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米独の奇妙なカップルに試練の時
オバマ大統領とメルケル首相は心の友？2011.08.08（月）
Financial Times
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（2011年8月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙）

見るからにナイスカップルというわけではないが、よく見ると似ているところがある〔AFPBB News〕
確かに、米国のバラク・オバマ大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相はおかしなカップルに見えるが、筆者は2人が密かな心の友だという結論に達した。

　2人とも物事を熟慮することを好む。それ自体に害はない。ただ残念なことに、慎重な熟考は何もしない言い訳にもなってしまう。

　ホワイトハウスの主である民主党のオバマ大統領とベルリン首相官邸の主であるキリスト教民主同盟（CDU）のメルケル首相の間に類似性を認めることに無理があることは分かっている。

　1人は弁護士で、もう1人は物理学者だ。貫禄のあるメルケル首相は、「Yes We Can！（そうとも、我々にはできる！）」と宣言して、群集を奮起させるタイプではない。

　確かに、共産主義の東ドイツで幼少期を過ごしたメルケル首相は、ドイツの中道右派の支配階級からすれば、ちょっとしたよそ者だ。とはいえ、それも米国初の黒人大統領であることとは違う。

経歴や背景も違えば意見も合わないが・・・
　また、2人はその時々の大きな政策問題について意見が合うわけでもない。メルケル首相はワシントンで名誉ある同盟国の扱いを受ける。だが、メルケル首相はギリシャをはじめ、債務に苦しむユーロ圏諸国の浪費を軽蔑するのと同じくらい米国の浪費を軽蔑している。為替レートを巡る米中間の論争では、中国政府に理解を示す。

　オバマ大統領の側近らは、メルケル首相は時に国連安全保障理事会で、米国との付き合いよりも中国やロシアとの付き合いを好むとこぼす。首相はロシア政府に甘すぎるし、ドイツの輸出は西側の同盟への忠誠より優先される。

　またオバマ大統領の側近らは、メルケル首相がユーロ圏の危機に対処できないことが、折しも大統領が再選を目指している時に世界的な景気後退の引き金を引きかねないと懸念している。

　しかし、もう一皮むけば、類似点が見えてくる。2人とも大学教授のように国を統治するのである。メルケル首相はリーダーよりも仲裁者の役割を好み、イデオロギーに凝り固まった人々の中の穏健派の役を演じる。それはまさにオバマ大統領が、債務上限を巡る交渉が行き詰まっている時に取ったポーズだ。

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