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英国の暴動:自己像を見失った国2011.08.15(月)
The Economist
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(英エコノミスト誌 2011年8月13日号)
発作的な愚かな暴動が英国人の自己認識を揺るがしている。英国の暴動は他国へ「輸出」される可能性もある。
ロンドン北部トッテナムで炎上する店舗の前を通過する機動隊員〔AFPBB News〕
8月6日にロンドン北部のトッテナムで発生した暴動は、数日のうちにロンドン市内各地に飛び火し、さらにはマンチェスター、バーミンガムなど他の都市へと拡大した。この暴動に対する多く英国民の最初の反応は恥辱感だった。
しかし、恥辱感と同時に彼らを包んだのは激しい困惑だった。法を順守する大半の市民は突如、一部の同胞が何のためらいもなく車両や建物に放火し、店から商品を略奪し、消防隊員や救急隊員を襲撃することに気づいた。
社会秩序の核心に存在していた信頼という虚構が、むき出しにされた。それなりの数の犯罪者が町に繰り出して大騒動を起こそうと思えば可能だということが判明したのだ。心の中に道徳的な抑制がなければ、外から強制的に抑制しても大して効果はない。
世界が驚きの目をロンドンに向けた。諸外国は概して、英国は少なくとも興奮しやすい大陸の隣国と比べると、羨ましいほど秩序が保たれ、法を順守する国だと思っていた。しかしこの平穏なイメージは全面的に正しいわけではない。
他地域に拡大するような暴動は以前にも、特に夏場に起きている。最近では1980年代に、トッテナムをはじめ先日緊張が高まった地域で暴動が発生した過去がある。だが、今回の問題の様相は、以前の突発的な暴動とは異なっている。今回の暴動は、全く愚かな騒動だという点で、ある意味では以前よりさらに気が滅入る出来事だ。
低下するモラル
8月第2週に拡大した暴動と1980年代の暴動には、略奪、放火、警察に対する攻撃など、いくつかの類似点があるが、暴動に関わる場所、人種、年齢、性別には以前見られなかった広がりがある。
1980年代の多くの騒動にからんだ人種問題は今回の決定的な原因ではない。略奪の容疑で最初に法廷に呼び出された容疑者の1人は、31歳の教育補助員だった。一般的なフ−リガンの典型的イメージからはほど遠い。このことが、死者まで出している今回の暴動に対する政治家たちの様々な解釈を許した。
左派の一部に言わせると、真犯人は政府の公共支出削減だ。この見方は、1980年代の暴動がサッチャー政権による大幅な歳出削減策「サッチャー・カット」のさなかに起きたことから、表面的には根拠がありそうに見える。しかし、これはやはり怠惰な空想にすぎない。
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