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(前略)
シベリア抑留生活を送った旧日本兵は、場所によってはドイツ兵の捕虜と同じ区域で収容生活をしたが、両国の兵隊には際立った違いがあったという。
旧日本兵は、ソ連側から押し付けられたノルマを懸命になって果たそうとする。「ノルマを達成すれば、早く帰国させてやる」と言われ、ますます働く。
それに対し、ドイツ兵は動かない。ソ連兵が文句を言うと、逆にロシア人のノロマぶりをからかって平気でいる。なかには「俺たちがここにいるのは、今度攻めてくる時の視察のためだ」とうそぶくツワモノもいたそうだ。
そんなドイツ兵捕虜の一人が、旧日本兵をつかまえて説教した。「君たちは、ソ連の言うことをきいて働いているが、それは無駄だ。どんなにノルマを達成しても、それだけで帰国させてくれるわけがない。俺たちが帰国できるかどうかは、国際情勢によって決まる。だから、働かなくったって、帰国できる時がくれば帰国できるのだ。」
[日本は負けて敗けて結構だった]
この話の極めつけは、『岸信介の回想』(文芸春秋社刊)にある。
岸は東條内閣の商工相だったので、A級戦犯として巣鴨プリズンに収容されたが、結局、不起訴となり、釈放される。
対日講和後の昭和28年、岸は三か月の予定で欧州視察に旅立ち、当時の西ドイツで、元ヒトラー内閣の経済相だったシャハトと会う。シャハトは、A級戦犯として起訴され、ニュールンベルグ裁判で無罪となった経歴を持つ。
「日本は戦争に負けて結構だった」と切り出したシャハトは、岸に言った。
「私は、世界で一番偉い民族は、ドイツ民族と日本民族だと思う。この両民族は、東西にあって他の民族の運命まで引き受けてやらねばならない使命があるが、こういう民族は、戦争に負けて叩かれれば叩かれるほど、強靭な民族性を発揮する。しかし、日本民族は偉いけれど、戦争に負けたことがないから、強靭さが足りない。だから今度の敗戦がいい試練だ。おめでとう」
(中略)
バブル崩壊以後の大不況に苦しむ日本を、”経済敗戦”と言う向きもある。もしシャハ
トが生きていたならば、やはり同じ論法で「おめでとう」と日本の経済人に言うだろう。
(転載以上)
(新世紀人コメント)
この「こぼれ話」を転載したのは余りに現状の日本と世界情勢に当てはまっているからだ。
この雑誌は「ニューリーダー」の1999年1月号であり、書棚の整理をしていてしまってあったものを見つけて、何気なくめくっていたら栞が挟んであって読んでみたら驚くべき内容であったからだ。
これは、転居した友人が残してくれていったもので返すべきものであったのが機会を逸したものらしい。
「お前の関心事に参考になるだろう」と置いていってくれたものだった。
私は勿論、過去に読んでおり、気に入ったから栞を挟んでおいたものだ。
シベリア抑留の旧日本軍将兵とドイツ軍捕虜のソ連軍に対する対応の違いについては他にも知るところがあって、前者は組織性が全くなくなってソ連軍警備兵も大して警戒を行わず少人数を当てていた事、それに対し後者はソ連軍に対し徹底して組織的に対応し、ソ連軍は旧日本軍将兵にあてる人数の十倍程の警備兵をあてて、移動の時などにドイツ軍捕虜達の両側を囲んで対応していた事などを日本軍抑留兵士の手記を読んで知っていた。
よく言って「生真面目」、悪く言って「糞真面目」なのが日本人であり、
これは、現在の日本の経済産業省や電力会社や原発メーカーが当てはまる事なのだ。
彼らには勿論、欲得ずくの思いはあるが、先ずは「真面目」であって、それ故に相手の思惑を疑わない事がある。要するに馬鹿なのであるが、原発が”ヤクザな代物”である事に気がつかないのである。
これは「オレオレ詐欺」に騙される多くの親馬鹿日本人と全く同等レベルの知能と思考力なのだ。
要するに純真であり、国際情勢が全く判らない事による。
国際情勢が判らないから、帰国に全く役に立たない、火事場泥暴のソ連に貢献する奴隷労働を嬉々としてやりぬくのだ。サボれないのが日本人なのだ。
国際情勢が判らないから原発が”ヤクザな代物である事”に気がつかず判らないのだ。
それで、ひたすらに米国からの指令である「原発再稼動」のノルマを達成しようとするのだ。
米国核戦略の手下を嬉々として行うのだ。自国を放射能汚染されながら、それにも気がつかず自分が被曝している事も忘れて必死でノルマ(指令)に取り組むのだ。
これは旧日本兵将兵抑留者と同じである。
ソ連軍は笑っていた。オバマ政権の核エネルギー担当者も笑ってるのだ。
そして私も苦笑してクシャミをするのだ。私は昔からこのような日本人のあり方に同調出来ないのだ。日本人のあり方が不思議でならないのだ。
それは、子供の頃から戦前に外地で生活してきて敗戦で戻ってきた少なからざる大人たちが私に多くを語ってくれていた事によるのかもしれない。
シャハト博士の岸信介に対する話は、立派な文明論であり深刻である。
「日本は過去に戦争に負けていない。」確かにそうである。米国にはじめて負けたのだ。
彼の話は、現在のEUにおけるドイツの存在位置と脱原発を見事に言い当てている。
EUをドイツは支えて、ギリシャもスペインもイタリアもフランスさえも支えている。
日本より経済規模の小さいドイツが旧東ドイツを救済しながらこれだけの活躍をしているのだが…。
脱原発にまで至っているのだが…。
しかし、日本も、…実は、日本が米国を支えてきているのである。
残念ながら皮肉にも、日本が支えてきた事により、
米国は、湾岸戦争をやり、アフガニスタンに侵攻し、イラクにも侵攻し、やりたい放題に乱暴狼藉を行い、国を保ち、チャイナに国債を買わせてもたれかかるまでに至る事が出来たのだ。
ドイツは欧州を支え、皮肉にも日本は米英を支えてきた。
ドイツは不完全ではありながら堂々と振舞い(イスラエルには遠慮しながら)、日本は卑屈に従ってきた。
日本はいまだに強靭性が足りない。
しかし、日本にも例外的に強靭性を獲得した地域がある。
それは沖縄なのである。地上戦で大被害を受けた沖縄は例外的に強靭性を獲得してくれたのである。
我々本土?が沖縄にプレゼント出来たものは、それは皮肉にも「不屈の強靭性」なのだ。
本土?はいまだにオレオレ詐欺に騙されるレベルに停滞し、試練を受け続ける真っ最中にいるのではないのか?
天才シャハト博士は岸信介に社交辞令を言ったのではないのか?
その様に疑ったりもする。
彼は、日本は復活すると見ていてくれたのであろうか?
「強靭性? 試練?」
…どこが強靭で? どこが試練なのか?
残念ながら、日本人と日本にとって試練とは…これからだ。これまでは序の口だ。
これからは空襲が始まり国民は逃げ惑う事になるだろう。
権力の座に座る官僚宦官達は指導性をを失い権力を手放す事になるだろう。
座念ながら国民は逃げ惑う事になるだろう。
福島第一原発が曲がりなりにも休火山のように治まってはいるが、そのままで鎮まってゆく事はないだろう。
収束させえない日本人に向かって収束を放棄している日本人に向かって地中から掘り出された核物質即ち核燃料は再び怒りの炎を発するだろう。
日本人と日本国を載せている国土は心の備えを怠り強靭に立ち上がろうとしないままでは対応できない自然現象を発するだろう。
従って本土国民にとっての試練とは本格的な試練とはこれからの事だろう。
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