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指定弁護士「過去にも銀行が、陸山会に融資したことはありますね」
証人「はい」
指定弁護士「では銀行側から持ちかけた…」
《指定弁護士の質問を遮り、弁護人席から鋭い声が飛ぶ。“カミソリ”の異名を持つ弘中惇一郎弁護士だ》
弁護人「それは誘導だと思う!」
《法廷内のやりとりが一瞬途絶え、しんとした空気が流れたが、指定弁護士は気を取り直して、質問を続ける》
指定弁護士「えー、質問を変えますが、小沢先生の借り入れにするというのは誰の意向だった?」
証人「石川秘書からの申し出です」
指定弁護士「融資は何を担保に?」
証人「陸山会の定期預金です」
指定弁護士「融資の申し込みがあったとき、定期預金はあった?」
証人「なかった」
指定弁護士「改めて定期預金を組むことで融資を申し込むということか」
証人「はい」
指定弁護士「陸山会に転貸しする前に、(4億円の)資金を用意できるということだったのか」
証人「はい」
指定弁護士「土地の代金は用意できるのに、わざわざ融資を受ける説明はありましたか」
証人「ないです」
指定弁護士「その融資の申し込みをする理由はなんだと思いましたか」
《質問が終わるや否や、再び弘中弁護士が怒声を飛ばす》
弁護人「意見を聞くのは意味がないと思うが」
《たまらず指定弁護士が反論する》
指定弁護士「申し込みを受けた当時の意見を聞いているだけです」
裁判長「異議を棄却します」
《裁判長が異議を退け、審議が再開すると思いきや、再び弘中弁護士がかみついた》
証人「以前(別の)融資の稟議書を見た際に、世間的…」
弁護人「異議があります! 稟議書の内容は伝聞であり、不適切だ!」
指定弁護士「証人が直接見たものであり、伝聞ではない」
弁護人「書かれたものを証拠にしないと!」
《指定弁護士と弁護人の激しいやりとりに、質疑は一時中断。たまらず大善裁判長が「議論がかみ合っていない」と、両者をとりなし、質問を再開させた》
指定弁護士「(定期預金を担保に融資を受けるという)その申し込みを受けたとき、どのような考えを持ちましたか」
証人「以前の(銀行内の)稟議書に『(陸山会は)世間的な影響を考えて、融資金で購入する』という記載があったので、今回も同じ理由かなと思いました」
《元支店長は銀行内の引き継ぎ文書に、陸山会が土地を購入する際、「世間的な影響を考慮して」融資金を使うとの記載があったと説明した。これは陸山会がマンションなどの不動産購入のたびに、複雑な資金操作を行っていたことを示唆する内容だ》
《これに対し、再び弘中弁護士が吠える》
弁護人「稟議書の内容は伝聞だ!」
指定弁護士「記載はあった。その内容を証人が実際に見て、そう考えたという『事実』だ」
《裁判長が左陪席の裁判官と何か短いやりとりをする》
裁判長「異議を棄却します」
《双方のやりとりが落ち着き、具体的な融資の内容や手続きに話題が移る》
指定弁護士「返済期限はどのようなものだった?」
証人「2年ぐらいで、というものだった」
指定弁護士「現実的には2年だったが、申し込みの時は1年だった?」
証人「はい」
指定弁護士「銀行側の決済権限は誰だった」
証人「私です」
指定弁護士「申し込みの際は即答した」
証人「していません」
指定弁護士「どのように答えた」
証人「『後ほどご連絡します』と言って帰ってもらいました」
指定弁護士「その後、どういう協議をしましたか」
証人「支店で協議してクレジットオフィサーに相談しました」
指定弁護士「クレジットオフィサーとは?」
証人「融資に助言、アドバイスする人間です」
指定弁護士「なぜ相談した」
証人「スキームに問題があるかどうか、第三者的な意見を聞きたかった」
指定弁護士「問題はなかったか」
証人「なかった」
《次に指定弁護士は小沢被告が融資について知っていたかどうかについて、小沢被告の押印と署名がある融資申込書について質問を移す》
指定弁護士「これは融資申込書ですね」
証人「はい」
指定弁護士「小沢さんの押印ですね」
証人「はい」
指定弁護士「あなたの目の前で小沢さんが書いたもの?」
証人「違います」
指定弁護士「あなたは融資について小沢先生に確認した?」
証人「時期は覚えていないが、小沢先生に会った時に『融資をご利用いただきまして』と話した」
指定弁護士「小沢先生は何と」
証人「『お、おう』と」
指定弁護士「どういう意味だと理解した?」
証人「融資について知っているということだと理解しました」
《弁護士同士の激しい対立のなか、元支店長への質問が続く》
◇
【小沢被告第2回公判(6)】衆院内銀行の“スタンス”「立ち入った話は聞かない」 4億円融資で
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111014/trl11101416120011-n1.htm
2011.10.14 16:12 産経新聞
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