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日々雑感
2011/01/09 08:03
立法の府たる国会は何のために存在するのか。
国会が立法の府として国権で最高の権限を有するとされている。三権分立のうちでも国民から直接選挙で選ばれた議員が国民を代表して議決するからだ。だから国会議員のことを「代議士」ともいうのだ。
しかし実際の権利関係を見ていると国会が果たして本当に国権の長なのか懐疑的にならざるを得ない。
小沢氏に関する一連の司法当局の動きをみると国権の長たる国会議員を余りに作為的に裁こうとしているのではないかと思えてならない。たとえば大久保氏に関する事件では西松建設から贈収賄があったのではないかという疑いで起訴された。しかし判決言い渡しを目前にして昨年三月から裁判は止まったままで、その間に訴因変更を検察が裁判所に申請し判事がそれを許してしまった。
一事が万事、小沢氏関連の事件はこのように不可解な経過をたどっている。小沢氏本人の件をとっても、検察の度重なる「不起訴」判断にも拘らず、検審会で「不起訴不当」の議決がされた。しかしその内容は明確な不起訴不当たる「法と証拠」を示したものではなく、何となく疑惑があるから裁判で白黒つけろ、というものだ。こんなバカげた起訴が認められれば、世の中は冤罪だらけになってしまう。そもそも「疑わしきは被告人の利益」たる法の精神は何処へ行ってしまったのだろうか。
法治国家たる日本の司法がそうした事態に直面しているにもかかわらず、国会で問題意識を持って司法当局をチェックしようとする動きは限定的だ。むしろ与野党とも「不起訴不当」との検審会議決を受けて「小沢氏を喚問しろ」と大騒ぎしている。これでは国会は国権の長ではなく司法権の下請けでしかない。
そして行政権に対しても「明快な会計システムに改めよ」となぜ要求しないのだろうか。一般会計欲巨額な特別会計が省庁の別枠財布と化して国会審議の俎上にもほとんど上がらない「異常」を放置したまま、税制議論や各種保険制度の見直しを行政府の官僚から提起されて国会議員が右往左往している。ここでも国権の長たる国会の実態は行政権の下請けだ。なぜ官庁簿記を世界基準の複式会計に改め会計基準を企業会計基準に準じたものに改めようとしないのだろうか。
たとえば日立製作所にしても元々は鉱山のモーターを製造販売する会社だった。それがいろんな事業に手を拡げて家電から重電機部門までを擁する巨大企業に成長している。しかし株主総会に提示される会計資料が「モーター部門」だけに限定されることはない。すべての事業が会計報告書に包括され、それのみならず関連企業も「連結決算」で包括されている。
一企業で出来ることがなぜ国ではできないのだろうか。世界で単式簿記を官庁簿記で採用しているのは日本と北朝鮮と2,3のアフリカ諸国だけだ。なぜこんなことをいつまでも国権の長たる国会は行政の府に許すのだろうか。
国会は唯一官僚の府ではない。国会議員としていかに権勢を誇ろうと些細なことで「辞任しろ」と仲間から迫られる。それに対してつい先日も神奈川県警で、その前には千葉県警で、その前には大阪地検でそれぞれ10億円を超える「裏ガネ問題」という公金横領が発覚しているが、これらは「事件」として立件もされなければ責任者が「辞任」を迫られて辞任したとも寡聞にして知らない。これほど均衡を欠く処分が三権分立の中で許されているのだ。国民はもっと真剣に怒った方が良い。
そして基本的人権と推定無罪の原則を踏み躙るような「喚問要請」や「辞任要請」などのバカげたことはしないことだ。それでなくとも国会議員は「不見識な行為」があると見做されれば実力者といえども次の選挙で落選するのだ。それに対していかに巨額な裏金問題が発覚しようと解雇処分がなされたと聞かない官僚の処遇と比較すれば、国民に選ばれた国会議員の扱いに天地ほどの開きがあることに驚かざるを得ない。国会議員の地位の低さは官尊民卑の表れ以外の何ものでもない。国会議員は大手マスコミに迎合してテレビなどで軽々しい発言をするのでなく、昂然と顔をあげて国家と国民のために政治理念を語らなければならない。
国権の長たる国会が検審会のあり方が適法なものか検討しようともしないのは見識を欠くものといわなければならない。特に第五検審会の摩訶不思議な実態を国会は国権の長として国民の前に明快に示す義務がある。そうでなければ国会は単に司法権と行政権、すなわち官僚の下請けだと宣言したのに等しいと思わざるを得ない。
http://km2295.iza.ne.jp/blog/entry/2102449/
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