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ユーロの命運握る2人のイタリア人・・ドラギECB新総裁:国債購入拡大による救済は拒否
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投稿者 尚林寺 日時 2011 年 11 月 04 日 11:36:22: JaTjL5JPya4go
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27858?page=3
1人はユーロを葬り去る恐れがあり、もう1人はユーロを救う可能性がある。
イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相は今年8月、冷ややかな書簡を受け取った。
書簡は同首相に「イタリア当局による迅速な行動が投資家の信頼を回復するために不可欠だ」と警告し、民営化と経済自由化のための青写真を示したうえで、計画より1年早い2013年に財政を均衡させるよう政府の歳出削減を要請していた。
この絶対的命令は、欧州中央銀行(ECB)総裁のジャン・クロード・トリシェ氏と、11月1日に総裁の座を引き継ぐイタリア人、マリオ・ドラギ氏によって署名されていた。脅しは明らかだった。ECBは、ベルルスコーニ首相が巨額の債務を減らす行動を取った場合に限り、イタリアを助けるというのだ。
ベルルスコーニ首相は新たな緊縮予算(一部怪しい数字も含まれる)を採択したが、イタリアの硬直化した成長を加速させるための措置は事実上何も取らなかった。
そのため10月23日、ユーロの危機に対処するための2度の欧州首脳会議(サミット)の最初の会合で、ベルルスコーニ首相はドイツとフランスから、3日後の次回サミットに間に合うように確実な改革案を用意するよう求められた。「イタリアは自身を救わなければならない」とドイツの高官は言う。イタリアが滅びれば、ユーロも死んでしまうのだ。
****サミットでの屈辱
こうした事情もあり、欧州の指導者たちはイタリアに対して大きな影響力を持っていない。だが、屈辱には一定の効果があった。最初のサミット後の記者会見で、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのニコラ・サルコジ大統領は、ベルルスコーニ首相の約束で安心したかと聞かれた。両首脳は答えをためらい、互いをチラッと見やり、作り笑いを浮かべた。会場は大爆笑になった.
一国の首脳、それも、ほかでもない欧州連合(EU)の創設メンバーである国の首相が、他国の首脳たちによってこれほど軽蔑的に扱われることは滅多にないことだ。ギリシャのヨルゴス・パパンドレウ首相は、怒りというよりは同情の目で見られている。スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、首相の座を犠牲にして遅ればせながら改革を断行したことで再び尊敬を集めている。
こうして、ユーロの将来は2人のイタリア人の行動によって決定される可能性がある。ユーロを葬り去ってしまうかもしれない道化者のベルルスコーニ首相と、ユーロを救える最後の人物となるかもしれないテクノクラートのドラギ氏である。
ドラギ氏は財務省勤務の経験もあり、民間部門(ゴールドマン・サックス)で働いたこともある。ただ、イタリア銀行を去る総裁として、能力と独立性という中央銀行独特の雰囲気を身につけている。
ドラギ氏は危機時にECB総裁を務めることになる。トリシェ氏は、窮地に陥ったユーロ圏諸国の国債を買い取り、自らの責務を限界まで引き延ばした。各国政府に負担を肩代わりするよう要請して、不本意ながらそうしたのだ。
だが、各国財務省は資金が不足しており、イタリアのような大国を守れないかもしれない。防火壁が役に立たなければ、★火を消せるのはECBの無制限の流動性だけだ。ドラギ氏は、ECBの「筆頭株主」であるドイツの意向に反してまで、それを利用するだろうか?
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