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“いじめ自殺”ネットが異常暴走!加害生徒をさらしてリンチ状態
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120713/dms1207131129013-n1.htm
2012.07.13 夕刊フジ
滋賀県大津市で起きたいじめが原因とみられる中2男子生徒の自殺問題。県警が本格捜査に乗り出すなど異例の展開をみせるなか、インターネットの世界では、ユーザーらが匿名の掲示板にいじめの加害者とされる生徒の名前や写真、その親に関する個人情報を次々書き込み、異様な状況が続いている。止まらぬ暴露の連鎖に専門家は「ネット上のリンチ」と批判している。
ハチやカエルの死骸を食べさせられ、トイレでボコボコ。階段から飛び降りる「自殺の練習」に「葬式ごっこ」も強いられた…。昨年10月、男子生徒が大津市内の自宅マンションから飛び降り自殺した。その直後、通っていた市立中学校で実施された生徒へのアンケートで、同級生3人から受けていたとされる、いじめの実態が浮かび上がった。
今年7月になって、むごい仕打ちの一端がおおやけになったのをきっかけに、同4日、ネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」のなかに『中2自殺 生前に自殺練習強要』というタイトルでスレッドが立つ。以後、書き込みは爆発的に増え、12日夕でその数、15万7000件を突破。他の関連スレッドを含めるとこの数十倍はあるとみられる。
ユーザーたちの関心は、いじめた生徒は誰かに始まり、実名と顔写真、住所に電話番号。親の名や勤務先、さらに担任に関するものなど、ありとあらゆる情報に及び、「加害者のクソ餓鬼とクソ親はすぐ死ね」など脅迫めいた文句も目立つ。
興味と好奇心、それに悪乗りするユーザーたち。まさに無法地帯といった様相だ。
『2ちゃんねる宣言』(文芸春秋)の著者でITジャーナリストの井上トシユキ氏は、プライバシーが守られないこの状況について、「(ネットユーザーは)初めのうちは義憤であったり正義感などで動いたのだろうが、いつしか情報を暴いて加害者を攻撃することが目的になっている」と指摘。「『こんなむごいことをした奴とその親はどんなツラをしてるんだ』などの好奇心を満たすため、新聞などのメディアなら規制するプライバシーのラインを軽々と踏み越えている」と問題視する。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は「匿名を盾にして集団で個人を攻撃するのは非常に危険。いまの状態はネット上のリンチといえる」とし、こう続ける。
「個人情報をネットに書き込む危険さは、間違って無関係な人の情報をさらした場合、侮辱罪や名誉毀損に問われる可能性があること。今回のように加害生徒に関係のある人の情報でも、刑事事件は難しくても民事的に損害賠償請求はあり得る」
いじめで自殺したとみられる男子生徒をきっかけに立ち上がったスレッドが、いまや加害者とみられる生徒やその関係者を集団でいじめている構図。「恐ろしい探偵ごっこだ」と井上氏。
「このままでは第2、第3の自殺者が出かねない」。若狭氏もこう危ぶんでいる。
■学校にカッターの刃
異常反応はネット世論だけではないようだ。大津市の中2男子自殺にからみ、男子生徒が通っていた学校にカッターナイフの刃が送り付けられるなど、悪質な嫌がらせとみられる行為が相次いでいることが12日、大津署への取材で分かった。けが人はいない。
いずれも消印が異なることから別々の人物が関与しているとみられ、大津署は脅迫容疑で調べている。
大津署によると、学校には12日午前、カッターナイフやのこぎりの刃が入った封筒2通、生徒の射殺を予告するはがき2枚が届き、関係者から届け出があった。はがきは、男子生徒が自殺した経緯を公表するよう求めていた。大津市役所にも包丁が入った封筒1通のほか、透明な液体が入ったガラス瓶などが入った小包が届き、12日午後に大津署へ届けた。
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