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「走る爆弾娘」菊地直子逮捕の謎
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2012-06-04 陽光堂主人の読書日記
昨日、「走る爆弾娘」と呼ばれた元オウム真理教信者、菊地直子が逮捕されました。昨年暮れの平田信に続く、逃走中の特別手配犯の逮捕です。菊地は、地下鉄サリン事件で使用されたサリン製造を手助けしたとされていますから、これで麻原らの死刑執行は延期されることになります。
毎日新聞は、本日付でこう報じています。(http://mainichi.jp/select/news/20120604k0000e040143000c.html)
オウム:教団元幹部の死刑執行先送りも 菊地容疑者起訴で
3日夜逮捕された菊地直子容疑者が今後、殺人罪などで起訴されると、死刑が確定している松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚らオウム真理教元幹部に対する死刑執行が先送りされる可能性が出てくる。
菊地容疑者は地下鉄サリン事件での殺人などの疑いで逮捕されたが、同事件には松本死刑囚のほか▽横山真人▽林泰男▽豊田亨▽広瀬健一▽井上嘉浩▽新実智光▽土谷正実▽中川智正▽遠藤誠一−−の各死刑囚も関与している。
菊地容疑者が起訴された場合、共謀関係にある死刑囚が公判での証人尋問で呼び出しを受ける可能性もあるため、法相は執行命令を出すことができなくなるとみられる。
松本死刑囚らは、目黒公証役場事務長拉致事件での逮捕監禁罪などで起訴されている平田信被告とも共謀関係にあり、執行は事実上ストップしているとみられるが、菊地容疑者の今後の捜査の展開次第で、執行がさらに先送りされる可能性がある。【伊藤一郎】
菊地によく似た女が相模原市内の住宅にいるという情報が、警視庁に寄せられたのが端緒になったとされていますが、我国の警察はそこまで無能ではないので、所在は掴んでいたはずです。問題は、何故このタイミングで逮捕したかです。
昨年の平田逮捕の時もそうでしたが、どうでもよいワイドショー的な情報が垂れ流されて、大事な案件が報道されず、脇に追いやられていました。今回も同様の展開になることでしょう。
昨日、野田総理と小沢元代表との会談が不調に終わったことで、野田総理は自民党と連携して増税法案を通す方向へ舵を切りました。自民党の要求に答えるべく、野田総理は本日内閣改造を行いますが、法務大臣も入れ替わることになりました。菊池逮捕と同時に法務大臣を入れ替えるというのは、どうも怪しい。
現法務大臣は小川敏夫氏ですが、彼は在日不動産屋絡みの事件で強制執行妨害罪・詐欺罪・脱税などの犯罪を犯した疑惑があり、国会で繰り返し追及されています。ところが、マスコミは殆ど報道しません。(前妻の市毛良枝に対するDVについては、ワイドショーなどで採り上げられていますが…)
マスコミが採り上げないのは、現職の法務大臣の犯罪だからでしょう。この国は一体どうなっているのでしょうか? 小川敏夫の犯罪については、「憂国の夜明け」などのブログで追及されています。
新たに法務大臣に就任するのは滝実法務副大臣ですが、この人は小泉内閣でも同じ法務副大臣を務めています。郵政民営化に反対して、自民党→新党日本→民主党と党籍を変えてきました。今年4月に今期限りで政界を引退すると表明していますので、9月の代表選までの「引退花道人事」であることは明らかで、この人選に意味はないようです。
小川法務大臣は今年3月、死刑執行命令を3件出しています。オウム幹部の死刑執行がなされる直前だったので、これを阻止するのが狙いだったのかも知れません。平田の逮捕で死刑執行は先送りされていると思われますが、平田の取調べ状況が全く報道されないので、どうなっているのかよく分かりません。
逮捕された菊地は、「サリン生成にかかわったのは間違いありません。しかし、当時は何を作っていたのか知らなかった」と話しているそうですが、オウムのいい加減な施設では製造不可能なので、北朝鮮辺りから密輸したというのが本当のところでしょう。菊地は、当局と示し合わせて嘘を付いているか、深くマインドコントロールされていて未だにサリン製造を信じているか、いずれかです。
オウムの残党と背後勢力が、麻原奪還を謀っているという説もありますが、荒唐無稽の感を否めません。黒幕としては、麻原らをさっさと死刑にして口を封じてしまいたいところでしょう。そのシナリオが、平田・菊地の逮捕で崩れています。
この調子で行くと、年末辺りに特別手配犯最後の一人である高橋克也が逮捕されるのでしょうか? そうすると、更に死刑執行が先延ばしされることになります。その過程で新事実が明らかとなればよいのですが、徒に日数だけが過ぎてゆき、有耶無耶の内に終わってしまう公算が大です。この国の闇は深いと言わざるを得ません。
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