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アイドル化がもたらした政治家の堕落
境目が分からなくなるばかりの素人とプロ2011.10.13(木)
竹野 敏貴
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先週木曜日、私は秋葉原を彷徨していた。原稿書きに没頭する最中、突如暴走し壊れてしまったPCを買い換えるためやって来たのである。
徹夜明けのためナチュラルハイ状態、そして、前回コラムで触れたスティーブ・ジョブズ氏の訃報を、コラム公開から半日もたたないうちに聞いた直後ということもあって、原稿を書いていた時の精神世界から抜け出すことができず、現実感を失っていた。
手が届く存在になったアイドル
AKB48の前田敦子が主演した映画版『もしドラ』 そんな時、聞こえてきたのが「号外」の声。当然ジョブズ氏の訃報を伝えるものと思いきや、アイドルのような出で立ちの女性が配っていたのは号外を模したAKB48の宣伝ビラ。
ここで私は現実世界に戻った。そう言えば、アキバは電脳都市であるとともに、アイドルたちの本拠地だった・・・。
今では、アイドルと称する存在は日本中に数多く存在するし、フォロワーのコスプレ姿も至る所で目にする。興味のない者にはアイドルとアイドルもどきの区別もつかない。
手の届く存在という戦略で粗製濫造されたアイドルたちは、かつての空高きスターとは違い、一般人と同じ地平にいる。
芸能先進国米国も似たような状況にある。他人の生活を覗き見したいという欲望を刺激しようと、素人が成り行き任せで「自分」というキャラクターを演じる「リアリティショー」が近年大人気なのである。
「リアリティ」を標榜しながらも、どこまでが真の姿で、どこからが演技なのか見当もつかず、中には台本が存在するものもあるというから、結構いいギャラまでもらっているともなれば、もはや出演者は芸能人と変わらない。
その点、初めからアメリカンドリームの成就先が音楽業界の全面バックアップするアイドル歌手という前提のオーディション番組「アメリカン・アイドル」は、分かりやすい。
出演者たちは、毎回与えられたテーマに全力を出し切って視聴者の審判を待つというスタイルなのだが、視聴者たちは、毎週同じメンバーにTVで「出会い」、回を重ねるごとに、自分の家族か友人のような親近感を持つようになっていく。
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