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普天間解決を要請 財政難・中国軍拡 焦る米
産経新聞 9月4日(日)7時55分配信
【ワシントン=佐々木類】オバマ米大統領が野田佳彦首相との電話協議で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題の解決を最優先課題として求めてきたのは、中国の軍拡で東アジア情勢が不安定化しているほか、米政府内の逼迫(ひっぱく)した財政事情がある。
米政権は、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件や、中国艦船が頻繁に日本の領海を侵犯している事態を重視。中国を牽制(けんせい)する必要から、安全保障に関する共通の戦略目標策定のほか、新たな日米安保共同宣言のとりまとめを急いできた。
オバマ政権が普天間問題解決を急ぐ背景には、こうした国際情勢もあるが、米国内の財政問題も無視できない。財政難に苦しむ米政府は、効率性を高めるため世界規模の米軍再編を進めており、在沖縄海兵隊のグアム移転も決定済みだ。しかし、これは普天間飛行場の移設が前提になっているだけに、遅々として進まない移設に米議会の忍耐は限界点に達している。
米上院軍事委員会は2012会計年度(11年10月〜12年9月)の国防権限法案で、普天間飛行場の嘉手納統合案検討を国防総省に求める内容を盛り込んだほどだ。議会は普天間移設問題で目に見える進展がなければ、グアム移転費1億5600万ドル(約120億円)を認めない方針。規模が大きい国防予算は議会から削減の最優先対象となっている。
米政府にしてみれば、普天間飛行場の国外・県外移設を模索して頓挫した鳩山由紀夫元政権や、具体的な解決努力をみせなかった菅直人前政権への憤りは強い。
日米両国間には、普天間問題だけでなく、米国産牛肉の輸入規制問題や、子供の連れ去りに関するハーグ条約加盟問題も横たわっている。
米政府は新政権への移行を機に、こうした2国間の懸案解決を一気に進めたい考えで、野田政権の対応を注視している。
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最終更新:9月4日(日)9時30分
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