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この国では国家の基本となる「憲法」は何の意味も持っていない。戦争を放棄するために全ての交戦権を放棄しているのに自衛隊は大きな組織で存在し、マスコミも知識人も前提となる憲法を議論しない。三権分立はもっとひどい。立法行為も司法に至るまで行政府たる官僚の意のままにされたまま何も変わっていない。一体この国はどうなっているのかという根本的な問いかけさえ出てきていない。正に普通の国ではないのに誰もが「見て見ぬふり」をしている。
相も変わらず同じ事を繰り返し書かなければならないのは自分でも嫌になる。しかしながら、この国では知識人と言われる人々さえ何の声も上げない異常な状態にされている。天皇制を絶対的なものとして明治憲法が起草された時点でも、美濃部達吉らの学者たちは「天皇機関説」を主張し天皇の絶対性を否定した。それに引き換え、わが国の現状の知識人と言われる者たちの沈黙は何なのか、あまりにも情けない状況に陥っている。国家の基本的な在り方の議論がないまま、単純に政治が悪いという議論ばかりが先行した結果、国民は国家観の基準も見失い、結果として社会全体に無力感が充満してしまっている。
本来の民主国家であれば国民が選んでもいない公務員たちが国家を動かすような事は断じて許されるものではない。その事すら誰も声に出して論じないという異常さはどこから来ているのだろう。崩壊以前のソ連や現在の北朝鮮を見れば、国家を動かしているのは公務員であり国民ではない。社会主義国家では国民は主権者になっていない。この国では憲法が「主権在民」を明確に定義しているのに主権は国民にない。それが何の議論もなく放置されたままでいる。かろうじて選挙制度は確立されているが、国民は民主主義の何たるかを理解していないので、投票率は60%程度と極端に低い。個々人の実際の投票率は、政治家たちを応援する団体の所属者たちの高い投票率を考慮すると、実際にはさらに低いものになっている事は容易に想像できる。これが「全ては政治が悪い」というような世論操作の結果なのである。
国家の基本的な問題である予算や公務員の実態に関する情報は、全てが官僚の意のままに操作され、正確な情報は何も公開されていない。結果として国民は高い税金や、隠れた税金ともいうべき公共料金や公共サービスに対する印紙などと言う媒体を通じて高い費用を支払うことを余儀なくさせられている。免許証の更新だけでも何千円もの手数料が取られ、そこで配布される資料は天下り団体による中間搾取の源泉になっている有様だ。公共財である高速道路や空港、港湾などの使用料なども法外の料金となっている。空港の着陸料はどこに使われているのか、情報公開されているのだろうか。その上で、日本は生産性が低いと平気で指摘されているのだ。こんな状況下で企業がいくら頑張っても生産性で海外に勝てるわけがない。国内産業が衰退するのは当たり前なのだ。それに拍車をかけるように、何かの会社を立ち上げようとすれば省庁ごとの二重、三重、時にはそれ以上の規制が覆いかぶさる。国中に閉塞感が充満しないわけがない。 それに加えての消費税の増税論議などが加われば閉塞感はさらに深まり、国民の鬱積した不満がまた政治家に向かうという悪循環に陥っている。陰で喜んでいるのは官僚たちである。
我々は政治が悪いなどと本気で言える状況にあるのか自問しなければならない。自分たちの要求に対してその努力をしているのだろうか。「誰かがやってくれる」という風潮がなくならない限りこの国は決して変わらない。幸いにもまだ選挙については官僚も手出しはできない。これを使って国民の代表者を国会に送り、憲法をその本来の機能通りに戻して初めて民主国家が確立されるだろう。政権交代したのに、以前と同じような他人任せの「政治が悪い、政治とカネが悪い」などという世論操作に振り回されず、本当の意味の民主国家にしなければ何の意味もなくなってしまう。官僚と一体化した自民党のようなエセ民主政党に騙された結果が現在の我が国の姿なのだ。国民が本当に考えて一票を誰に投じるのか、それこそが今、何にもまして問われているのである。
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