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http://mainichi.jp/select/news/20121107k0000e040184000c.html
東電女性社員殺害:マイナリさん無罪…再審控訴審判決
毎日新聞 2012年11月07日 10時36分(最終更新 11月07日 11時05分)
2枚目/2枚中 ゴビンダ・プラサド・マイナリさん=2012年6月16日、岩佐淳士撮影 ⇒
97年の東京電力女性社員殺害事件で無期懲役が確定し、6月に再審開始決定を受けたネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)の再審控訴審で、東京高裁(小川正持<しょうじ>裁判長)は7日、1審の無罪判決(00年4月)に対する検察側控訴を棄却し、マイナリさんを無罪とする判決を言い渡した。
検察側は10月29日の再審控訴審第1回公判でマイナリさんの無罪を主張しており、近く上訴権を放棄して無罪を確定させる方針。戦後発生し死刑か無期懲役が確定した事件で、最高裁が再審開始基準を示した「白鳥決定」(75年)以降、再審無罪が確定するのは8件目。
マイナリさんは00年12月、2審・東京高裁で逆転有罪とされた。被害女性の手帳の記載や現場の状況などから「事件当日に現場で被害女性と性的関係を持った後、殺害した」と認定されたためだった。だが、再審請求審で検察側が実施したDNA型鑑定の結果、女性の体内にあった精液の型と現場に落ちていたマイナリさんとは別の男性(第三者)の体毛の型が一致したことが判明。女性の体表や下着からもこの第三者の型が検出された。
再審請求審も担当した小川裁判長は、6月の再審開始決定の中で「『第三者』が女性と性的関係を持った後に殺害した疑いを生じさせている」と指摘、控訴審のやり直しを決めた。検察側はその後も有罪主張を維持していたが、9月に被害者の爪の付着物から第三者のDNA型が検出されたことを受け、有罪主張を放棄した。
マイナリさんは6月に釈放され帰国している。【和田武士】
◇東京電力女性社員殺害事件◇
97年3月19日、東京・渋谷のアパート空き室で東電女性社員(当時39歳)が遺体で見つかり、顔見知りで隣のビルに住んでいたネパール国籍の元飲食店従業員、ゴビンダ・プラサド・マイナリさんが強盗殺人罪に問われた。東京地裁は無罪としたが、東京高裁は同月9日未明、女性と性的関係を持った後に絞殺し現金約4万円を奪ったとして無期懲役とし、03年11月に最高裁で確定した。マイナリさんは05年3月に再審請求した。
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