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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110910-OYT1T00909.htm?from=y10
鉢呂経産相 無神経発言での辞任は当然だ(9月11日付・読売社説)
高い支持率で船出した野田政権が、いきなりつまずいた。
鉢呂吉雄経済産業相が10日、福島県の原子力発電所視察を巡る失言の責任を取って辞任した。
原発事故がまだ収束しない中、原子力政策の担当閣僚が、被災者たちの感情を踏みにじるような発言を繰り返すようでは、資質が疑われる。野党側からも鉢呂氏の辞任を求める声が強まっていた。
辞任は当然だ。野田首相の任命責任も問われよう。
鉢呂氏は8日、野田首相に同行し、東京電力福島第一原発や周辺自治体を視察した。
帰京後、議員宿舎で記者団の取材を受けた際、着ていた防災服の袖を記者にこすりつけるようなしぐさをして、「ほら、放射能」などと語ったとされる。
鉢呂氏は「言葉は正確に記憶していない」と釈明したが、風評被害を抑えるべき立場にある政治家としては、あまりに無神経だ。
9日の記者会見では、視察した原発の周辺市町村を「死のまち」と表現した。事故対応に全力を挙げるべき内閣の一員から、ふるさとを「死のまち」と呼ばれては、被災者は到底納得できまい。鉢呂氏は陳謝して発言を撤回した。
鉢呂氏は産業・通商政策に関しても腰の定まらない発言が目立った。環太平洋経済連携協定(TPP)については「関税ゼロと農業再生の両立は難しい」と後ろ向きの姿勢を示していた。
原子力政策でも、将来は基本的に「原発ゼロ」になるとの見通しを語るだけで、エネルギー安定供給への認識には乏しかった。
首相が早期幕引きを図った背景には、13日から始まる政権初の臨時国会を控え、失言に対する野党の追及で厳しい国会運営を強いられるとの判断があろう。
重要閣僚が就任から9日目に辞任する事態は、野田政権には極めて大きな打撃だ。
東日本大震災を巡っては、7月に松本龍・前復興相が失言で辞任している。政治への不信感はさらに増幅するばかりである。
鉢呂氏以外にも、政府・与党からは不用意な発言が飛び出している。一川防衛相は「安全保障に関しては素人だ」と発言し、平野博文国会対策委員長も「内閣が不完全な状態では十分な国会答弁ができない」と語った。
震災復興、円高対策、外交問題など、野田政権には多くの政策課題が待ち構えている。首相は早急に体制を立て直し、政権運営に万全を期さねばならない。
(2011年9月11日01時16分 読売新聞)
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