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刃物男、信金立てこもり 職員4人が人質
愛知・豊川 女性客1人解放
22日午後2時18分ごろ、愛知県豊川市蔵子6の豊川信用金庫蔵子支店に刃物を持った男が押し入り、女性客1人と職員4人を人質に取り、支店内に立てこもった。午後9時半すぎに女性客1人が解放された。女性客と残った4人にけがはないという。男は金銭の要求はしておらず、県警の捜査員が電話で説得にあたっている。
愛知県警や豊川信金によると、人質となっていたのは客として訪れた同市内の女性(48)のほか、男性支店次長(41)と19歳と27歳、55歳の女性職員3人。このうち客の女性が解放された。
男は侵入した後、ATMコーナーで客の女性を羽交い締めにし、刃渡り10センチ程度の刃物を突きつけて「(入り口の)シャッターを閉めろ」と要求。10人分の食料や飲み物、たばこ、拡声器を求め、夜になると外を照らす投光器も要求した。侵入した際、報道関係者を呼ぶことや、野田佳彦首相の退陣を求めるような言葉も口にしていた。金銭的な要求はなかった。
男は50歳代とみられ、県警の捜査員が人質の支店次長を通じ、電話でやり取りしている。男は人質に代わる代わる刃物を突きつけているという。
午後5時すぎに、男の要求に応じて拡声器とたばこ3箱、ライターを信金裏口に袋に入れて置くと、人質とみられる人が回収。午後9時20分ごろには県警が食事と引き換えに女性の人質4人の解放を求めたが男は拒否。交渉の結果、1人が解放されることになった。
同支店には発生当時、外回り中の営業担当者らを除く職員9人と客2人がいた。客1人は自力で脱出。男は次長を指名して「こいつだけ残れ」と言い男性職員3人に店の外に出るように指示し、女性職員2人も外に出した。
県警は捜査1課など約150人態勢で、男の説得や内部の情報の把握を進める。同支店から半径数百メートルの範囲で規制線を引き、周囲に警察官を配置し、車両や住民の出入りを制限している。
現場は名鉄豊川線八幡駅から南東に約1キロで住宅や商店が立ち並ぶ一角。
[日経新聞11月23日朝刊P.35]
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信金立てこもり 男を逮捕 愛知・豊川
13時間ぶり人質4人保護
愛知県豊川市の豊川信用金庫蔵子支店でナイフを持った男が同店職員の4人を人質に立てこもった事件で、県警捜査1課は23日午前3時すぎ、支店内に突入し、男を監禁容疑で現行犯逮捕した。保護された人質のうち、同店の女性職員(19)が右腕に擦り傷を負ったが、他にけが人はいなかった。事件は発生から約13時間ぶりに解決した。
県警によると、男は住所不定の無職、長久保浩二容疑者(32)。逮捕時には刃渡り11センチのサバイバルナイフとカッターナイフを所持していたという。「野田佳彦首相の退陣が目的だ」などと供述しており、県警は詳しい動機などを調べる。
捜査関係者によると、事件直前、刃物を持った男が同支店から約150メートル離れた別の信金支店に押し入ろうとしたことも判明。男は何もせず立ち去ったといい、県警は長久保容疑者かどうかを調べている。
県警捜査1課特殊班(SIT)の捜査員計13人が23日午前2時45分、店舗1階と2階からそれぞれ突入。1階にいた長久保容疑者を取り押さえ、同支店次長、加藤賢吾さん(41)ら4人を保護した。女性客(48)は前日夜、解放された。
突入時、長久保容疑者は19歳の女性職員の両手をビニールひもで縛り、自分の左腕に結び付けていた。同容疑者から離れたところで加藤さんらがいすに座っていた。女性職員(27)と女性パート職員(55)も保護された。店内には机や椅子で作られたバリケードのようなものもあったという。
逮捕容疑は22日午後2時20分ごろから23日午前3時すぎまで、同支店内で4人を監禁した疑い。同容疑者は人質にサバイバルナイフを突きつけ、食料や飲み物、たばこ、拡声器などを要求していた。
[日経新聞11月24日朝刊P.31]
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