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ドル基軸体制の崩壊と人民元 サーチナ
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投稿者 gikou89 日時 2011 年 8 月 22 日 02:08:39: xbuVR8gI6Txyk
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0821&f=column_0821_003.shtml
為替相場の潮流変化と人民元問題 第52回−三宅輝幸(和光大学名誉教授)
人民元がわずかながらではあるが、着実に対ドルで上昇を続けている。中国当局がドル買いの市場介入を緩めているものとみられるが、その背景には(1)国内のインフレ抑制と(2)ドル建て外貨準備の増加抑制などの思惑が見て取れる。こうしたなかで、最近のアメリカの債務問題にかかわる動向からはドルを取り巻く状況が大きな転換点に近づいていることが感じられる。
すなわちドル基軸体制がいよいよ崩壊に向かいつつある兆候が見られることである。金の裏付けのないドルが40年間国際決済に使用され、外貨準備としての中心を占めてきた。減少しない経常赤字への対応として魅力的に見える金融商品を開発して、世界に分散したドル資金をアメリカへ投資の形で還流させてきた。サブプライム・ローン商品が暴落してリーマン・ショックを引き起こしたが、世界の投資マネーは最終的に投資対象の多いアメリカに流れてきた。
今般、米政府の債務が上限に達したが、債務上限法がかろうじて成立し、アメリカの債務不履行は免れた。しかし財政赤字の構造的な問題は解決に至っておらず、米格付け会社S&Pはアメリカ国債の格付けを最上位から引きずり下ろしてしまった。財政赤字削減案を取りまとめる超党派の委員会にも合意形成に暗雲が漂っている。こうした状況の中で、投資マネーはドルを売り、およそ経済パフォーマンスがよいとはいえない円を買っている。
このように、ドル基軸通貨体制の終わりは見えてきた。しかし、基軸通貨の交代は、第一次世界大戦から第二次世界大戦を経てようやくポンドからドルへ段階的に移行したケースに見られるように、簡単には完了しない。特に、今回は次の基軸通貨の候補がなく、どのような体制となるかが見えないことが、このシフトを難しくしている。
しかし、ドル離れが着実に進んでいる一面も見える。IMF(国際通貨基金)の資料によれば、世界の外貨準備に占めるドルの割合は2001年3月に72.3%あったものが、2011年3月には60.7%にまで減少している。
今後の展開をみると、(1)まず、単独でドルに代われる通貨がない。ユーロ、ポンド、円、人民元などには基軸通貨としての条件がまだ整っていない。(2)SDRには合成通貨であるために、それなりの問題が多い。(3)しかし、このままドル離れが進めば、ドル、ユーロ、ポンド、円、人民元などが、それぞれ役割を分担して国際金融体制を支えざるを得ない。
これら主要通貨は、それぞれ決済通貨として一定の役割を果たし、そのために外貨準備としても一定額が保有される。すなわち、基軸通貨の多極化である。国際収支と財政収支の赤字が限界に達したアメリカに、抜本的な改善策が期待できない現状、こうした展望が現実味を帯びてくる。
そうなると、経済大国に成長した中国にも応分の責務は求められることとなる。人民元に求められているのは「上昇する」ことではなく、「市場の需給を反映して、自由に変動する」ことである。必要に応じて自由に決済に使用できる通貨でなければならず、そのためには、資金の調達と運用の市場を整備することも求められる。今回の債務ショックはこうした課題に対しての具体的な展望が求められる段階に入ったことを意味しているといえよう。(執筆者:三宅輝幸 編集担当:水野陽子)
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