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天然ガスがロシアと日本の結びつきを強くする
世界にエネルギー資源を売りたいロシア2011.09.14(水)
コンスタンチン・サルキソフ
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ロシアの資源輸出外交が大きな山場を越えた。9月6日、プーチン首相の出席のもとで、天然ガスのパイプラインの開通式が行われた。レニングラード州ヴィボルグ市から、バルト海底を経由してドイツのグライフスヴァルト市まで天然ガスを運ぶパイプラインである。ロシアと険悪な関係にあるウクライナとベラルーシは迂回している。ドイツのグライフスヴァルト市は、15世紀に建てられた古い大学を擁する5万人強の都市だ。
このパイプラインの完成によって、2005年に署名された「ノルドストリーム」計画がやっと実現されたのである。
1200キロメートルという長さは、海底パイプラインとして世界最長である。天然ガス輸送量は年に550億立方メートル。今回、開通したのは第1系列のものであり、第2系列が2012年秋に開通する予定である。
ロシアに頼り切ることを避けたいドイツの複雑な心境
ヨーロッパ諸国は、エネルギー資源の輸入をロシアに大きく依存している状態から、なんとか脱却したいと考えている。また、パイプライン建設に対しては、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)やウクライナ、ベラルーシからの反発もあり、ノルドストリーム計画はそうした逆風の中で進められた。
開通式に参加したプーチン首相は、「ノルドストリームによる天然ガス輸送量は、原発11基分のエネルギー生産量に相当する」と、脱原発を宣言したドイツにメッセージを送った。そして、「ウクライナの立場は今までとは違ったものになるだろう」と付け加えた。
現在、ウクライナ経由でヨーロッパに輸送されるロシアの天然ガスは年間1100億立方メートル。ノルドストリームの第1系列は、ウクライナを通過せずに年間275億立方メートルをヨーロッパに輸送する。第2系列ができれば、合計で550億立方メートルに達する。
「天然ガスの通過料を巡ってウクライナとの摩擦はますます激しくなっている。それを念頭に置けば、第3系列の建設案は十分に検討の余地がある」と、ロシアのセチン副首相(エネルギー担当)はパイプライン増設の可能性を示した。
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