01. 2012年5月07日 13:26:05
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産経新聞HPより転載 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120506/dst12050611360007-n1.htm============ 転載開始 ============ 【高速バス衝突】陸援隊会見(1)社長、時折言葉を詰まらせ頭下げる「心からお悔やみ申し上げます」 2012.5.6 12:09 (1/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (11:00〜11:15) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速バスツアーで、バスを運行していた「陸援隊」(千葉県印西市)の針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)が6日、東京都内で記者会見を開き、事故の経緯を説明した》 《会見予定の午前11時の5分前、弁護士に付き添われる形で姿を現した針生社長。立ったまま、じっと前を見据えている。ふっとひと息入れた後、会見が始まった》 弁護士「では、最初に有限会社、陸援隊の針生代表取締役から、ごあいさつさせていだだきます」 《弁護士に促される形で針生社長が、深々と頭を下げて口を開いた》 社長「まず初めに平成24年4月29日午前4時40分ごろ、藤岡の関越自動車道において、当社の河野(化山容疑者)が運転するバスの事故におきまして、なくなられた7人の方々、ならびにご遺族の方に、心からお悔やみ申しあげますとともに深く深く、本当におわび申し上げます」 《針生社長は時折言葉に詰まりながら、謝罪した》 社長「また、けがをなされた方々に、深く深くおわび申し上げます」 「本当に申し訳ございませんでした」 「私、針生裕美秀は、このようなことを起こした責任を、当社の代表取締役として、重く受け止めております。本当にこの度は、事故の当事者の方々、ならびに関係各位に多大なご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした」 2012.5.6 12:09 (2/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 《針生社長は、傍らの弁護士とともに、何度も頭を下げた後、事故の説明に入った。河野容疑者は群馬県警の調べに対し、「疲れていた」「(事故当時)眠ってしまった」などと供述。また、乗客が休憩地でつっぷして寝ていた様子も目撃している》 社長「河野については過労運転はなかったと認識しております」 《社長は、河野容疑者が運行前の3日間、休みを取らせていた事実や、今年の月平均の運行時間が100時間程度だったことを挙げて続ける》 社長「過労運転となるものではなかった」 《4月27日に往路の目的地の金沢に午前9時に到着した後も、午後9時の復路出発までは約14時間の休憩を取るスケジュールを取り当日仮眠するホテルも午後5時まで取っていたとする》 社長「いずれにしましても今回のバス運転前に加重乗務だったことは、まったくございません」 《続いて、針生社長は河野容疑者の雇用状態について説明する。河野容疑者は道路運送法に違反する可能性がある、人手が足りないときに依頼する「日雇い」運転手だったことも明らかになった》 《さらに、自らもバスを保有し、陸援隊の名義貸しを受けて中国人ツアーを企画していたことも指摘されている》 社長「東日本大震災以降、ほとんど仕事がない状態が続き、1回の乗務で金員を清算することもしておりました」 2012.5.6 12:09 (3/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 「また、河野自身がバス4台を所有しており、当社が使用する場合もあった。河野が集客した客の代金を当社に入れてもらっていたのも事実です」 《河野容疑者は、金沢での休息先でも、このツアーの手配をして仮眠をせず疲労が蓄積したとされる》 社長「当然のことながら社長や当社の別の従業員ももし事実ならば、驚きを禁じ得ない」 「もし事実ならば、誠に私の監督不行き届きで、おわびの言葉もありません」 《また、事故では河野容疑者が夜間の運転に不慣れで、金沢から千葉間のルートも初めての運転だったとされる。針生社長は、往路は同方向に帰省予定の別の従業員を運転させ、復路も高速道路までの一般道はこの従業員に運転させていたことを挙げて、問題がなかったとする認識を示した》 《さらに、国土交通省の特別監査では、陸援隊は、健康状態などを確認する乗務員の点呼のほか、飲酒運転検査も行っていなかったことが分かっている》 社長「点呼は、(同行させた)社員に、河野の健康状態を確認することで済ませた。飲酒についても河野は飲めないので、あえてする必要はないと思ってしまった」 《針生社長は謝罪を繰り返すも、神妙な面持ちで違法性などについては否定していく》 【高速バス衝突】陸援隊会見(2)「普通の方でも睡魔襲う、河野本人の居眠りだ」事故原因問われ社長断言 2012.5.6 12:19 (1/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (11:15〜11:30) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、バス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長の会見が続く》 社長「次に、当社とハーヴェストホールディングとの取引形態について説明いたします」 《ハーヴェスト社は今回のツアーを主催した大阪府豊中市の旅行会社だ》 社長「ハーヴェスト社と当社は直接契約の関係にありません。千葉県内のバス業者のA社、B社が間に入っていました。つまり、当社はA社の孫請けです。ハーヴェスト社との間では昨年の東日本大震災以降、30回以上、バスを運行しています。今回が初めての取引ではありません」 《社長は、運行指示書についても説明した》 社長「運行指示書についてご説明いたします。当該運行指示書を作成していなかったのは事実です。ただ、作成しようにもできなかったという状況です。お手元のバス配車指示書をご覧下さい」 《会見場では、ハーヴェスト社が作成した「バス配車指示書」が報道陣に配布されている。今回、事故が起きたバスの発着地や予定時刻が記載されたものだ》 2012.5.6 12:19 (2/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 社長「これはハーヴェスト社が作成したものですが、B社でストップしており、運行前に当社には送られてきていませんでした。運行指示書を作ろうにも作れなかったのです。河野(化山容疑者)の泊まっていたホテルには、乗車地、下車地が記載された乗客名簿と座席表がFAXされてきたのみでした。また、出発地の金沢駅にはハーヴェスト社の方もいらっしゃっていませんでした」 《続いて、社長はハーヴェスト社から上信越道を通るよう指示されていたかについては、「(配車)指示書にはそういう記載はない」と述べ、否定した。また、事故当時、バスのシートベルトが故障していたかどうかについては、「少なくとも昨年初めに点検した際には壊れていなかった」としつつも、事故当時の故障の有無については「把握していない」とした》 《また、被害者・遺族向けの説明会の日時についても詳しく説明した》 社長「5月27日の午後1時半から、金沢市のANAクラウンプラザホテルにて行いたいと思います。そこで、具体的な補償などのお話をさせて頂ければと思います」 《ここで、社長からの説明が終了。質疑に移った》 −−「(運行)指示書がB社で止まっていたということだが、運行前にB社に催促しなかったのか。また、ハーヴェスト社との契約には必ずA社、B社が入っていたのか。過去にも指示書が届かない状態で運行したことはあるか」 2012.5.6 12:19 (3/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 社長「1点目については、催促はしました。2点目については…。すみませんもう一度お願いします」 《質問者が問いを繰り返した》 社長「いえ、違います。(運行指示書は)届いています。また、A社、B社はいつも(ハーヴェスト社との間に)入っています」 −−「運行指示書が届かなかったのは初めてか」 社長「そうですね。もう1本、大阪便も入っていて、それは届きましたが、なぜか金沢便は届きませんでした」 −−「催促はしたんですよね」 社長「確認はとりましたが…」 −−「それに対してB社の説明は?」 社長「何という説明はありませんでした」 −−「指示書がないのに、なぜ運行したのか?」 社長「その通りでございます。申し訳ありません」 《傍らに座る弁護士が社長に何か耳打ちをした後、社長が続けた》 社長「お客さまのいることですから、バスを延着することはできないので、バスを動かしました」 −−「B社から陸援隊に運行の発注が来た日時と、河野容疑者に指示を出した日時は?」 社長「仕事の発注を受けたのは、事故の約1週間前。河野に確認を取ったのは、26日になります」 −−「時間はいつごろですか」 2012.5.6 12:19 (4/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 社長「河野とはだいたい午前6時半ごろに電話でやり取りをするのが恒例なので、そのころかと」 −−「その時に河野容疑者が不安を口にしたのか」 社長「いえ。27日の昼ごろに会社に駐車したので、そのころです。また、不安というのではなく、『道を知らない』ということでした」 −−「河野容疑者は日雇いという認識でいいのか」 社長「いえ、日雇いではありません」 −−「正式な雇用契約はあったのか」 社長「いえ、正式な雇用契約はないのですが。うちは給料の支払いが15日締めの10日支払いだが、河野とは違う方法もあって…」 《ここで弁護士が間に入り、「社長は日雇いという認識は持っていなかったが、われわれは日雇いにあたる可能性があると考えています」と説明した》 −−「点呼などを行っていなかったということだが、今回の事故との関係は?」 社長「自分としてはそういう認識はありません」 −−「何が事故の原因だと考えているのか」 社長「あの〜、これは…。まあ、普通の方でも車を運転していると睡魔に襲われることがある。私に責任がないというのではなく、今回は河野本人の居眠り、それが原因だと思います」 《言葉を選びながら慎重に返答する社長に対し、報道陣からは矢継ぎ早に質問が飛んだ》 【高速バス衝突】陸援隊会見(3)「個人営業知っていた…」“名義貸し”の実態語る社長 2012.5.6 12:49 (1/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (11:30〜11:45) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、バス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長の会見が続いている》 −−河野化山(こうの・かざん)容疑者への日当は? 金沢への便の仕事は15万円で受けたと聞いたが事実か? 社長「1日1万円なので、(千葉−金沢往復の3日間で)3万円になる。B社から電話で発注がかかったときに『いくらの仕事ですか』と聞くと、『15万円だ』と。そこで決まった」 −−河野容疑者がホテルをチェックアウトしてから時間がある。ホテルの予約はハーベスト社がしたのか? 社長「はい」 《社長がそう答えるや、左隣の黒いスーツ姿の弁護士が社長に耳打ちする》 社長「ごめんなさい。ホテルを予約してくれるのは、A社とかB社で、ハーベスト社ではありません。ハーベスト社と仕事をすると、A社とかB社とかが予約してくれるので、たぶんそうだろうと私は思っています」 2012.5.6 12:49 (2/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) 《弁護士の補足も入る》 弁護士「ホテルを予約した会社は、金沢駅で午後8時10分に客を乗せることになっていますので、間に合うようにホテルをチェックアウトしなければならないと考えたのではないかと、推測しています」 −−河野容疑者のような(日雇いの)雇用形態は何人いたのか? 《針生社長はみけんにしわを寄せ、しばらく考え込む》 社長「約10人おります。え〜、(昨年)3月11日の震災の後、全員強制解雇しています。ようやく今年に入って仕事ができてきたということで、1週間前に約6人の人間に声をかけた。私には、運転手は3カ月は見習い期間だという心情がある。そういうふうに運転具合をみている人間が4人ほどいる」 −−名義貸しをしている運転手は他にもいるのか 「名義料というようなものをもらってはいないし、河野化山のバスについても、何も隠すことなく私の使用ということで登録しています」 −−個人営業していたことを知っていたのか 社長「当然、中国語を話せるわけだから、営業としてそういうことをしていたと…」 2012.5.6 12:49 (3/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−知っていたのか、知らなかったのか 社長「知っております」 −−社長は以前、(運行免許のない違法な)白バスを営業していたことがあるようだが、その点はどうか 社長「確かに、以前白バス営業をしていた人間であります。それではいけないと、営業ナンバーを申請し、営業してきたつもりだが…」 《針生社長は涙を浮かべ、声を詰まらせながら話していく》 社長「亡くなった方も…おられるし…深く反省しております」 《質問は河野容疑者の事故直前3日間の過ごし方についてに及ぶ》 −−事故原因を河野容疑者の過労と考えていないということだが、河野容疑者は3日間、何をしていたのか 社長「はい。日報で把握しておりました」 《記者の質問と、針生社長の回答がかみ合わない》 −−…。内容は? 社長「そこまでは…」 《弁護士が助けを出す》 弁護士「河野さんが所有しているバスが修理中で使えなかった。運転していないのは、それで分かります」 《針生社長は手をひざの上に乗せ、うつむきがちに質問を受けている》 【高速バス衝突】陸援隊会見(4)「我が強くなく、かわいいやつ」 社長が語る河野容疑者像 2012.5.6 12:59 (1/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (11:45〜12:00) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、会見を開いたバス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長への報道各社の質問が続いている》 《針生社長は険しい表情をくずさず、かたわらに座る弁護士の助言を時折聞きながら、慎重に言葉を選んで答えていく》 《国土交通省の特別監査では、陸援隊は、健康状態などを確認する乗務員の点呼のほか、飲酒運転検査も行っておらず、道路運送法違反の可能性が指摘されている》 −−点呼ですが、社ではどのような対応を取っていたのですか 社長「車庫の前には自宅がありますので、出庫する際には対面で(点呼を)やっております。ただ、記録はしておりませんが…」 《河野化山(こうの・かざん)容疑者は、4月27日に往路の金沢に向けて出発したが、依頼されたのは前日の26日午前6時とされる》 −−通常打診するときも直前なのですか 社長「たまたまであってその日になりました」 《また、河野容疑者の雇用形態は、道路運送法違反の可能性がある日雇いだったとされている》 2012.5.6 12:59 (2/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−運転手10人のうち雇用保険のある運転手は何人ですか 社長「6人です」 −−雇用保険のない4人は河野容疑者を含めてですか 社長「はい」 −−4人は日雇いなのですね 社長「自分としては、ずっと使っていくかを判断する見習い期間だったと思っています」 −河野容疑者も見習いなのですか 社長「河野は別です」 《河野容疑者はバスを4台所有。自ら顧客を集め、陸援隊名義でツアーも企画していた。入社したのは平成23年7月。針生社長の考える約3カ月の見習い期間は過ぎていた。針生社長は、河野容疑者を特別視していたようだ》 −−(特別視の)理由は 社長「雇用保険に入るとかの話がでなかったもので…」 −−会社には全部で何台のバスがあったのですか 社長「19両です」 −−うち所有権がないのは何台ですか 社長「(河野容疑者の)4台だけです」 −−(4台の)使用料は(河野容疑者から)もらっていたのですか 社長「それはございません」 2012.5.6 12:59 (3/3ページ)[陸援隊社長会見] 会見する針生裕美秀社長=6日午前、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−河野容疑者が獲得した顧客の代金は、どうなっていたのか 社長「経費などを引いた全額を社に入れてもらい、そこから(河野に)給料を払っていました。明らかに全部を入れていたのかの確認は取れませんが…」 《このことが、事実上の名義貸しにあたると国交省の監査で指摘されたというが、針生社長はその認識はなかったとの主張を繰り返す》 《河野容疑者は平成6年に中国から帰化していた。質問は、河野容疑者の日本語能力にも及んだ》 −−日本語が不自由だったようだが 社長「ゆっくりと話せば(日本語を理解)分かる。もう日本に住んで17年なので不自由することはない」 −−社長にとって河野容疑者とは、どういう存在だったのか 社長「かわいいやつだ」 −−どうして 社長「日本にきて17年で生活習慣も分かっていた。中国人は我が強い人も多いが…」 【高速バス衝突】陸援隊会見(5)「中国人でも頑張っている」社長、育てる気持ちで“名義貸し” 2012.5.6 13:14 (1/4ページ)[陸援隊社長会見] 陸援隊会見 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (12:00〜12:15) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故。バス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長に対し、報道陣からは次々と質問が飛ぶ》 −−仕事でない日は、河野容疑者が何をしているか把握していたのか 社長「(業務)日報を確認していました」 −−陸援隊の仕事をしていない日は、何をしていたか把握しているか 弁護士「休日のことですか」 −−そうです 社長「申し訳ないです。それは分かりません」 −−(事故前に宿泊したホテルの)チェックアウト時刻が午後5時ということだが、それでも過労(運転対策)については十分という認識だったのか 社長「はい」 −−15万円で仕事を受け、運転手1人につき1万円を払うということだが、これは赤字覚悟ということなのか。どういう認識なのか 社長「金沢便に関しては、本来、ワンマン運行で往路の運転手が復路も運転するというような内容です。人件費が2倍になり、ホテル代もかかりますが、河野に仕事を覚えてもらう、道を覚えてもらうという意識もあり、利益とかは考えずに仕事を受けました」 2012.5.6 13:14 (2/4ページ)[陸援隊社長会見] 陸援隊会見 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−陸運局に事前に届け出をすると思うが、届け出た運賃と15万円というのは整合性があるのか 社長「多分、どこの会社さんでもそうですが、とりあえず料金表というのは出しますが、それで走れる仕事は皆無です」 −−それが常態化していたのか 社長「国交省に届け出はしますが、その料金で仕事ができることはないので、当然、安くもなるし、いつもそういうことになりました」 《質問は、河野容疑者への名義貸しの有無についても及んだ》 −−名義貸しの認識はなく、名義料ももらっていないということだが、会社にメリットはあるのか。ナンバープレートの使用料などの名目で、月々(河野容疑者から)取っている、というようなことはなかったのか 《しばし考え込むようにした社長に、重ねて報道陣が問いかけた》 −−アガリ(売り上げ)の一部以外は取っていないということか 社長「はい」 《ここで、弁護士が割って入り、「社長は名義貸しの認識がない。違法行為をして、対価を取るという認識もありません」と代弁した。しかし、報道陣からの厳しい質問が続く》 2012.5.6 13:14 (3/4ページ)[陸援隊社長会見] 陸援隊会見 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−そもそも、これが名義貸しにあたらないという認識の根拠は? 社長「いらした方はご存じかと思いますが、わが社の車庫には他に3社入っています。それはみんな、私が手伝っていたりした会社です。私は人を育てるのが好きなので、河野についても『中国人でも頑張ってやっている』という気持ちがあったので、名義料をもらってまでやろうという認識はありませんでした」 −−河野容疑者は大型2種免許はいつとったのか 社長「私は免許証のコピーをもらって『2種免をもっているな』と思っただけで、いつ取ったかは分かりません」 −−(復路の途中まで)同行したという運転手も日雇いだったのか 社長「日雇いという認識はない。その運転手もうちにきてまだ1カ月。日払いはしていないが、アルバイトみたいなものでした」 −−10人いるという運転手のうち、河野容疑者のように外国籍(注・平成6年に帰化したとされる)の人は他にもいるのか 《ここで、弁護士から耳打ちを受けた社長は「申し訳ございません。今はいるともいないとも…。迷惑がかかるので控えさせていただきたい」と述べるにとどまった》 −−河野容疑者は、陸援隊から月いくらの賃金をもらっていたのか 社長「この2月にようやく仕事が出てきて、月10万円。(運行は)10回ぐらいです」 2012.5.6 13:14 (4/4ページ)[陸援隊社長会見] 陸援隊会見 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−車の自賠責保険や任意保険は誰が払っているのか 社長「そのバスを使って売り上げたものは、河野が集金していたので、保険も河野が払っていました」 《河野容疑者は陸援隊の仕事とは別に、同社からバスを借りて自らも中国人向けツアーの営業・運行を行っており、売り上げの一部を同社に収めていたという》 −−個人営業の報酬の一部をもらっていたというが、それは名義貸しのマージンではないのか。どういう認識なのか 社長「売り上げはこちらで管理しないと…。『うちに売り上げは上げてくださいよ』と言っていました」 −−個人営業について、何割ぐらい売り上げを入れてもらっていたのか 社長「まだ集計もしていませんので…」 《次々と出される質問に、社長は言葉を区切りながら慎重に応じていった》 【高速バス衝突】陸援隊会見(6)完 「居眠りだけが原因で片づく問題ではないが…」歯切れの悪い社長に矢継ぎ早の質問 2012.5.6 13:41 (1/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長(右)=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) (12:15〜12:30) 《群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、バス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長の会見が続いている》 −−河野容疑者は個人営業の仕事は何件くらいあったのか 社長「私が河野からもらってやった仕事もある。合計…」 《針生社長が言いよどんでいると、弁護人が代わって答える》 弁護人「『河野交通』という名称を使って河野さんがやっている」 −−それは法人か 弁護人「屋号です」 −−法人化していないということか 弁護人「はい」 −−河野容疑者は、それ以外にも仕事を持っているのか 社長「ありません」 《別の記者からインバウンドについての質問が飛ぶ》 《陸援隊や河野容疑者は外国人旅行客をターゲットにしていた。いわゆるインバウンドだ》 −−インバウンドの話は陸援隊が河野容疑者に回したのか。それとも、河野容疑者が陸援隊に回していたのか 社長「そんなに難しいことではなく、河野が直接中国に営業をかけて仕事を取っていた」 《十分な回答になっていないが、会場には次から次へと質問が飛ぶ》 2012.5.6 13:41 (2/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長(右)=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−河野容疑者が陸援隊に入ったきっかけは何だったのか 社長「人の紹介で入った」 −−具体的には、バス業界の人か 社長「一切関係ない…。業界とかではない」 《かたわらの弁護士が何かを話している》 社長「まあ…一般的な普通の人です。知人です」 《弁護人が「この話は長くなりますから」と質問を打ち切る》 《河野容疑者は自らバスを4台所有。陸援隊がこのバスを使用したり、河野容疑者が陸援隊の名前でツアーを企画することもあったという》 −−入社したとき、バスを4台持ち込んだのか 社長「そうです」 −−河野容疑者に多額の借金があったという話もあるが本当か 社長「…」 《長い沈黙の後、次のように説明を始める》 社長「まあ、本人が出していたお金とかは把握していますが…、借金については知りません」 《結局、要領を得ないまま、次の質問へ移る》 −−河野容疑者は個人営業で稼いだ金を、会社へ入れているのか? 社長「3回ほど入っています」 《針生社長は緊張が高まっているのか、体をしきりに左右に揺らしながら、質問を聞いている》 《針生社長の説明によると、河野容疑者は自ら企画したツアーは、経費を差し引いた上で、全額、陸援隊に入金。その後、社長が河野容疑者に給料を払っていたという。ただ、どこまで経費といって懐に入れていたかは、社長は把握していないとする》 2012.5.6 13:41 (3/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長(右)=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−河野容疑者がかなりのマージンを取った上で会社へ入れていたのか 社長「領収書とかまだ集計できていないので、分かりません」 −−3回というのはどういうことか 弁護人「3回入金してもらっているということ。(河野容疑者へ稼ぎを)一度、会社に帰属させろと言ったが入れない。会社に入れたのが3回ということです」 社長「1日1万円という給与の部分を抜いて、残った部分は必ず会社へ入れてください、と言っていた。…これも私の管理がなっていなかったので…」 《すかさず記者から質問が飛ぶ》 −−それを名義貸しと言うのではないのですか 社長「…」 《針生社長は黙ったままうつむいている》 −−河野容疑者が所有していたバスの内訳を教えてほしい 社長「大型2台、中型1台、小型1台です」 −−事故直前に修理に出していたバスはどれか 社長「小型1台です」 −−河野容疑者が中国人ツアーを取り始めたのはいつごろからか 社長「私はいつからかは分からないが、震災前からやっていたと思います」 −−河野容疑者の仕事の金は銀行などの口座にいったん入ってから陸援隊に支払われるのか 社長「それもあるし、私が請求書で支払う場合もあります」 《大詰めを迎える記者会見。弁護士が会見を打ち切ろうとしている》 《陸援隊は、これまでに監査を受け、違反を指摘されていた》 2012.5.6 13:41 (4/4ページ)[陸援隊社長会見] 会見終了時、頭を下げる針生裕美秀社長(右)=6日午後、東京・八重洲(三尾郁恵撮影) −−違反は何件指摘されたのか 弁護人「私の方から答えます。30数件です」 −−具体的に何件か 弁護人「36件」 −−そのうち社長は何件把握していたのか 社長「え〜、まあ…、前回の…、え〜最初の定期検査の時、16回くらいの指摘があって…」 《針生社長は満足な回答ができない》 社長「3月11日の震災以降、3カ月完全に会社がストップ状態だったので、記録の部分はしていなかったので…」 −−違法性の認識はあったのか 社長「やらなきゃいけないのは知っていました」 −−河野容疑者の居眠り運転だけが原因だと思うか 社長「居眠りだけが原因で片付く問題でないのは分かりますが…」 《手の甲で涙をぬぐう針生社長。ここで弁護士が会見を打ち切った》 弁護人「被害者の方への説明会は、5月24日にANAクラウンプラザホテル金沢3階『鳳』の間で行います。よろしくお願いします」 《針生社長は最後に深く頭を下げ、報道陣にもみくちゃにされながら会見場を後にした》 ============ 転載終了 ============
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