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少し考えればおかしいことに気づくはずの安っぽい警察リーク情報を、もっともらしく増幅して垂れ流し続ける大手メディアが放つ腐臭に反吐を催す。
メディアだって恐ろしいだろうから警察機構に盾つけとは言わないが(笑)、ただただ警察情報(守秘義務違反)の垂れ流しというのでは、ジャーナリストしてあまりに恥ずかしいだろうに。
逮捕した警察もひどい状況にある。浦安はあの千葉県警の管轄地域である。
古くは追い詰めた市橋容疑者に逃げられてしまうというとんでもないチョンボを晒した千葉県警だが、昨年秋には、ストーカー被害の相談を受けながら対応しなかったことで(親睦旅行を目前にしていたこともあり被害届の受理さえ先延ばし)、長崎・西海市で2人の女性が殺されてしまうという警察史上最悪とも言える失態をしでかしている。この件は、地方警察組織では最悪とされる県警本部長の処分にまで及んだ。
最近も5月だけで、「警部補「事件書類を悪用」相談女性に電話」、「女児に猥褻容疑、元巡査を再逮捕」(犯行時巡査で懲戒免職)、「警部補が女性32人の携帯番号盗む」など、千葉県警在職者による恥ずべき事件が次々と発覚している。
そんな千葉県警だから、ムリをしなくてもいいのに、幹部が、世間の大きな関心を読んだ「浦安看護師殺害事件」が迷宮入りということにでもなれば、どんな非難が...と考えたとしても、なんら不思議ではない。
県警本部から“優秀な”捜査部隊を送り、なにがなんでも「浦安看護師殺害事件」のホシをあげるんだ、迷宮入りには絶対にさせないという身構えで捜査に臨んでいたと推測できる。
そして、そのような意気込みが、現時点ではどう考えても“虚構”と思われる証拠だけで西岡容疑者の逮捕に向かわせた可能性があるとも思っている。
口汚くて申し訳ないが、地に墜ちてしまった千葉県警の名誉を回復するためであれば、1人の青年が刑務所に送られることになってもしかたがないと思っている可能性さえあると思っている。
だからこそ、今回の逮捕劇に危険な先行きを感じる。千葉県警幹部は、今回の逮捕が“冤罪”ということにでもなれば、身の置き所をなくすほどの非難を浴びると考えるはずだ。そうであれば、千葉県警は、容疑者をなんとしても起訴に持ち込み、裁判でも有罪を勝ち取れるよう、あらんかぎりの策動をめぐらすと思われるからだ。
それはさておき、「浦安看護師殺害事件」で逮捕された容疑者について、今夜(22日)のテレビ朝日「報道ステーション」が興味深い情報を流していた。
容疑者は借金を抱えているとの警察情報(末尾に読売新聞記事転載)を流した後、パチンコ屋の責任者らしき男性(座った首から下の上半身映像)が登場した。
借金という言葉に続いたことや読売新聞の「看護師殺害容疑の男、遊興費の借金が動機か」の記事を読んだ後であったこともあり、容疑者はパチンコに入れ込んで借金を抱えていたという話なのかと思って聞いていたら、さにあらず、警察が6月10日時点ですでに容疑者を“犯人”と見立てていたことがわかる内容だった。
その部分の「報道ステーション」を書き起こす:
(Qはテレビ局:Aはパチンコ店の人でテロップの採録)
「警察によると西岡容疑者に借金があったという。(すぐに、パチンコ店の人の座った首から下の映像に変わる)
Q:いつ頃来たのか?
A:6月10日。昼くらいからラストまでいました。金額にすると10万円前後でしょうね。7万円弱くらい負けたんじゃないでしょうか。6月10日に(警察)がいました。客(容疑者)と一緒に警官がついてきました。表に1人、事務所に1人。事務所にいる人が(監視)カメラを見ながら...」
すっと番組を見た人は、借金とパチンコの負けがつながるかもしれないが、今のパチンコは5万円突っ込んで7万円回収するといった荒っぽいものだから、これだけの話では、容疑者がパチンコにどれほど入れ込んでいたのか、どれほど負けが込んでいたのかはわからない。
6月10日は日曜日だから、休みの容疑者は、暇つぶしか憂さ晴らしでパチンコに興じたのであろう。話が事実なら、何はともあれ、給料日の中間点と思える10日の時点で、現金10万円(正味7万円)を突っ込めるのだから、容疑者はお金にそれほど逼迫していたとは思えない。
読売新聞の借金関連記事も「報道ステーション」の借金情報も、借金があるというだけで、どこからいくら借りているのかという基本情報さえない曖昧なものである。
実際に借金があるのなら、サラ金に100万円の借金があるとか、ここ2、3ヶ月で延滞が発生しているといった、もっと具体的な話が流されるのが常である。
借金情報やパチンコ店情報の流布は、容疑者がカネに困っていて犯行に及んだという印象を植え付けるための工作のように思われる。
この情報でよくわかるのは、浦安警察暑(千葉県警)が、2週間近く前から、容疑者を犯人としてマークしていたという事実である。
良心的に考えれば、何か尻尾を出さないかとマークをしていたと言えるが、悪意で解釈すれば、容疑者が犯人であってもおかしくない情報を見つけるためかもしれない。
新聞記事にもなり「報道ステーション」も報じたことだが、このような経緯を考えれば(そうでなくてもだが)、事件のあった部屋から容疑者のDNA型とほぼ一致する毛髪が発見されていると言われても、まったく意味はない。容疑者の室内に無断で入ったかもしれないし、警察官が2週間ほどマークしていたのなら、容疑者の毛髪を数本手に入れることは難しくないはずだ。
弁護士が立ち会うなかで家宅捜索を行い、「ここに髪の毛がありました。念のため、これを鑑定したいので確認してください」と署名をもらうかたちであればまだしも、ある毛髪が事件の部屋で見つかり、鑑定したら長期にわたってマークしていた容疑者のDNA型とほぼ一致したから、その人物が“犯人”である可能性が高いといったことが認められてしまうのなら、誰もが容疑者の立場に追い込められかねないということになる。
それゆえ、どういう経緯で見つかったものなのかという問題は無関係で、毛髪は、まったくもって証拠価値がないと断定する。
毛髪について恐れるのは、無実の容疑者が警察官の作文に近いかたちで“供述”を始めたきっかけが毛髪にあるのではないかということである。
「殺人現場の部屋からおまえの毛髪が発見されている。事件前にあの部屋に入ったことはないんだろ。いくら否認してもムダなんだよ。自供よりも物証のほうがずっと重いんだからな。自供なんかいらん、髪の毛一本で有罪なんだ。否認するということは反省がないということだから、裁判官の印象も悪くなる。否認したままなら、死刑かもしれんな」
12日以上も前からマークしていたのだから、取り調べのシナリオだって既にできていたはずだ。
21日(昨日)朝から任意同行で取り調べを受け、狭い空間で怒鳴られたり宥められたりされ、物証があるからどうあがいても逃れることはできない、このまま否認すれば死刑だなどと責められたら、普通の人なら「もう何を言ってもムダだ」という気分になるだろう。
「報道ステーション」が報じた他の情報:
今日の「報道ステーション」については、この事件をそれなりに抑制して扱っているなという印象を受けた。
パチンコ店の取材映像で警察に関する話があるのは、わざとその部分を残した可能性もある。警察云々の部分がなくても、どうしてパチンコ店が容疑者の使用金額を知っているのかという疑念をそれほど多くの人が持つわけではないだろう。
取材映像から、「6月10日に(警察)がいました。客(容疑者)と一緒に警官がついてきました。表に1人、事務所に1人。事務所にいる人が(監視)カメラを見ながら...」という部分を除去しても、それほどおかしいものにはならないと思う。
[逮捕された容疑者の供述とされる内容]
● 部屋に侵入した直後に(被害者が)寝ていたのを確認した。
● 薄明かりの中で物色した。
● 脅すために刃物を持っていたが、脅す間もなく長谷川さんが目を覚まして気づいた。
● 上半身を起こそうとする前に刺した。
(私のコメント)
相変わらず、作文の域を超えない供述という印象である。
被害者が寝ているまわりをずっと物色していたというのなら、この供述内容を映像的にイメージできる。
しかし、そうであったら、先に被害者を脅し、縛るなりしたと思う。そうしないで、気づかれたから「上半身を起こそうとする前に刺した」って、考え方や行動が突飛過ぎる。
それにしても、「上半身を起こそうとする前に刺した」って、被害者はどれほど鈍重で、容疑者はどれほど敏捷だというのだ。相手の自由を奪っていても、素人がそうやすやすと心臓めがけて刃物を突き立てられるものではないのに、上半身を起こす前に間髪入れずにぐさりとは恐れ入る話である。
(“平穏”な状況で殺害されていたという事実があるから、そうでなければ辻褄が合わないということだろうが)
「脅すために刃物を持っていた」のなら、刃物を持参して侵入したか、侵入後直ちに殺害現場の部屋にあった包丁を探したことになる。
刃物を持参して侵入したのなら、強盗目的であり、「部屋に侵入した直後に(被害者が)寝ていたのを確認した」ら、すぐさま拘束に動くはずだ。そして、面が割れていることから、引き上げる前に殺すだろう。
侵入後直ちに殺害現場の部屋にあった包丁を入手したのなら、気づかれたから相手が上半身を起こそうとする前に刺せたという位置にいたのに、相手の動きを封じる手立て(威迫と拘束)を講じないままだったというのはあまりに不自然である。
わざわざリスクをおかして包丁を探す出すことまでしながら、気づかれたら相手が動けないうちに刺せるほど相手に近づいても放っておいたというのだから。
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看護師殺害容疑の男、遊興費の借金が動機か[読売新聞]
千葉県浦安市北栄のマンションで、仙台市宮城野区の看護師、長谷川かなえさん(23)が殺害された事件で、千葉県警に殺人容疑で逮捕されたマンションの住人で会社員の西岡大志容疑者(26)が、遊興費で借金を抱えていたことが捜査関係者への取材で分かった。
西岡容疑者は「盗み目的で部屋に侵入し、気付かれたので殺害した」と供述しており、借金が犯行につながった可能性がないかを調べる。
西岡容疑者はこれまでの調べに対して、長谷川さんが郵便ポストから鍵を取り出すのを見て部屋の番号を知ったとし、「女性なので盗みに入りやすいと思った」と供述している。部屋に侵入した後に台所の包丁を取り出し、物色していると、就寝していた長谷川さんが目を覚ましたため、騒がれないように刺したという。
(2012年6月22日17時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120622-OYT1T00708.htm
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