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庶民の内閣との意味を込めて奇兵隊内閣と名付けるなど、とにかく庶民派をアピールしたがる菅直人首相だが、首相番として1日の行動を追うと、首相は本当に庶民派だろうかと疑いたくなる。夜の行き先をみてみると、1人最低でも1万円以上するような庶民にはやすやすと行けない高級店の名前が並ぶからだ。
北朝鮮による砲撃事件が発生してからは夜の行動を控えていたが、情勢が落ち着いた12月3日からは大みそかまでほぼ毎日、料亭やホテルの飲食店、会員制バーなどに出かけた。中には1次会で同席した議員をタクシー代わりとして公用車に乗せて、銀座のバーにはしご酒をしたこともあった。
確かに、高級店は警備面で優れていることもあるし、人知れず要人と会うにも便利だという点もあるだろう。しかし、首相の同席者をみるとどうだろうか。ほとんどが秘書官や補佐官といった身近な関係者だ。外食するだけでも公用車のガソリン代など税金による経費は生じている。歳費を削ろうと必死になっている中、秘書官らとの飲食は週に2回も3回も必要なのだろうか。
実は別の同席者がいて、秘書官との飲食は名ばかりだという反論もあるかもしれないが、首相は9月の代表選で「オープンでクリーンな党にする」と言って再選したのではなかったのか。
そもそも首相は野党時代、麻生太郎元首相のホテルのバー通いに対して「感覚そのものが問われる」と批判していたではないか。舌の根も乾かぬうちに、政権を取った途端“お友達”と高級店に通い、一方で困窮者支援などと声高に主張し庶民派をアピールする。
もういい加減に首相は庶民派の看板を捨てるべきではないだろうか。嘘を言い続けて自滅していった鳩山内閣と同じ轍(てつ)を踏んでいると思っているのは記者だけではないはずだ。(康本昭赫)
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