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2013年1月4日 日刊ゲンダイ
遠隔操作ウイルス事件はこのまま迷宮入りするんじゃないか。そう思えてくる。昨年、次々に誤認逮捕して恥をかいた警察は、おちょくられっぱなしだ。
新年早々「新しいゲームのご案内ですよ」などと書かれたメールがマスコミ各社に届いたが、まったく手がかりが得られていない。
「真犯人から元日に届いたメールには2枚の画像が仕込まれていて、ウイルスのデータなどが入ったUSBメモリーを都内の山中に埋めたことをほのめかしていました。わざわざ〈位置情報に細工はない〉と書かれていたんですが、警視庁など4都府県警の合同捜査本部が山中を捜索しても、何も発見できませんでした」(捜査事情通)
どうやら警察はなす術(すべ)なしのようだ。
「真犯人が使っている匿名化ソフトTor(トーア)の線から追うのは、かなり難しいでしょう。2年前に起きた警視庁公安部の国際テロ捜査情報流出事件にもトーアが使用されていますが、いまだに解決していない。もともと米海軍が開発した“軍事技術”です。そう簡単には打ち破れませんよ」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏)
警察庁は昨年末、解決につながる有力情報に最大300万円の懸賞金をかけたが、裏を返せば、それだけ捜査が行き詰まっているわけだ。
「捜査本部はメールの文体や、ウイルスのプログラムの“癖”なども分析しています。プログラムにも個性があるからですが、現時点で進展はなさそうです。また、犯行予告が送られた横浜市など二十数カ所のホームページの通信記録も調べていますが、これは90億件もある。すべてを解析するには年単位の時間がかかるでしょう。真犯人が今後、ミスを犯さないまま手を引いたら、時効になるかもしれません」(前出の捜査事情通)
新年早々メールを送ったのは、絶対に捕まらない自信があるからだろう。警察は完全にナメられている。真犯人の高笑いが聞こえてきそうだ。
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