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(回答先: 心からおわび…陸前高田の薪使用断念で京都市長 投稿者 あややの夏 日時 2011 年 8 月 14 日 05:16:07)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110813-OYO1T00211.htm
「京都五山送り火」で燃やす予定だった岩手県陸前高田市の松で作った薪(まき)から放射性セシウムが検出され、計画の中止が決まった12日、京都市や送り火保存会の関係者は「せっかく五山の足並みがそろったのに……」と落胆。被災地からは、二転三転する状況に「これ以上騒いでほしくない」との声も上がった。
おわびするしか
薪の検査結果は12日午後2時頃、依頼していた京都市内の検査会社の担当者から京都市に伝えられた。市長室で聞いた門川大作市長は、想定外の結果に「えっ」と絶句。薪の使用中止をその場で決断したという。
「薪の使用は断念せざるをえない。尽力頂いた皆様に心からおわびします」
門川市長は、午後4時に始まった記者会見の冒頭で、そう言って頭を下げた。
検出された数値は危険なのかとの質問に、「食品と違って基準はない。国には早く基準を示してほしい」と繰り返した。
岩手県が10日、陸前高田市のがれきから高濃度の放射性物質が検出されたと発表したことを巡って、「今日知った。陸前高田市は福島県から190キロ以上も離れているのに……」と打ち明け、陸前高田の薪からは検出されないことを前提に話を進めてきた自らの認識の甘さを認めた。
薪については「専門家の意見を聞き、京都で適切に処分したい」とした。
約1時間の会見で、「おわび」「申し訳ない」という言葉を20回以上も重ね、京都の信頼失墜についても、「おわびする以外ない。被災地と心がつながる取り組みを新たに行いたい」と言うのがやっとだった。
京都市によると、謝罪のために門川市長が13日にも陸前高田市を訪れる考えを伝えたところ、同市に「気持ちはわかったが、今の時期は混乱を招くので控えてほしい」と断られたという。
期待だけさせた
「中止と聞き、とにかく残念。2度も被災者の方々を悲しませる結果となり、申し訳ない」。五つの保存会でつくる京都五山送り火連合会が12日夜、京都市内で開いた緊急会合の後、同連合会の田中博至会長(74)は沈痛な表情で陳謝した。大文字保存会の松原公太郎理事長(58)は「残念の一言に尽きる。実施か中止か、どちらの判断が正しいかは非常に難しい」と話した。
会合では〈1〉送り火開始の16日午後8時に各山で一斉に黙とうし、市民にも協力を呼びかける〈2〉15日午後2〜7時、市役所前に京都産の割り木と護摩木各500本を置き、市民に鎮魂や冥福などを祈る言葉を書いてもらう――と決めた。
京都市民の表情は複雑だ。西京区の主婦鎌田明美さん(62)は「被災地の人たちに期待だけさせて結局、燃やさないとは」と怒りを隠さない。一方、東山区の無職福士辰雄さん(80)は「検出されたのであれば、中止は仕方ない」とする。中京区の無職男性(69)は、「最初の段階でそのままやると決めていれば、被災地にも京都にも望ましい形だった」と残念がった。
思いもよらぬ
戸惑っているのは京都の関係者だけではない。薪を提供した福井県坂井市のNPO法人「ふくい災害ボランティアネット」の東角操代表(53)は、「復興の力になればと始めた活動が、思いもよらぬ事態になって……」と、頭を抱えた。
薪の売り上げを復興支援に充てる計画で、5月に陸前高田市で松を回収。6月から1袋(約20本入り)1000円で販売していた。薪は1本ずつ簡易検査したが、放射能は検出されなかったという。しかし、この日の結果を受け、販売を当面見合わせ、すでに購入した相手には、専門家の見解が明らかになるまで燃やさないよう要請を始めた。
「風評被害が広がるので、あまり騒いでほしくない。善意が結果的にこういうことになってしまい、陸前高田だけでなく、被災地の皆さんに心配をかけることになる」。陸前高田市の戸羽太市長は、京都市の発表後に記者会見し、困惑の表情を見せた。さらに「被災地のみならず、みんなが被害者だ」と話した。
被災した松は様々な形に加工され、活用されている。キーホルダーを扱う陸前高田市支援連絡協議会はグッズ販売は続ける方針。ただ、阿部広宣事務局長は「放射性物質の問題は鈍感すぎてもいけない」と、京都市の中止の判断に理解を示した。
専門家は「健康には問題ない」
今回、薪の表皮から検出された放射性セシウムの数値は、コメや肉などの暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)の約2倍だが、専門家は、送り火への使用に関して、安全面では全く問題がないと指摘する。安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「食品などの規制値は、食べ続けた場合に体内に蓄積する放射性物質の影響を想定している。木に触ったり、燃やして拡散した灰を吸い込んだりしたとしても、影響は計算する気にもならないほど低いレベル。京都市は、風評被害を広めないよう、健康に問題ないレベルであることを正しく情報発信すべきだ」とする。
陸前高田市は東京電力福島第一原子力発電所から約200キロ離れているが、安斎名誉教授によると、樹木の表面だけなら、風向きによって1000ベクレルを超える放射性セシウムが付着することは十分あり得るという。
風評被害鎮める機会逃した
岩手県花巻市で育った京都市在住の宗教学者、山折哲雄さん(80)の話「昨日、花巻に行ってきたが、現地の人は京都の態度に非常に怒っていた。今回、薪の使用を中止したことで、風評被害を鎮める絶好のチャンスを逃した。京都の歴史に残る汚点で、非常に情けない。お盆に送り火を行うという意味を、もう一度考え直すべきだ」
(2011年8月13日 読売新聞)
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