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http://www.neji-bane.jp/kiji/20110801051422_nj.html
「なでしこジャパン」 勝利の原動力は・・・
女子サッカーのワールド杯で「なでしこジャパン」がチャンピオンの快挙を成し遂げた。パワー、スピードなどで勝る世界の強豪相手に「ちっさな娘たち」が優勝したことに日本のみならず世界からも称賛の声があがっている。
サッカーについては門外漢である時評子にとっても、どうして優勝できたかは興味深い事柄である。既にスポーツ評論家等が勝因について語っているが、素人なりに考えれば、今回のチームが技術的・組織的に過去最高であるとの評価に加え、監督の采配、人心収攬術というか、人柄自体によるものも多かったのではないか。企業を含め組織のリーダーの在り方にも参考になったのではないか、と思う。
それにもまして、今回の「なでしこ」チームが背負っている中味がまるで違っていたのではないか。
オリンピック競技や世界選手権と呼ばれる世界大会に出場する選手たちは、かつては自国を代表し、その重荷・プレッシャーに耐えかねて日頃の実力を発揮できないという異常なまでの緊張感の中で競技を強いられてきた。その反動でか、近年は自分自身のために戦うという個人主義的な考えや、コスモポリタン(世界市民的)な立場から競技を楽しむことを公言する選手たちもでてきた。
が、「なでしこ」ジャパンはそれらとも違っていた。周知の如く、「3・11東日本大震災」は東北地方を主に大きな災害をもたらした。生き残った住民・被災者にとっても、大変な苦難の中で生活を強いられている。そのことは地震列島に住む多くの日本国民にとっても、明日は我が身かもしれぬ身近な災害と受け止められた。
「なでしこ」にとってもそのような眼前の厳しい現実を前にして、知己の、そして近隣の見知っている人たちのため、そしてメディアが報じる被災状況や復旧・復興に懸命に取り組む人たちのために、自分たちにできることはなにかと真剣に問い詰めた結果が、プレーとなって現れたようにみえる。
抽象的な国家イメージや、自分自身のためというモチベーションを遥かに超えたところで、「なでしこ」ジャパンは戦っていた。サッカー競技場のピッチには、パワフルで体格に勝る相手選手だけでなく、被災地で復興に奮闘する人たちの姿も見えていたとさえ思う。
精神論一辺倒とはいかないが、スポーツする目的が明確にイメージできた時こそが、個人にとってもチームにとっても一番力を発揮できるのだということを教えられたように思う。そして、それは企業組織の運営についてもいえることだろう。
2011/08/01 金属産業新聞
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