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「タイガーマスク」を児童福祉政策改善のチャンスに
教育・こども / 2011年01月10日
暗いニュース、やりきれない事件が続く。そんな中で、群馬県で児童養護施設にランドセルをプレゼントする「タイガーマスク」が現れて、全国に一気に広がった。今日の新聞にも岐阜と長崎でランドセルがプレゼントされ、神奈川県厚木の児童相談所には紙袋に入った玩具などが届いた。また横浜市の児童養護施設には、文房具類が宅配便で届き、また他にも商品券や現金などが「伊達直人」名から贈られている。メディアで報道されると、「タイガーマスク伊達直人」となる人が増えているということだろう。それでも、「児童養護施設の実態」について全国的な注目が集まり関心が寄せられるのはいい機会だと思う。
私は、2000年に児童虐待防止法という超党派の議員立法をつくるために奔走した。この10年、私の頭から離れなかったことがある。御存知の通り、児童虐待の疑いの通報は、児童相談所、保健所などで法施行後に急増した。その結果、児童虐待の被害児童が保護されて、児童養護施設で長期間暮らして学校に通い、成長する子どもたちの数も増えた。そして、児童養護施設で暮らすことが出来るのは、高校卒業までである。施設を出なければならない時に大学や専門学校に進学するのは、相当の困難が伴う。進んだ施設では進学する子もある程度いるが、施設によっては、「考えることもない」と言い切るところもある。
「タイガーマスク」のニュースを見ながら、そのことを思い出して子どもの問題に国会で取り組んできた民主党、自民党の議員に電話を入れてみた。 まず、児童養護施設がどんな困難や課題を抱えているのかの声を受け止めて、その声の中で政治が出来ることを整理して政策実現していくことが出来ないのか。 自然発生的に広がった「タイガーマスク」の輪を一時期のエピソードに終わらせずに、児童福祉政策の転換のチャンスに変えていくことは出来ないのかを考えていきたい。
昨年9月にツイッターで、「児童養護施設の現状と子どもたちの未来」のテーマで連続ツイートをした。思わぬほどに大きな反響があり、多くの人が関心を寄せていることが判った。児童養護施設に「学習支援ボランティア」を派遣するグループからも連絡をもらい現状を聞いた。もう一度、その時のツイートを再現してみたい。
〔ツイッターから引用開始〕
入口作って、出口作らず。児童虐待防止法は私が発案者になり2000年に超党派で立法したが、心残りなのは「児童養護施設」を18歳、高校卒業時に施設を出る子どもたちの大学・専門学校進学率はゼロに近く低いことだ。社会が虐待から守るとして保護した子らに「教育の機会均等」が実現していない。
児童養護施設を出る前にアパートを借りてひとり暮らしをするお金を貯めて、奨学金を申請するにしても、学校に通いながら生活費もアルバイトで稼がなければならない。進学希望の子どもたちには無料の寮と、給付型奨学金を出すぐらいは「社会の責務」だが、この問題が放置されたのは「政治の貧困」です。
7月の参議院選挙で私は、「児童養護施設から進学を希望する子どもたちには、宿舎・学費を準備して全面的に支援する体制をつくる。ひとりの政治家が頑張れば、必ず出来る」と訴えた。このテーマに取り組んでくれる国会議員の取り組みが活発になることを望むし、全力で応援したい。
児童虐待問題に取り組んでいる現場は圧倒的な人手不足。また、しっかり勉強して取り組みたいという若い人も多い。ところが、日本には公の研究機関・児童虐待防止研究センターという「情報の集約点」がない。韓国には国立の研究機関がふたつ出来たとも聞いている。大学で、試みているところはある?
一般の貧困がゆえに進学出来ないという子どもたちに「給付型奨学金」を準備するのも「社会の責務」です。しかし、はるかにその手前に最優先事項=「児童虐待から君を守る」と言いながら施設で保護したのに、「大学・専門学校は無理だぞ」という環境に置いている社会はあまりに貧困ではありませんか。
大学も専門学校も行かない人生もありです。私自身が「定時制高校中退」で、読書、読書の無手勝流独学で世間を渡ってきた人間なので、「学校だけが人生じゃない」という本まで出しています。ただ、それは自分で選択した結果でした。最初から、無条件で「進学はあきらめろ」という環境は納得出来ません。
(児童虐待にあって施設で育った子どもたちが)「行けないのは運命と受け入れては」という意見をいただきました。そんな意見もあるかと思います。しかし、児童虐待防止法をつくったひとりとしては、限りなく恥ずかしく、また子どもたちに申し訳ないという気持ちになるのです。
おはようございます。昨日の夜は、児童虐待防止法の「影」の部分について書かせていただきました。この法律については、提案時、1回目の改正時、2回目の改正時と深く内容に関わってきました。超党派フレームでしたから、自民党の馳浩さんとも信頼関係を築いて「全員一致」で立法してきました。
児童虐待の被害児童は、通報を受けると一時保護所に連れて来られる。5年前、この施設を見た時に驚いたのは、施設が狭隘で元気がありすぎる「非行」の子と、声もうまく出せない「被虐待児童」が大部屋でざこ寝をしていることだった。なお、入所時には着衣・私物をすべて取り上げられ預けられていた。
虐待にあって、保護されて一時保護所に連れて来られる児童が大切にしているクマのぬいぐるみも、愛着のあるペンダントも、すべて一時没収。官給品のジャージに着替えて施設で暮らしていたのを見たのは5年前。今も一時保護所では同様の扱いなのだろうか。知っている方がいたら教えて下さい。
「なぜ不安を抱えて一時保護所に来た子どもから大切にしている持ち物を取り上げるんですか」と私は職員の方に聞いた。「さあ、ずーっと昔からそういう決まりになっているんで。わかりません」とのことだった。戦争直後、戦災孤児たちはダニ・シラミがひどく頭からDDTをふりかけられていた。
7年前。衆議院の視察で児童養護施設を見に行った。山の中の施設には広々としたグランドがある。2階にある小学生の居室は、やはり大部屋でざこ寝だった。ある議員が施設に訊ねた。「あれ、網戸はないんですか」「ありません。蚊とり線香でやってます」とのこと。私は机の数が少ないことに気がついた。
児童養護施設の大部屋の小学生たちには3人にひとりしか机が与えられていなかった。「子どもたちも順番を決めて仲良く使っています」と施設。粗大ゴミに出される学習机が目に浮かぶ。新しい建物には高校生の女子が住んでいたが、居室はわずか3畳。しかも定員は2人だ。小さなちゃぶ台が机代わりだった。
こうして、児童養護施設の生活環境を見ていくと、大学・専門学校への進学が際立って低いのは、施設を出たあとの生活費など経済的な条件ばかりでないことが判ってきた。もちろん施設側の運営も苦しい。本来ならより学習環境を整えたいのは山々だが、それが出来ない悪循環。高齢者施設とは雲泥の差だ。
〔引用終了=2010年9月12日『保坂展人のどこどこ日記』に掲載〕
たくさんの人が関心を寄せて、実態を知ることで児童養護施設の社会的支援を組み上げていくことが出来る。このテーマに今年も取り組んでいきたい。
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