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【日本の警察のフシギ】(1)「事件よりも慰安旅行」というハレンチ体質 腐り切っている千葉県警
http://gendai.net/articles/view/syakai/135821
2012年3月26日 日刊ゲンダイ
ストーカー被害にあっていた女性(27)の祖母と母親(山下久江さん=当時77、美都子さん=同56)が昨年12月16日、付きまとっていた男(筒井郷太容疑者=27)に殺害された事件で、とんでもない警察の不祥事が明るみに出た。
被害女性や父親は昨年10月から長崎県警や千葉県警に相談していた。両親らが住んでいたのが長崎県西海市。被害女性は千葉県習志野市在住だ。 で、父親は最初、長崎県警に相談。その後、相談受理票は千葉県警習志野署に回された。
ところが、千葉県警習志野署は事件の重大性に気づきながら、女性からの被害届の受理を先延ばしにした。「変死事件の処理」などを理由にしていたが、この間、担当課長ら十数人で北海道に慰安旅行に行っていたことがバレたのだ。
結局、被害届の受理は1週間も遅れて、直後に殺人事件は起こった。片桐裕警察庁長官は「危機意識が欠如していたと言われてもやむを得ない」とか言っていたが、これぞ、警察の“体質”と言うしかない。
「警察全体が弛緩(しかん)しているとしか思えません。というのも、この事件を巡っては当初から、捜査のあり方に疑問が投げかけられ、警察庁は1月下旬から関係者から事情を聴くなどして、調査をしていたのです。今月4日に報告書がまとまったが、そこに慰安旅行のことなど1行も出てこない。千葉県警はひた隠しにし、警察庁も気づかなかった。報道が暴露して、大慌てになったのです」(大手紙担当記者)
千葉県警は論外として、1カ月以上も調査しながら、不祥事に気づかなかった警察庁も警察庁だ。身内に決定的に甘いのだ。
この事件で思い出すのは2000年1月に起こった新潟の雪見酒事件だ。9年2カ月も女性が監禁されていたおぞましい事件で、世間は大騒ぎになったのに、女性が保護された当日、監察に来た関東管区警察局長と県警本部長がかけマージャンをし、雪見酒を楽しんでいたのである。
被害女性の苦しみなんて平気の平左でドンチャン騒ぎ。警察の正体見たり、という意味で、2つの事件はそっくりだが、雪見酒事件のあと、警察改革の旗振り役になったのが、今の片桐長官なのだから、今度の不祥事も身から出たサビ、長官も責任を取るべきだ。
<知らなかったで済むか>
「結局、不祥事が起こると、反省するそぶりはする。しかし、体質は変わらないから、こうして不祥事が繰り返されるのです。今度の一件もひどいものです。被害女性は男性から暴行を受けて、あざだらけだった。男性の母親も息子が手に負えず“早く逮捕してくれ”と警察官に直接、訴えていた。男性は女性やその家族が警察に相談したことを逆恨みし、“殺す”というメールを出し、千葉県警が北海道旅行を楽しんでいる間にも被害女性周辺をうろついていた。これでよく、旅行なんぞに行けるものです」(霞が関関係者)
誰もが疑問に思うのだが、警察関係者によると、それほど不思議でもないらしい。
「レクリエーションと呼ばれる年中行事だからですよ。年に1、2回、署のグループで旅行する。そのためにカネも積み立てている。互助会組織からも援助が出るケースもあると聞いています。どこの警察署でもやっていることで、キャンセルすれば、せっかくの行事がパーになっちゃう。事件を甘く見て、行事を優先させたのです。千葉県警のグループは2泊3日で函館と登別温泉に泊まって、楽しんでいました」(捜査事情通)
バカみたいな組織だ。国民の安全よりも、グループ旅行とは恐れ入る。なるほど、暇さえあれば、不祥事が後を絶たないわけだが、千葉県警は会見で、旅行の件を知っていたのは生活安全部長や刑事部参事官までで、刑事部長や県警本部長は知らなかったと釈明した。知っていたのはノンキャリで、キャリアは知らなかったと言うのである。
知らなかったで済むと思っているところが恐ろしい。
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