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2011/10/29 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/234447
原発事故のコストは最大でも1.2円、ほかの燃料よりも安い――。政府が初めて原発事故に関するコストを試算したが、その内容には驚きを通り越してア然だ。
試算をまとめたのは、内閣府の「原子力委員会」。それによると、日本の原発で深刻な事故が発生した場合、損害賠償や廃炉費用などの被害額は1基当たり3兆8878億円。これに事故の発生頻度を「500年に1回」と仮定して掛けると、発電コストは1キロワット時で最大1.2円上乗せされる計算になるという。
この上乗せ分を加味しても、原発の発電コストは火力や水力、太陽光を下回り、事故が起きても安いという理屈なのだが、ハァ? ではないか。現実に最悪の原発事故が起こり、数万人が避難生活を余儀なくされているのだ。あまりにノーテンキだし、算定の前提からしてデタラメだ。
それもそのはず、原子力委員会のメンバーの顔ぶれを見れば、こんな結果になったのも当然なのである。
「5人の委員のうち、委員長の近藤駿介氏をはじめ、3人が東大工学科出身の原子力エリートです。そのうちのひとり、尾本彰氏にいたっては東電の顧問も務めている。今回のコスト試算をまとめた小委員会には、外部から有識者ら6人が加わったが、座長を務めたのは原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理です。試算には結局、巨額の除染費用や放射性廃棄物の中間処理費用の建設費は計上されていません。有識者からは『除染には48兆円かかり、コストは最大で16円にもなる』などの異論も出たが、座長の鈴木氏は『0.1〜1円あたりが妥当』なんて言っていました。わずか3回の会議で議論は尽くされていないのに、最初から結論ありきみたいに、コスト試算がまとまったかのようにいわれている。これは異常事態ですよ」(環境ジャーナリスト)
経産省の保安院といい、原子力安全委員会といい、ロクなものではなかったが、原子力委員会も同じ穴のムジナだ。国会で原発事故後の怠慢を批判された近藤委員長は、「火事場で火消しの方法を言うのは適切じゃない。それを見て、沈静化してから取り組むのがミッション」と開き直った。鈴木委員長代理は6月に韓国で開かれた原発事故の討論会で、「われわれは原子力政策には責任があるが、原発の安全性には責任がない」とヘラヘラしながら話していた。
こんな連中にベラボーな税金が使われているのだから許せない。3期6年も君臨している近藤委員長の月給は106万円! 鈴木代理も月額93万円の高給取りなのである。被災者はやりきれないだろう。それでも、原子力委員会の事務局担当者はこう言い切った。
「当委員会は原子力を推進する立場であり、原子力に関する政策をつくるための組織です。原発の安全性について考えるのは原子力安全委員会の仕事です。われわれは安全性についてはかかわらないし、かかわることもできないのです」
こんな組織がまとめた原発事故のコスト試算なんて、ハナから信用できるわけがないのだ。
(日刊ゲンダイ2011年10月26日掲載)
2011/10/29 10:00 更新
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