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14日、菅再改造内閣が発足した。サプライズはないと思われていたが、与謝野馨氏の破格な処遇はやはりサプライズと言えるだろう。
前回述べたように、与謝野氏は起用されても、厚労相か首相補佐官と報じられていたが、開けてみると、内政の“全権委任”とも言える立場を与えられた。これでは「与謝野内閣」と言ってもよい。
経済・財政担当相に加えて、税と社会保障も担当するという。経済の司令塔を務めるばかりでなく、実質的には財務相や厚労相の上に立つ存在となった。菅首相の「強い経済、強い財政、強い社会保障」に向けて、すべての行政分野を統括する権限を握ったのだ。
今後この内閣は、行政改革と経済成長という最も重要な課題を棚に上げて、ひたすら財政再建を掲げて国民負担増に向かって突進するだろう。改造内閣は「行政改革、経済成長を棚上げにした財務省内閣」となっていかざるをえない。
行政改革を省略し増税へ?
悪質な菅首相の背信行為
菅首相は、消費税増税に向けた与野党協議について党大会でこう演説した。
「野党がいろいろな理由をつけて積極的に参加しようとしないなら、歴史に対する反逆行為だ」
私はこの発言に強い憤りを感じた。自公政権の協議の呼びかけに民主党は積極的に応じるつもりだったのか。また首相自身にそんなことを言う資格があるのか。ちょうど一年前、国会で消費税増税について質問を受けて、「逆立ちしても鼻血が出ないほど(税金のムダ使いを)しぼり取ってから」と言ったのを国民は忘れていない。菅首相こそ歴史に対する反逆行為を積み重ねているのだ。
おそらく、改造内閣の「最強の態勢」は国会が開会するまでしか続かないだろう。行政改革を省略して増税に走るのでは自民党と同じである。自民党は公然とその方向を打ち出していたが、民主党は行政改革の先行を叫んで政権交代を実現したのである。背信行為である点で自民党よりもはるかに悪質だ。
これで春の統一地方選挙における惨敗に大きな拍車がかかった。日本の政治の末期現象と言わざるを得ない。
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