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宮崎学
「素人の好戦性」「玄人の好戦性」
2011-01-10 (月)
=民主党内対立に思う、その1=
昨年の菅政権の誕生前から、日本の全メディアは、反小沢のスタンスを鮮明にしていた。しかし、その少し前の「政権交代」の時点での基本的なスタンスは、小沢を含む民主党への政権交代を求めるものであった。
メディアが鳩山=小沢政権への批判に傾いたのは地検特捜部による小沢、鳩山に対する「カネの問題」がリークされたときからである。
ここ数ヶ月のメディアの反小沢報道は、異常なまでの好戦性を示している。それは検察審査会の成り行きと並行して、また民主党内の反小沢三派連合の言説と密接不可分にリンクして、その好戦性を高めていった。
そして今はどうか?それを考えるために次にあげる朝日新聞と毎日新聞の記事を参考にして欲しい。
@とAは、朝日新聞の1月7日の朝刊に掲載された社説である。
Bは毎日新聞1月8日の朝刊
Cは同じく毎日新聞1月9日朝刊の記事である。
この中で少し注意しなくてはいけないのがAの記事である。内容は広島市長の秋葉忠利の退任についてのものであり、民主党内問題とは一見関係無いかのように思われるが、よく読むと、そこで展開されている「論理」みたいなものには、現在の朝日新聞が持った傲慢さというか、思考停止ぶりがよくわかる。
つまり、秋葉市長は退任する理由を自分たちの前で、つまり会見で語らないのはけしからん。それも、ネットではなく自分たちの前でやれと、ご丁寧に、その会見の様子をネットに動画として投稿すればいいと、その方法まで「要求」している。この論理は、小沢問題の時に、メディアが愛用し、反小沢三派連合が今もなお愛用している「説明責任」論と同じ構造である。
これらの「論理」に社会的な相当性はないと私は考えるのであるが、百歩譲ったとして「会見で語ること」=「説明責任」を果たすことにはならない。つまり「説明」の仕方についての裁量権は、説明する側にある。
朝日新聞は社会的な公器であるから、「説明」を聞く権利があるとう考え方なのであろうが、基本的な問題として、朝日新聞が記事を書くのは、「新聞を売るため」の商行為であって、それ以下でもそれ以上のものでもない。取材対象、この記事で言えば秋葉広島市長と朝日新聞の関係は、朝日新聞が「取材してやる」というものではなく、「取材させてください、市長サマ」というのが基本的な関係である。はっきり言えば、国民は自分たちの知る権利を朝日新聞に預ける手続きを取ったこともなければ、宣言したことも無い。つまり、朝日新聞社というのは単なる一私企業であって、国民を代表する権限も、国民の名を使った取材権限も持たない。
そこで@の記事である。
この記事は、現在、問題とすべきは、「小沢」問題であって、「問責決議」問題ではない。野党の自民党や公明党も反小沢三派連合と協力して、まして菅総理は年頭会見で「反省」の意を示しているのだから、手心を加えるべきだというものである。つまり、反小沢翼賛体制をつくれというものである。
私は、今回の民主党内の対立について、メディアが総じて、反小沢という一方向に右へならう状態になってしまったことに違和感を覚えていた(日刊ゲンダイは別)。
かつて自民党内で熾烈に争われた派閥間闘争であった「角福戦争」の時でも、今回のような露骨な報道はなかったと記憶している。
今回は明らかに、地検特捜部、検察審査会、及び霞が関官僚の暗黙の総意つまり「国民の知る権利の代弁」などではなく、反小沢の総意の一番バッターとしてメディアが存在感を示した。そしてそこに書かれていたのは、派閥間の対立を戒める顔つきをしながら、反小沢という一点においては「好戦的」なものではなかったか。朝日の@、Aの記事を私はそのように読む。さて、BとCは毎日新聞であるが、Bは1月8日の朝刊、Cは1月9日の朝刊の記事である。この2本の記事は、基本的には反小沢新聞合唱団的な側面は強いものの、現在の民主党内の実情を知るという点では意味がある。それにしても、考えさせられるのは、メディアの反小沢キャンペーンのボルテージが並行して上がるのと菅の好戦性がアップしていることが特徴である。
今日は疲れたからこれくらいにしておく。
明日は、党内闘争、党派闘争でしか戦闘性を示し得なかった、私を含むロクハチ(68)世代の限界と今回の民主党内対立の思想的問題の相関性を書こうと思っている。
http://miyazakimanabu.com/2011/01/10/970/
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