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菅政権に対するれんだいこ書簡−和魂洋学に立ち戻れ。その3(れんだいこのブログ)
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日本史上、敗戦が時代を画することになる。これによって戦前戦後の時代区分けをすることになる。ネオシオニズム問題をこの眼で捉えると、戦前はまだ良かった。なぜならネオシオニズムの国家侵略は未だ各界上層部にとどまり、全体では和魂和才派、和魂洋才派が主力だったからである。つまり、洋魂洋才派が権力中枢の一部を占め、残りを和魂洋才派、和魂和才派と云う構図で三者鼎立していたからである。且つ、ネオシオニズム政権が代々政権を御していたとは云え内部は暗闘していた。つまり思うように易々とはネオシオニズム政策を遂行できなかった。
その戦前日本は世界史的な帝国主義時代の渦に巻き込まれて次第に戦争経済化へ歩を進め始め、詰まるところは各派思惑は違えども洋魂洋才派、和魂洋才派、和魂和才派の三派が戦争政策に一蓮托生し、大政翼賛会体制の下で大東亜戦争に臨み、緒戦優位は束の間で遂にネオシオニズム軍隊たる米英連合軍に完膚無きまでに叩きのめされた。広島、長崎に投下された広域大量市民虐殺の原子爆弾がトドメとなった。
敗戦により戦後日本が幕開けする。戦勝国は戦勝国の支配を容易にならしめるイデオロギーを注入するのが法理であるからして、戦後日本は、洋魂洋学派の台頭を著しくする。和魂和才派、和魂洋才派を駆逐し洋魂洋学派であらずんば人でなしの風潮を生むことになる。これにより、戦前の皇国史観イズムは戦後民主主義イデオロギーに転換され、これが新たな神祇となった。この時点で日本は洋魂洋学派の支配する国になる筈であった。
しかしながら歴史は摩訶不思議である。ネオシオニズムのエージェントとして送り込まれたマッカーサー将軍以下、ニューディーラー派と呼ばれる初期のGHQ将校が、「或る種の理想的社会主義国家」を求めて、ネオシオニズムの支配戦略から見ても「行き過ぎ」の左派政策を遂行する。これにより日本左派運動は空前の盛り上がりを見せて行くことになる。この風潮下で戦後憲法が制定され、ネオシオニズムの範疇に納まらない戦後民主主義イデオロギーが育つことになった。
ところが戦後世界は次第に冷戦化し始め、それと共にマッカーサー政策が掣肘され始める。ニューディーラー派が駆逐され、マッカーサー将軍が左遷され、これにより振り子は再び古典的ネオシオニズムの統制下に戻ることになる。この時代の政権を担ったのが吉田茂率いる自由党であった。この時代に戦後日本は主権を回復する。但し、日米安保条約受け入れを余儀なくされる。これが後々の火種となり今日まで至っている。自由党政治は、洋魂洋学派、和魂洋才派、和魂和才派の三者鼎立を特質としており、これにより再度ネオシオニズム派と在地土着派との水面下抗争が開始されることになる。大ざっぱではあるが、戦後直後のGHQ政治、戦後政党政治の動態をこう捉えるべきではなかろうか。
以下、政治闘争の面に特化して見て行くが、実際には政治、経済、文化、思想、競技等々の全戦線で同様の抗争が立ち現われる。これらの全てを確認するのは煩雑になるので政治闘争の面のみ採り上げる。
戦後間もなくの時代は、廃墟となった戦後日本の再建こそ眼前の政治課題であった。この時、国難に立ち上がり有能な働きを為したのは和魂和才派、和魂洋才派であった。かくして洋魂洋学派と合わせた三派が戦前同様に戦後日本政治を担うことになった。GHQ直接統治後の1950年代、続く1960年代、1970年代の三十年間、戦後日本を統治したのは、和魂和才派、和魂洋才派、洋魂洋学派が玉石混交する自民党権力であった。
1955年、政界大編成が行われ、共産党は徳球系から宮顕系へ、社会党は左右両派が合同し、保守系の自由党と民主党が合同し自民党を創出する。これを55年体制と云う。55年体制下では、共産党の政権取り運動が止み、社会党が万年野党運動に堕し、つまり日本左派運動の系譜で政治責任を担う意思と能力を持つ党派が不在となる。成り行き自民党が政府を構成し政治、政局を御して行くことになった。これを自社二代体制とも云う。れんだいこ史観によれば、この背後に働いていたネオシオニズムの国際政治力を見て取る必要があろうと云うことになる。
自民党政府権力の内部拮抗の中で台頭したのは吉田茂を開祖とするいわば戦後保守内ハト派であった。ここが面白い。この系譜は、吉田茂、池田隼人、佐藤栄作、田中角栄、大平正芳、鈴木善幸と続いて途絶える。この時代に戦後日本は見事に再建復興され、世界史上奇跡と云われる高度経済成長時代を築いた。1970年代半ばの時点で、日本はアメリカに次ぐ国富を持ち、このまま進めば「ツモローイズbP」の勢いを見せつつあった。2010年代の今日の日本が幾ばくかの余命を保っているのは、この時代に蓄えられた国富のお陰である。今それもハゲタカファンドに狙われ次々と蚕食され骨川筋衛門にされてしまった訳ではあるが。もはや郵貯資金、各界の積立資金以外めぼしいものは見当たらない。今それが狙われている。
この時代の日本を検証せねばならないのではなかろうか。戦後保守内ハト派政治は田中角栄政権時代に頂点に達するが、れんだいこ史観によれば紛うことなき左派政治であった。左派政治と云う表現が嫌な方に対しては人民大衆政治と言い換えても良い。この時期の日本人大衆は等しく善政のおこぼれに与っている。
日本列島は各地で都市と農村の有機的結合化に向かっており、今日的な疲弊なぞ有り得べくもない。ほんの例外を除き国債は発行されておらず消費税も導入されていない。日本列島は各地で公共事業に沸き、これにより社会資本が整備され、これを背に大中小零細企業が旺盛に事業展開し、日本はうなりを挙げて技術立国化しつつあった。雇用、医療、年金が確立され、高福祉社会を実現しつつあった。
内治政治に対する有能さは外治政治にも表れた。日中国交回復、日ソ交渉、西欧各国との対等外交、アジア諸国との友邦外交、アラブ諸国との友好親善等々目覚ましい活躍をしている。つまり、日本型社会主義と規定できる質の善政政治に向かっていたことになる。今日からみれば驚きの自主自律外交を展開している。これを日米安保体制下で押し進めた田中政権は、その矛盾故にいずれ手酷いしっぺ返しに遭うことになる。これについては次章で述べることにする。
興味深いことは、戦後保守内ハト派政治を支援していたのが和魂和才派、和魂洋才派であった。各界の有能士が現われ、阿吽の呼吸で活躍していた。その後の日本は、この有能政治、社会を絞殺して行くことになる。この時活躍したのが洋魂洋学派である。和魂和才派、和魂洋才派、洋魂洋学派の識別史観で捉えると、こういうことが見えてくる。恐らくこう云う風に捉える史観はなかろう。れんだいこ史観と云う所以がここにある。この史観に照らすと、これまでの善人が悪人に悪人が善人になる。名宰相が売国奴に諸悪の元凶が有能士になる。学問を机上ではなく市井でせねばならない理由がここにある。
戦後からこの時期まで日本左派運動はかなり隆盛していた。しかしながら、体制転覆ないしは体制批判一辺倒でやり過ごし、日本史上の和魂和才派、和魂洋才派、洋魂洋学派の暗闘に対して余りにも無頓着であった。否むしろ洋魂洋学派と気脈を通じて和魂和才派、和魂洋才派及びその政治を排撃するのに忙しかった。これに違える例があるとすれば、60年安保闘争の岸政権打倒運動であったであろう。かの闘いにより、洋魂洋学派のネオシオニズム政治を排撃し、その後約二十年間を和魂和才派、和魂洋才派を主流とする政治をもたらした。これに貢献した60年安保闘争の意義、特にブント全学連の闘いは称賛されるに値するように思われる。
だがしかし、その後の日本左派運動は、穏和派は穏和なりに急進派は急進なりに60年代、70年代を領導した戦後保守主流派のハト派政治時代に最も激しく反政府運動を展開し、タカ派政治時代になると逼塞する。本来は逆にならねばならぬところ、こういう本末転倒的役回りを演ずると云う愚挙を見せている。これをどう総括すべきだろうか。日本左派運動は、この辺りを総括せずんば明日はなかろう。その明日のないままにここ二十年来やり過ごしているように思われる。今一度軌道を転回せねばならないのではなかろうか。この見立てが、れんだいこ史観の本領であるえへん。
2010.6.19日 れんだいこ拝
関連:阿修羅既投稿紹介は以下、
【菅政権に対するれんだいこ書簡−和魂洋学に立ち戻れ。その1】 れんだいこのカンテラ時評750
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投稿者 韃靼人 日時 2010 年 6 月 17 日 23:11:35: XfUHcQiPmEZmc
【菅政権に対するれんだいこ書簡−和魂洋学に立ち戻れ。その2】 れんだいこのカンテラ時評751
http://08120715.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-6402.html
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投稿者 韃靼人 日時 2010 年 6 月 19 日 15:19:32: XfUHcQiPmEZmc
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