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写真は4日、大雪から避難する北京の住民。
2012年11月6日、近年中国では車の普及とともにアウトドアの人気が急上昇。アウトドアショップには世界各国のメーカーの商品が並べられている。休日を利用して、都市部から離れ、郊外の整備されていない万里の長城を登ることが、北京周辺の若者たちの間で非常に人気となっている。彼らはこうした万里の長城を「野長城」と呼んでいる。
一方で、近年観光客による万里の長城の破壊行為が目立っている。さらに転落や落雷による死亡者も毎年出ている。これらの影響もあり、06年12月1日、温家宝(ウェン・ジアバオ)首相が署名した第476号国務院令により、「長城保護条例」が施行された。この条例では無許可で管理されていない長城に登ることが禁じられている。また、基本的に許可されることはない。
つまり、今回事故が起きたアミューズトラベルが企画したツアー自体、中国の法令に違反しているのだ。今回のツアーは日本に住む中国人添乗員の明平銘(ミン・ピンミン)さんを中心に企画されたというが、整備されていない万里の長城にツアー客を連れていくことは中国の法令に違反すると、アミューズトラベルへの説明はなかったのだろうか?
また、今回のツアー料金だが、8泊9日で29万8000〜32万5000円という。同社によると、参加者は10月28日に成田空港と福岡空港から北京に向けて出発。29日に北京郊外まで車で移動して山歩きを始め、夜は民宿に泊まり、11月1日に「水長城」を登った。
付近の民宿は1泊2食付で1000円前後。また、今の時期は航空券もそんなに高くはなく、同社は結構な利益になったはずだ。にもかかわらず安全対策は万全ではなかった。顧客の命を預かっているという意識があったのか疑問に感じる。
北京の万里の長城専門ガイドに聞くと、「野長城」を訪れるのは若者中心、それでも何かあった場合にすぐ対応できるように、専用車を待機させるのが一般的だという。このような対策もなく商品化すること自体が無責任だと言わざるを得ない。
ツアーの添乗員を務めた25歳の若い新入社員に関しては、下見もせずに中国の事情を知らない日本の中高年を連れ、日中間摩擦の多いこの時期に普通の観光客が歩かない城壁遺跡のハイライトを100km歩くなど、理解に苦しむ行為だ。張家口市は北と西が内モンゴル自治区に接しており、11月の気候は変化が激しい。この時期の平均気温は0度前後で、過去30年間では氷点下17度まで下がったこともある。
今回の寒波に関しては中国メディアも早くに警報を出しており、市民に警戒を呼びかけている。さらに今月8日に開幕する共産党大会もあり、11月3日からすべての建物で暖房設備が稼働を始めた。このような異例の悪天候にもかかわらずツアーを強行し、安全対策を講じなかったのは極めて間違った判断だといえる。主催旅行会社は管理責任も負うべきである。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66171
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