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リニアJR案 沿線との対話を丁寧に
08月07日(日)
リニア中央新幹線の県内路線と中間駅の位置について、JR東海が概略案を公表した。
地元の飯田市などが強く求める飯田駅への併設に対し、JRの方針はかみ合わなかった。
県外路線の発表から約2カ月遅らせたものの、事実上の見切り発車と言えるだろう。
2027年開業のスケジュール通りに進めようとして、沿線地域との話し合いをおろそかにすれば、摩擦が大きくなる。事業の進展にも響くだろう。JRには柔軟で丁寧な対応が求められる。
もともと中央新幹線計画は実現性が不透明だったが、07年にJRが自己資金を使い、ほぼ直線ルートで建設する、と発表して動きが活発になった。
計画が具体性を帯びるにつれ懸念されてきたのは、経済合理性に基づいて動く民間企業の事業が、地域の声を十分反映させたものになるのか、という点である。
JRにすれば採算性にかなうのは、東京―名古屋間の建設費をできるだけ安くして最短で結び、ノンストップで多くの乗客を運ぶことだ。この論理では中間駅は“厄介者”としか映らなくなる。
東京と名古屋の駅は自己資金で造るが、中間駅は地元負担で―という方針は、その論理の一端と見られなくもない。止まる列車の本数も課題になる。
鉄道の公共性は高い。整備新幹線計画が掲げる地域振興の目的は、中央新幹線においても尊重しなければならない。
計画は首都圏と名古屋近郊の深い地下を通し、南アルプスを貫く国家的プロジェクトだ。国は民間の事業だからと距離を置かず、JRと地元との調整に積極的にかかわってもらいたい。
東京電力の原発事故以来、先端技術や生活スタイルに対して人々の考え方が変わってきた。リニア計画の意義そのものにも厳しい目が向けられつつある。
リニアは1962年に研究が始まった。超低温にして強力な磁力を生み出す日本独自の方式である。時速約500キロで走る。トンネルが8割を占め、中央構造線など地質がもろい地中を通る。地震の対応、磁界の人体への影響など安全面での不安は強い。
自然や景観への影響、沿線の騒音公害や磁界公害、工事に伴う問題など、ルートが絞られてくると数々の課題が出てくるだろう。
JR東海はこうした不安や疑問に誠実に応える必要がある。まず積極的に情報を公開することだ。国と県の役割も大きい。
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