01. 2013年3月10日 15:59:56
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女性教師の執念で盗みバレた教頭「校長になれず、心折れた」 2013/03/09 12:07【衝撃事件の核心】 教頭の悪行を暴いたのは、度重なる被害に悩んだ女性教員の執念だった。大阪市立小学校の男性教頭(57)が職員室で部下の財布から現金を繰り返し盗む不祥事があり、被害者の女性教員がカバンにビデオカメラを仕込んで盗みの様子を撮影し、指紋のついた財布をポリ袋に保存するなどして教頭の犯行を割り出した。積み上げられた証拠に教頭は盗みを自白し、2月28日付で懲戒免職になったが、その動機は校長に昇任できなかったことから自暴自棄になったという身勝手なものだった。(藤井沙織) ■レンズがとらえた盗みの瞬間 「お金が減っている気がする」 西淀川区の市立野里小学校の女性教員がそう感じたのは昨年11月のことだった。その後も度々現金がなくなり、今年1月、教務主任に相談した。主任が調べたところ、別の教員1人も「お金が減っていると感じたことがある」と証言した。 だが、誰が盗っているのかは分からず、そもそも職員室で盗まれたという証拠もない。そこで女性教員は主任と相談した上で、財布を入れているカバンの中にビデオカメラを忍ばせ、犯行の瞬間を撮影することにした。 1月22日、決定的な瞬間が訪れる。昼前に財布の中身を調べると、残金が2千円減っていた。抜き取られたのだ。犯人の指紋が財布に残されていると考え、財布をポリ袋に入れて保存。カメラの映像を確認すると、3時間目の授業が行われていた午前11時ごろにカバンから財布を抜き取り、数秒後に再びカバンに戻す手が映っていた。 W不倫、売春クラブ…刑事、個人情報漏… 女子中生を裸にさせ“ライブ中継” パトカー内で失禁の女性、消えぬ屈辱 吉本大物芸人「5億で娘と結婚せい」 命乞いの女性をメッタ刺し…残虐殺人 その時間帯に職員室にいたとみられるのは、時間割などから教頭のみ。女性教員から報告を受けた校長が教頭に何気ないそぶりで「(犯行時間帯の午前11時ごろ)誰か職員室にきたか」と質問し、教頭は「誰も入ってきていません」と答えた。外堀が埋まった。 翌日の校長室。校長と元教頭の前で女性教員が被害状況を説明し、「カメラの映像があるし、財布も保存している。調べてほしい」と求めた。女性教員の退室後、教頭は「何があったのか」「わかりません」ととぼけたが、校長から約1時間にわたり「被害届を出して警察が調べたら、すぐに分かる」などと諭され、犯行を告白した。 「申し訳ありませんでした。私がやりました」 市教委によると、教頭は昨年11月ごろから約15回にわたり、男女4人の教員の財布から計23万5千円を盗んだことを認めた。 ■「校長になれず、心が折れた」 教頭は昭和55年4月に採用され、約12年前から教頭職に就いていた。教頭の実務を2年経験すれば校長への昇任選考に応募でき、教頭就任から6年程度で校長になるケースが多いとされるが、問題の教頭は選考で落ち続けた。 市教委では校長の選考に57歳の年齢制限を設定。この教頭にとっては昨年9月の選考がラストチャンスとなり、「まさに人生をかけた挑戦」(市教委の関係者)だったという。教頭は「私の考える学校経営」と題したリポートを提出して1次面接に臨んだが、次の最終面接に進めずに不合格に終わった。 「目標を見失い、心が折れてしまった」。市教委によると、教頭はこのころから仕事に対する意欲をなくし、PTAの会合を欠席するようになった。市教委関係者は「教頭職は校長と教員の間に挟まれ、悩みを相談できる相手がいない。みんな教頭になりたいのではなく、校長になりたくて教頭になる」と話す。 市教委関係者によると、自暴自棄になった教頭は校長に対しても反抗的になった。その振る舞いに、校長は教頭を介さず教員に指示を出すようになり、教頭は疎外感から反発心をより強めた。 「校長を困らせたい」。ゆがんだ欲求に駆り立てられていた昨年11月。ほかに誰もいない職員室で教員のカバンの中にある財布がのぞき見え、最初の盗みを働いた。12月に市教委が校長選考について57歳の年齢制限を撤廃したが、教頭は「私とは関係ないことだ」と思い込み、立ち止まろうとはしなかった。 ■女性教員に深々と頭を下げる 今回のように職員室で教員らの現金を盗み懲戒免職された事案は、過去にもあった。 大阪府では昨年9月、府立高校の男性教員が同僚ら10人の財布から20回にわたり計32万5100円を盗んだとして処分。新潟県三条市でも昨年2月、市立小学校の男性校長が教員7人の財布から13回にわたって計14万7千円を盗んだとして処分された。 2人は盗んだ現金をそれぞれパチンコ代や住宅ローンにあてており、金目当ての盗みだった。一方、今回の教頭は盗んだ現金について「自宅で全部封筒に入れて保存していた。一切使っていない」と説明。被害者である4人の教員に対し、自供した被害額に慰謝料などを加えた47万円を払うことで和解した。このため、警察へは届け出ず、事件化はされないという。 長年かけて追い続けた「校長」という夢を、自らの犯罪行為で閉ざした教頭。証拠固めを行った女性教員の前で初めて盗みを認めた際には深々と頭を下げたというが、女性教員はショックを受けた様子で「信じられません」とつぶやいたという。 |