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2012年8月 1日 (水)
松本善明著『謀略』 真犯人からの手紙は名古屋から 真夏の怪談
ロンドンではメダルが輝きだしています。シェックスピアの国、イギリスでは「真夏の夜の夢」は楽しそうです。メンデルスゾーンのメロディが聞こえてくるようです。
ところ変わって、日本。松本善明さんの『謀略』を読んでいると背筋が寒くなってきます。松川事件は1949年8月に起きた『謀略』事件です。喜劇は怪談に、メロディは戦慄に置き換えられてしまいます。血生臭さ、焦臭さを感じます。
戦後の下山、三鷹と並ぶ3大事件の一つですが、連続した謀略事件は、高揚してきた労働組合運動と共産党の仕業だとして無実の人を逮捕し、裁判で有罪にしてしまいました。松本清張さんは『日本の黒い霧』のなかで、真犯人の存在と背後にふれているそうです。わたしは、清張さんの『日本の黒い霧』はまだ読んでいないので、必ず読みたいと思っています。
『謀略』を読み進んでいて、ギョとしました。この謀略事件の「真犯人」から、弁護士を務めていた松本善明さんの元に手紙が届いたというのです。その手紙を投函したのが、なんと「名古屋」だというのです。名古屋というのは、わたしの住んでいる街ですから、気味悪く感じます。
‥‥真犯人と称する人からの「自分がやった」という手紙はきわめて有力な捜査のカギです。私のところに真犯人を名乗る人物から手紙が来たのが1958年ですから、すでに50年以上になります。
その信憑性を述べたあとで、その「手紙」の内容を紹介しています。そして、「手紙」が投函された場所と日時が、消印から「昭和局 33年11月20日午後零時〜6時」だというのです。裏面には「愛知県名古屋市熱田区丸高出」と書かれていたそうです。
熱田区に住んでいたのか、あるいは勤めていたのか、「丸高出」とは何を意味するのか、昭和局のどこで投函したのか、弁護団ではかなりの究明をしたそうです。名古屋市に住んでいる人が差出人を書くときには、「愛知県」と書く人は少ないでしょう。一番ハッキリしていることは、「昭和局」という消印です。「熱田区」とか「丸高出」は著者もいろいろ検討しています。
ところで、「熱田」「区丸」「高出」と分解するとどうでしょう。「仕事」の関係で、この辺りに配達とか立ち寄る場所があるとか、定宿があるとか、地名に特定されないかもしれません。
または、熱田区と昭和区で、接しているところに沢上があります。その先(東)に「高辻」という地名があります。高辻を北に進むと「丸田町」という交差点があります。当てつけですが、「丸田」と「高辻」の間で「丸高」とか、この辺りで投函(出)したのかもしれません。
あるいは、通称「丸高」といわれている「高山」さんとか、「高井」さんとか、「高松」さんとか、そんな人が差「出」人だったのかも知れません。
すでに、善明さんや弁護団で検討されたと書かれていますから、わたしの「とってつけた推理(もどき)は、まったく当てにはなりませんが。しかし、名古屋市内で投函されたということには、驚きました。これは、もう少し踏み込んで知る必要を感じています。
これら一連の「謀略事件」が、ポツダム宣言によって戦後の民主化に進んでいた日本を、アメリカの世界覇権の野望の土台となり、戦犯を含めて「社会復帰」させた歴史がいまにつづいているのですから、日本の民主主義を確立しようと思うならば、「真犯人」の逮捕は避けて通れない道だと痛感させられます。
原発の再稼動反対も、オスプレイ帰れ、TPP反対も、この歴史の流れの中にあるとは考えすぎでしょうか。
あ〜〜ァ。眠れない、日本の真夏の夜。
ゆうたろう
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<参照>
以下は「松川事件(Wikipedia)」からの抜粋。
「真犯人」からの手紙
1958年11月、被告側弁護団の一員だった松本善明宛に、「私達は現犯人」(原文ママ)と記した手紙が届いた。「私達は福島列車転覆事件を実際にやった私達今(原文ママ)、被告として裁判に付されている方々本当に申し譯なく思います」などとあり、事件に関わったのは7人で、名古屋(3人)、前橋(2人)、岡山(2人)にいる、とし、更に、「事件には当時の共産係ニ名に関係して居ります」と記されていた。また、手紙が愛知県名古屋市熱田区から出されたことが封筒の裏面に記載されていた。
弁護団はジャーナリストなどとこの手紙を調査し、名古屋市熱田区の旅館で書かれた可能性があることを突き止めた。手紙の筆者は、年齢当時35歳以上、高等小学校卒、文章をほとんど書かない、肉体労働に従事、東日本出身(東北地方か北海道)で、若い頃から外国で生活していた、という人物像が浮かんだ。
事件当時、松川駅の方から歩いてくる9人の背の高い男が目撃されており(『にっぽん泥棒物語』で映画化)、「真犯人」からの手紙の人数と一致し、手紙の信用性を「決定的に高めた」としている。手紙を受け取った松本は「これは本物だ」と第一印象を述べている。
推理小説作家の推理
高木彬光は松本善明宛ての手紙を真犯人からのものと断定、事件は命がけで固い同志的結束が必要なこと、文章には軍人的固さがあることから、シベリアからの引揚者で「民主化グループ」に強い恨みがある者達と考えた。高木は文章中2か所ある「日本人として」という言葉に注目、犯人は帰国した日本が赤化目前に見え、事件に関与したが、無実の人間が死刑になることから「日本人として」の良心が手紙を書かせたと推理した。
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