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小沢氏のテレビ出演と、真実を曲げるマスコミ報道
16日日曜日朝のフジテレビ番組「新報道2001」に民主党元代表小沢一郎氏が出演した。この番組を視聴された方は、何を感じ、何を思われただろうか。今の日本の政治家の中で、最も政治家らしい政治家であると再確認した。多分、テレビ局側には台本があり、小沢氏が菅内閣の批判、人事の不満など、民主党内に亀裂の入る発言をすることを期待したのだろうが、氏は決して他人を批判・誹謗することはなかった。
番組の冒頭で、小沢氏の座右の銘である「百術不如一誠」(百術は一誠にしかず)が紹介された。いろいろと手練手管を使って人を動かそうとしても、一つの誠意には及ばないと云う意味である。人間の知恵で人間をコントロールできる、とする左翼思想の持ち主である菅・仙谷・枝野氏などの思想と相容れないものだろう。また、彼らが余りにも策を弄し過ぎている現状を前にすると、この言葉はひときわ光るのである。
人によっては、この座右の銘を古いと言うかもしれない。積極的に策を弄し、他人に働きかける方が、今風だと言うだろう。だが、この番組に出ていた脳科学者・茂木健一郎氏は、「小沢さんを『古い』タイプの政治家という人が多いが、むしろ、小沢さんを古いと評価する人たちの方が、日本特有の固定した世界観にとらわれていて『古い』のではないかと危惧する」と言うのだ。流石に脳科学者。慧眼である。
政策を語るとの約束にも拘わらず、司会の須田アナは「政倫審」に話を振ってきた。
小沢氏はこれに対し、「私は一度も出ないとは言っていない」「司法の場で論議しようとしているのだから立法府で議論するのは如何なものかと思う。だが、政治家だから、国会運営がスムーズに行く状況であれば、私は(通常国会の)冒頭にでも出席する」と述べ、それよりは「私の問題で審議がどうこうと野党も考えていない。優先順位でいえば、予算の成立が一番大事だ」と筋の通った話であった。
この発言を、テレビ朝日はニュースで、「民主党の小沢元代表は16日朝、民放のテレビ番組に出演し、執行部から出席を自ら申し出るよう求められている政治倫理審査会について、当面は出席しない考えを改めて強調しました」と報道した。この番組を視聴した人は、誰一人として「出席しない考えを改めて強調した」とは受け取らなかったはずだ。如何にマスコミが「真実を曲げて」、誘導報道するかの好例である。
また、「マニュフェストを変更する方向になっているが変更するのであれば国民に信を問うべきではないか?」との質問があった。これに対して小沢氏は、「私もそうであるが、現在は多くの仲間がそれに同意している訳ではないが、もし大多数の議員がマニュフェストを変更する必要があるというのであれば、それは国民に信を問うことになるだろう」と答えた。処が、読売新聞はどう報じたかである。(以下引用)
菅首相らが、09年衆院選の民主党政権公約(マニフェスト)見直しを表明していることに関して、(小沢氏は)「党が『これ(マニフェスト)を変えてしまうんだ』となれば、国民にもう一度、信を問うような大きな問題だ」と批判した。(引用終了)読売は、発言を微妙にすり替えた上に、「批判した」とテレビ朝日同様に、民主党内に亀裂が生じるような誘導報道をしているのだ。
「マニュフェストを変更するなら、国民に信を問う」のは、誰が考えても当然の話だろう。この筋の通った話を、「批判した」と報道するマスコミの方が間違っている。
今回、小沢氏の発言をテレビで視聴した人は、小沢氏が、国民が起こした政権交代を如何に大事にしているか分かったはずだ。決して党を割るような発言はしなかった。
そして、このようにメディアが「編集」の名を借りて、小沢氏の意図と異なる内容にその発言を改竄し、報道していることを知っただろう。
小沢氏の生番組のテレビ放送時間は8時半で終わった。1時間の内、政倫審や検察審査会による起訴の問題などで20分ほど費やしたので、「政策を語る」には時間が不足であった。上記のほかにTPPの問題、米国と日本の国益の問題などがあったが、1時間のトーク内容を全てを、本稿で書くのは無理である。好き嫌いはあっても、この番組を視聴した人の多くは、小沢氏のような政治家が今の日本に必要だと思ったのではないだろうか。多くの人は他の政治家との「器」の違いを感じただろう。
<徳山 勝> ( 2011/01/17 18:15 )
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?m=0&i=1
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