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なんでまだ再審開始されないのか
2012.04.09 Monday
最近、「検事失格」という冤罪を作り出した元検事がその内情を告白するという本を読みました。自分たちのメンツのためだけに有罪にしていくという検事たちの姿が赤裸々につづられていました。
僕はこのに描かれている検事たちは「人間失格」だと思いました。腐臭が漂います。
特に無罪判決が出た後に「控訴審議」という会議が開かれるそうですが、このときの「なんでそんな証拠開示に応じたのだ!」みたいなやりとり。真実を追求する姿とは程遠い、ただ有罪にするためだけの捜査なんだと思いました。
市川氏はきっと「僕は『検事失格』だけど『人間失格』ではないという思いで書いたのだと思います。
彼が「人間失格」なのかどうかは読む人の判断だと思います。
ただ僕は彼が自分の「不正義」を上司や組織のせいにしていると思えるところに引っかかりました。
彼がここまで告発して検察の一端を明らかにしてくれたことは評価されるべきだとは思います。
しかし…、と僕は考えてしまうんですね。。。
さて東電OL事件もそのひどい捜査と裁判の典型だと思います。その東電OL事件の集会が昨日開かれ弁護団による、これまでの流れの解説が行われました。
東電OL事件について、弁護団はずっとDNA鑑定を求めていました。その鑑定に検察が応じたのが去年3月です。7月21日に読売新聞が「再審の可能性」というスクープを放ち、鑑定結果が明らかにされました。
弁護団はこの鑑定結果を知らされていなかったので検察に問い合わせたところ、「概ね記事の通り」という回答があり7月23日付の鑑定書が出されたそうです。
この鑑定結果は被害者の膣内に残っていた精液から2人分のDNAが検出されたというものです。一つは被害者自身のDNA、もう一つはこれまで明らかになっていなかった第3者男性Xのものでした。そしてこのDNAは被害者の遺体のそばのカーペットの上から発見された陰毛のDNAと一致しました。
弁護士の先生はこれが重要なポイントだと言います。
つまり確定判決が有罪の柱とされた「ゴビンダ以外の者がこの部屋に入って性交渉するとは考えられない」という判断を覆す証拠になるわけです。
しかしこれについて検察はこういったそうです。
「部屋の外で別の男性と性交渉してそのうえでゴビンダと部屋に入ってきた」
これに対して弁護団はこう反論しました。
「その可能性もあるでしょう。しかしその男性が部屋の中で性交渉をした可能性も否定できないのではないですか?」
その後、さらに証拠開示がされますが、その中にも重要なものがありました。
被害者口周り、胸などに唾液様のモノが残っていました。検察はその血液鑑定を事件発生当時にしていました。その血液型はO型でした。ゴビンダさんはB型です。これはDNA鑑定をするまでもなく、ゴビンダさんの犯人性を否定するものです。この証拠が開示されていれば確定判決が変わっていたかもしれません。検察はこの証拠を隠していたわけです。
この当時の公判検事は人間としては最低の輩ですが、組織人としては最高の仕事をしたわけです。でも、僕はこういった証拠隠しは「背任」という犯罪だと思いますので、こういった証拠隠しをした検事はしょっ引くべきだと思いますが、いかがでしょう。
さて弁護団はこれで十分に再審決定すべき証拠になるとしましたが検察は抵抗します。
「鑑定が可能な42点の証拠についてすべてDNA鑑定したい」
弁護団は検察が自分たちに不利な証拠が出てしまったのでこういった鑑定で逆転を狙ったのだろうと言います。
もはや再審決定すべきなのは明らかなのですが弁護団は42点のうち重要と思われる15点についてのDNA鑑定に同意しました。これはもし、鑑定を拒否して再審開始決定を勝ち取っても検察が「十分審理が尽くされていない」として異議を申し立てる可能性を考えたということでした。
10月31日 胸や口周りの鑑定結果が出ました。5か所のうち数カ所から男性XのDNAが出ました。ゴビンダさんのDNAは出ませんでした。
そして現在、その15点のすべての鑑定結果が出て、その中からゴビンダさんのDNAは検出されませんでした。
本来ならこれで裁判所は再審すべきかどうか判断すべきです。しかし検察は残り27点についての鑑定を申し出ました。裁判所は「必要ない」としました。すると検察はこういったそうです。
「捜査権としてやらせてもらいます」
とはじめました。そしてその結果が4月半ばに出るということです。
この鑑定はすでにすんでいるそうで、この報道が一部先日ありました。それによると「一致するものが出た」という報道と「可能性が否定できない」とか「出てない」とかまちまちだったそうです。
弁護団によると「高検が新聞記者を集めて話したのだが、別々に話したとは思えないので、記者による評価の違いで表現が分かれたのだろう」とのことでした。つまり完全に一致してないからこういう表現になったのではないかということです。
またもうひとつ弁護団から興味深い話がありました。
この東電OL事件では被害者のハンドバックの取っ手の部分が引きちぎらていました。これは被害者と加害者でバックの取り合いになってちぎれたのだろうと推測されこの取っ手の部分は重要な証拠とされました。
事件当時このDNA鑑定もされましたが、「鑑定不能」という結果になりました。この取っ手の部分は剥がされてDNAを採取するため水溶液にされました。この水溶液、全量消費されていなく、もしかしたら再鑑定できるかもしれません。弁護団が検察に提出を求めたところ回答は「ない」ということだそうです。しかし捨てたとは言っていない、なくしたとも言っていない。どうしたのでしょうか?不思議です。
さて、こういった話から、これだけ有罪判決に合理的な疑いが出てきているのに、未だにゴビンダさんが犯人だと言い続ける検察は気がふれているとしか思えません。いくら拘束し続けても、自分たちが国家賠償を払うわけでも、罪に問われるわけでもないから平気でメンツだけのために時間の引き延ばしをしているのでしょうか。
僕はこういったメンツだけのために働いていただくのは壮大な税金の無駄使いだと思いますので検察官一人一人に責任を負っていただくべきだと思います。メンツだけのために国家賠償が増えるのであれば、少なくとも増えた分については検察官が支払うべきではないでしょうか。払えない場合は懲役に行っていただくのが相当だと思います。
ゴビンダさんの集会
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