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米国と中国、どちらを選ぶか
アジア諸国を悩ませる厄介な選択2011.10.05(水)
Financial Times
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(2011年10月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
米中の2大大国にはさまれたアジア諸国は、ジレンマを突きつけられている〔AFPBB News〕
新世紀を定義づける地政学的なドラマは、恐らく、中国と米国が軍事力と影響力を競い合う戦いだろう。この新たな争いは既に、両大国にはさまれたアジア諸国に厄介な選択を迫りつつある。
米国連邦議会上院では3日、中国から輸入される製品に関税を課すことを容認する法案が可決されると見られていた。
仮に、米国の保護主義の勢いがこれでしばらく止まるとしても、米国内に漂う対決ムードは中国の隣人たちにジレンマを突きつける。
経済的な利益と戦略的な利益のズレ
日本やインド、オーストラリア、韓国、そして大半の東南アジア諸国にとって、中国は今や最大の貿易相手国だ。ところが、これらの国々はまだ、軍事面で最も重要な関係を米国と結んでいる。経済的な利益と戦略的な利益が互いに異なる方向を指しているこの状況を、各国は果たしていつまで続けられるだろうか?
人民日報に先週掲載された社説から判断する限り、そう長くは続けられないだろう。中国共産党の機関紙である同紙は、「米国の軍事力という助力と中国とのバランスが取れている限り何でも好きなことができると思っている特定の国々」に狙いを定めていたからだ。
この記事は恐らく、掲載の前日に日本とフィリピンが発表した声明に触発されたものだ。両国はこの中で海洋分野における2国間協力の強化を約束し、中国が南シナ海の広い範囲で領有権を主張していることへの異議をほのめかしていた。
しかし、中国の警告はベトナムやインド、韓国、オーストラリア、あるいは台湾などに向けられる可能性も同じくらいあった。これらの国々は皆、ここ1年間で米国との軍事的なつながりを強めているからだ。
もちろん、これは皮肉な話である。隣人たちが大慌てで米国の軍事力に頼ろうとしているのは、この人民日報の記事が体現しているように、中国が武力をちらつかせて威嚇してくるためにほかならないからだ。
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