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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5246
NHKの会長に安西祐一郎氏(前慶應義塾塾長)が就任する問題を巡ってNHK経営委員会が紛糾し、安西氏が「就任拒否」する一方、経営委は「辞退勧告」するという異例の展開になった。
【就任要請した会長候補に「辞退勧告」】
安西氏が記者会見で発表した文書によれば、経緯は次のようなものだ。
<12月19日に小丸NHK経営委員長から就任の要請がありましたが辞退し、さらに22日にも辞退しました。(中略)小丸委員長および経営委員会の全面的協力を前提とすることの了解を小丸委員長から得たうえで、まったくの善意で内諾の意向を伝えました。
経営委員の方々は、私のこれまでの経営・学術・教育改革等に関する活動や会長としての私に期待することなどを、十分に理解して要請したと認識していたのですが、実はそうではなく、要請しておいてから後になって、いわれなき中傷を含む風評だけで私を評価するようになったことも判明してきました。
さらに、小丸委員長がいったん就任要請をし、私が内諾したにもかかわらず、今度は一転して私に辞退の勧告をするということも起こりました。
(中略)一貫した対応姿勢をまったく持たない小丸委員長、および風評に依存して動く経営委員会では、仮に私がNHK会長に就任しても、NHKをさらに良いものにしていくことは困難であると判断します。>
これは一方の当事者の情報なので「いわれなき中傷」の真偽は定かではないが、常識的に考えて、正式の就任要請を受ける前から「副会長を連れて行く」とか「交際費を使わせろ」といった条件をつけることは考えにくい。それが事実であったとしても、会長としての経営手腕とは別だろう。
安西氏が問われなければならないとすれば、慶応の塾長として行なった積極経営が失敗して、2008年度決算で269億円もの赤字を出した経営責任だろう。しかし、それは彼に就任要請する前から分かっていたことであり、就任要請してからのドタバタ劇の理由にはならない。
経営委員の一任も取り付けないで委員長が就任要請したとしたら、非常識と言われてもしょうがない。
【素人集団のNHK経営委員会】
NHKの経営委員の評判は、以前からよくない。委員会が開かれるのは月2回だが、ほとんどは執行部の決定事項を追認するだけだ。
例えば2010年12月10日の議事録を見ると、3時間の委員会で委員の発言は25回で、すべて単純な問い合わせと感想だ。こんな仕事で年俸2256万円、委員長は3192万円というのは高すぎるのではないか。
そのメンバーを見ても、小丸成洋委員長は福山通運の社長、委員長代行の安田喜憲氏(国際日本文化センター教授)は考古学者、その他に作家や漫画家も混じっていて、放送の専門家はかろうじて元民放連の専務理事一人だ。これでは執行部がおかしな案を出してきてもチェックできるはずがない。
このような人選になっている原因は、各委員が実質的に地域代表になっているためだ。以前のような各地域の枠はなくなったものの、実質的には北海道から九州までの各ブロックごとに選ばれる。委員長には東京以外の地域の経営者が選ばれるのが慣例だ。
放送事業についての見識は問われない。さらに、委員長も会長も、放送に関連する企業の経営者は除外されるため、放送の素人しか選びようがない。
今回の人事でも、原口一博前総務相は東芝相談役の西室泰三氏を会長に起用するため、放送法を改正しようとしたが、果たせなかったといわれる。
このような制約条件のもとでは、安西氏は悪くない人選だった。情報技術の研究者だから、経営手腕には難があるが、コンピューターやメディアの世界での業績の評価は高く、これからメディア戦略を建て直さなければならないNHKには適材だろう。
【素人集団の経営委員は総辞職して出直せ】
ところが、日本テレビの氏家齊一郎会長が週刊誌で「片山君(総務相)が慶応大の教授をやっていた関係で彼 (安西氏)を推した」と発言して、話が混乱してきた。この真偽も定かではないが、事実だとすればNHK人事で毎度おなじみの政治介入だ。
NHKの会長はいつも政治のおもちゃにされ、「畳の上で死ねないポスト」として恐れられている。
小野吉郎会長(元郵政事務次官)は、ロッキード事件で保釈された田中角栄元首相を目白の私邸に見舞いに行って辞任し、そのあとの池田芳蔵会長も、島桂次会長も、国会答弁の失敗がきっかけで辞任し、彼の寝首を掻いたといわれる海老沢勝二会長もスキャンダルで辞任した。
いずれも当時の自民党政権との確執が原因だった。
NHKは受信料制度で政府からの独立性を保つ建前になっている。だが、その予算を承認する総務委員会の審議が鬼門となり、実際には政治的圧力に非常に弱い。慰安婦問題をめぐる番組改竄問題が起きたのも、国会審議の時期だった。
このように放送を知らない経営委員と会長が政治的圧力で送り込まれていては、NHKはいつまでたっても、まともな経営戦略を立てることができない。NHKオンデマンドのお粗末な状況はそれを象徴している。そればかりか民放と一緒になって、通信と放送の融合を妨害する法改正や訴訟に熱心だ。
民主党は野党時代、このような自民党に利用されるNHKの経営に批判的だった。ところが与党になったら、また政治利用して、経営の中身はそっちのけだ。
今の素人ばかりの経営委員は総辞職し、放送法を改正して通信・放送の専門家が会長や経営委員になれるようにすべきだ。
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