com/11/senkyo104/msg/817.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 1 月 18 日 07:38:02: igsppGRN/E9PQ
 

小沢一郎を知るために、結構様々な努力をしている。色々と事象ごとに筆者の理解の範囲を超える言動に出遭う事もあるが、それは筆者ごときには計り知れない熟慮や深謀があるのだろう、と考えている。小沢一郎が公に、その政治理念や思想、時に個別の政策を語るのを聞いていると、我々が一般的に持っている「政治家像」とは異質なモノも感じる。

ある時は市井の道徳親父のように思えるし、“キリキリ王国”の小学校校長のようでもある。時に偉大な哲学者のようにも思える。それでいて、評価は別にして日本の政治シーンで最も重要な地位を占めている(役職とかのレベルではなく)。菅直人が首相となり、小沢本人に狂気の鉈を振り回そうと泰然自若なのである。

約束を守らないと、怒りが直ぐ顔に出て、誤解を招く(相当に損をしているが、個人的にはその方が好きだ)。 信義誠実に忠実すぎる人格は、現在のような生活主義、自己中心主義な生き方万能の世の中では、煙たい存在でもあるだろう。楽して生きていきたい人々からみれば、嫌われ者になるのも頷ける。

しかし、彼は世間の評価に迎合することなく、自らの信念を貫き、魑魅魍魎の政治の世界で40年生き続けている。その力の源泉は、筆者は小沢一郎が、真の原理原則主義者だと云う部分に行きつく。

このような表現をすると、原理主義者で誉れ高い岡田克也と云う人物が思い浮かばれるが、岡田の原理主義は都合で如何様にも変わってしまう、表層的原理主義だ。小沢の原理原則主義には、入り込む好き間がなさそうな原理原則の中に、縄文の心とか人情とか、人間性の矛盾を許容する自在性を加味しているところが面白く、極めて魅力的なのだ。

小沢一郎が主張している事は単純で、単純すぎるが故に難しい。そこが彼の最大の魅力だ。

彼の日本の真の民主主義実現に向けての熱意。民主主義を補助する形で存在する法治と云う観念(故に悪法でも従う姿勢)。普通の国となり、自由に外交・経済を展開する事。

国民一人ひとりが自主独立の精神を持ち自立すること。自立の意欲は様々な教育を通して得られること。国民の自主独立が自主独立国家の源泉だと常に主張していること。

個別の政策課題や外交課題においても、この理念が根底にあるので“揺らぐ”ことがない。あるとすれば、そこに縄文の心や人間の本質的な身勝手さを若干許容して、原理原則を緩める場面だろう。或る意味で、彼は何処に出ても、誰から聞かれても、この理念を語るのだから、追いかけ回しても、それ程の変化はない。

にも関わらず、小沢のインタビューは鮮度が保たれている。 なぜ同じことを繰り返しているにも関わらず鮮度を保っているのか?筆者の自己分析では、筆者がそもそも単純に小沢一郎を魅力的だと思っているからと云うのがある。次に小沢一郎には、原理原則では律し得ない、常にある人間の不条理を一定の範囲で許容する度量があるからではないかと思っている。

愚直に「お天道様が観ていらっしゃる」なんて言葉を躊躇いなく21世紀の政治家が語る部分が心を打つのだと思う。

小沢が口にしている「民主主義国家像」は至極当然なことを言っている(まるで教科書そのもの)だけなのだが、それが新鮮な言説のように聞こえる。田原や田崎や星が言ってもマヤカシに聞こえる言葉が、小沢の口から出た瞬間に“なにやら輝いて聞こえる”不思議だ。 酷くおかしく、魔術にしてやられているのかと己を疑う事もある。

世界に影響を及ぼす政治家の一人と言われる由縁が、そのサムシングにあるのだろう。筆者を揶揄する人々は「だから、小沢教信者なんだよ!」と笑うだろうが、それはそれで受け入れようではないか。ただ、小沢の言葉は宗教の教えではない。ただの民主主義の基本であり、それが政治理念だ、ここを見逃して貰っては困る。しかし、民主主義の基本が政治理念になる?やはり日本国家は病んでいるのだ。

一昨日の特集2001番組出演において、TPPの参加検討の場面では、小沢の政治家の一面が色濃く出ていた。自由貿易論者であるが、TPPイコール自由貿易かどうかは別だと云う部分である。米国の世界戦略の中のTPPだと云う事を踏まえた議論が必要だ。乗り遅れているわけではない、準備が出来ていないだけだと、真実を論破していた。

財政規律に関しても、小沢は財政再建に無関心な筈がない。細川政権時に斎藤次郎次官(当時)との国民福祉税構想をみるまでもない。財政規律が重要なことは、与謝野の十年来、菅の数年来に比べ、小沢一郎は二十数年前から考えていたことだ。与謝野の「蜂に刺された程度発言」のような寝とぼけた増税論者とは筋金の入り方が違う。

ただ、財政の無駄を省くと言った以上、その無駄を予算作成の仕組みも含め見直さない限り、予算が浮いてくるわけがない、と言っている。今まで同様の霞が関ルーチンワークから、財源が生まれてくれば良いだろう、それでは財務省の役人の理屈が通ってしまう。

だから政治主導の地方への財源移譲が重要なカギを握る。紐なしになった財源を地方に任せることが、予算の歳出を抑えられ、地方の自主独立の精神を育む。財源の移譲により、当然予算配分を通して無駄の温床を作った霞が関改革にも繋がる。

一方で地方の自主と独立が強く問われる。 結構厳しいことを小沢一郎は言っている。個人にも、地方にも、企業にも、霞が関にも、政治家にも。

既得権益を1,2割脅かされる国民階層にとっては不快な政治家だ。しかし、その不快を乗り越えて、自主独立をして、国益を考えるポジションに立たなければ、古臭いが「日本の戦後は終わらない」。謂わば「無条件降伏した敗戦国」の国際的地位から脱却できないのだ。

メチャ苦労しそうだから嫌っ、と云うリアリストも多いだろう。その選択は国民に任されている。 外交防衛に関しても、TPP同様に、米国の言うことさえ聞いていれば、「楽だから」で良いのか、と日本人が眼を覚ます事を促している。

米国の要求が理不尽だと云う話ではない。何処の国でも、独立国であれば必死に自国の国益を考えるのは当然で、米国は国益において主張しているだけである。独立国は、政治家も官僚も緊張の連続を強いられる。だから、国際的信頼も得られるし、主張に耳を傾けて貰えると云う、国際的常識を語っている。まして、世界の超大国米国と交渉する事は尋常な気持では出来ないと言っているのだ。

この自国の国益を主張する事と、米国と喧嘩するとか、仲を悪くしようとか、そういう問題ではない。但し、相当の覚悟が必要なのは事実だよ、と言っている。だから、菅は隷米を選択した。隷米である以上、最低限の安泰が約束されるからだ。それを象徴するのが「最小不幸社会」の造語に繋がる。

そして、霞が関を含めた既得権益層が隷米の方が「楽だから」「得だから」と云う攻防を小沢・鳩山としている。少々短絡的帰着だが見逃して貰おう。

小沢一郎は、我々に厳しさを要求している。おそらく、小沢一郎の考える自立した日本の姿は、緊張の連続になるだろう。外交も防衛も経済も緊張感を要求される。当然、その主権者である我々国民にも、厳しさを求められる。しかし、その厳しさの中からしか、本当の個人の自立、そしてその個人の共生、真の独立国は得られないと言っている。戦後の民主主義は、米国から半ばタナボタ的に得たものである。贈り物に満足する民主主義は、様々な国でも経験されているが、やはり何処か底が浅い。難し挑戦だが、筆者は、そんな小沢一郎の政治的試みを応援しようと思う。

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/3feab554b6157da4c65795de93fd9e73
 

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コメント
 
01. 2011年1月18日 09:14:50: FfYrDONfcA
「お天道様が観ていらっしゃる」の言葉は私(77才)もよく祖母から聞いた。
日本人の自然崇拝(神道、仏教、その他の宗教を包含した宗教的理念)をよく表し
ている含蓄ある言葉である。
西欧アラブ世界の宗教者は「一神教が正しく、進化した宗教」とよく言うが、現実は「一神教同士の争い、キリスト教(ユダヤ教含む) Vsイスラム教の中東戦争」の根源に「一神教の他宗教排除」があると思う。
日本国民は「お天道様精神」を持つことが大切だ。
菅も岡田も仙谷も枝野も少しは日本の伝統的精神を学べ!
悔い改めれば「お天道様」は許して下さる。

02. 2011年1月18日 09:22:56: wAPAVZAl6A

>小沢一郎は民主主義と自由主義、普通の国を目指している

小沢が目指しているのは民主主義ではない。
札束主義。

小沢は100人近い議員候補に一人500万円づつを配った。
当選した議員たちは、小沢の派閥を強化し、小沢が立候補した代表選で投票。

つまり小沢は、札束で議員のホッペタ叩いて議員を思いのままに操る、「札束主義」なのだ。

そしてその原資というのが、党を作っては壊しを繰り返して公党に残った金を自分のものにしてしまった金なのだから、ひどいものだ。
拝金主義、ここに極まれりだ。

金の力で議員を動かし、派閥を作り、代表選で投票させる。
民意も無視、政策も無視。

このような小沢式札束主義は、日本から排除しなければいけない。



03. 2011年1月18日 09:36:47: DtdutbwPRY
あいば達也氏の意見に同意。

04. 2011年1月18日 09:50:57: bbN5U6UIQo

湾岸戦争のときの、小沢さんの対応をみれば、
原理原則がなにかが、わかる。

あのとき、この人は、いわゆる自民党のほかの議員とは違うと感じた。
小泉のように「戦闘のないところに自衛隊を派遣する」みたいな
ウソはつかない。

原理原則は、教条主義ではない。プリンシパルというか、精神というか、
小沢さんの場合は、「民主主義」だと思う。
国民が判断することだと、言い切る。
しかも、最後は、誠意が勝つと言い切る。
プリンシプルがしっかりあるから、柔軟な対応ができる。

戦前、戦後をとおして、日本の民主主義は踏みにじられてきた。
司法が、時の権力の手先をなり、憲法を踏みにじり、ないがしろに
してきた。
それでも、高度成長のおこぼれをいただくことで、自民党政治に
我慢してきた。

だから、「民主主義」の原則は、新しくはないが、
実現することは、まったく新しい経験なのだ。
そういう言葉も、学校教育知識レベルの話だけで、どこか違う世界だった。
60年代のアメリカにあこがれたのも、豊かな物質と、
どこか平等な社会を夢見ることがあったから。

誰かがTwitterで、つぶやいてたけど、
小沢さんの時間のスケールが自分たちと違うことがわかったと。。

江戸末期から明治維新、大正、昭和と戦争を経て、
戦後の復興、高度成長、オイルショック、バブル崩壊、
小泉地獄、リーマンショック、政権交代、
長い歴史の流れに、今の日本、これからどうあるべきかが
見えているのだろう。


05. 2011年1月18日 09:51:36: kbjD6Oqr1Y

あいばさんに強く同意します。

06. 2011年1月18日 09:52:56: JG4M5xQxxg
>02
おいおい何度もおんなじコピペをすんなよ!鼻でせせら笑われているのがわかんないの?ID変えてもバレバレですよ。

07. 2011年1月18日 10:03:10: YjYai5iv9s
「小沢式札束主義」ってどんな主義???
あのなぁ麻生政権末期に選挙日程を曖昧にされ
引き伸ばすだけ引き伸ばして、新人候補や地盤が弱い民主党候補は
ある意味、兵糧攻めに遭っていた。
そこへ小沢氏の政治団体から、民主党候補者への資金援助があったのだよ
選挙運動や事務所維持費からの支援である。

時代劇の賄賂をイメージするような印象操作をしたいのだろうが
全くもって、ゲスの勘ぐりである。

札束金権政治の歴史的事実も分らずコメントしないように。
バブル期やバブル破綻の時、金融関係で良く言われていた言葉がある
護送船団方式とかで、金融機関は旧大蔵省から国から守られていたと
大蔵省官僚の采配で無茶苦茶な融資をした大手銀行が何故救済されたか?
詳細書くと長くなるから割愛するが

政治家の選挙資金とは銀行からの融資の割合が大きい
選挙資金は政治家個人の借金、当選後は借金棒引き
棒引きした借金は、回収不良債務
回収不良債務を認可するのは大蔵省の官僚

政治家
官僚
銀行→財界

政:官:財のトライアングル
札束政治とは、まさに選挙資金融資がスタートだといっても
過言ではない事実があったわけだ。
このことから、バブル崩壊後の無茶苦茶な金融機関支援があった
住専の金融支援もあったわけだ。

小沢氏が民主党候補者に支援した500万は
選挙資金の借金が元での負の連鎖に繋がるような行為になっていない
良い使い方の金だよ。


08. 2011年1月18日 10:04:30: jfFAZGb6iI
「特集2001番組出演において、」

「新特報2001」だと思いますが、この番組の中での小沢氏の一番大事なメッセージは、「誰が総理になってもいいよ、ただし09年マニフェストを少しでも実現する努力をしてくれれば、の話だけどね」でした。
前原氏に言っているのです。
茂木氏も、そこを強調してましたね。

まったく政治家は暗号みたいな会話をするので分かりづらいですね。
でも、それができないと「外交」ができないのでしょう。
外交において大切なコトバは英語ではありません。こういった暗号語です。これができないと各国首脳も「まいったなぁ、あそこの国の首相は」と頭をかかえることでしょう。前原氏にできるのかな…、少し不安。


09. 2011年1月18日 10:07:34: YjYai5iv9s
>07訂正です 回収不良債務 誤 → 正 回収不良債権です。 失礼しました。

10. 2011年1月18日 10:36:52: 9bkQQTJs5c
小沢氏の魅力を「常にある人間の不条理を一定の範囲で許容する度量」にあると分析、指摘したあいば達也さんってどんな人なのか?優れた分析をする人だと感心しました。

11. 2011年1月18日 11:02:52: sXboOZ78rY
不条理とは、70年代、フランスのアルベール・カミュが提唱したと思った。
当時、同じフランスの実存主義者サルトルは「不条理とは水に飛び込んで
も濡れないようなもの」と評した。そうかも知れない。
菅さんの、成長するかもわからぬ産業を前提にした新経済成長戦略とか、
農業も含めて社会的な影響の大きさも議論しないTPPなどに不条理を
感じる。


12. 2011年1月18日 12:36:02: u8T2aRIP9Y
>02

自己紹介、乙。


13. 2011年1月18日 21:08:44: L66dsQkzT2
戦後は終わらないのかもしれないし、もしかしたら、明治が終わらないのかも。

14. 2011年1月18日 23:23:33: iGHv8hRRVc
>2
ID変えてどこにでも湧いて来るな。
ご苦労な凝った。一人で阿修羅潰し。

15. 日高見連邦共和国 2011年1月20日 22:37:21: ZtjAE5Qu8buIw : GpIUsAuiLs
13様

あえて東北視点(視線)から言わせて頂けレバ、『戊辰戦争』いまだ終わらず、ナノデス。

白河以北ひと山一文の東北の住人でした。


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