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【インド―生産】フォードがインド第２工場、14年までに生産開始
2011年07月29日

フォード・モーターは現地時間の28日、400億ルピー（約704億円）を投じ、インド西部グジャラート州サナンドに第２工場を建設すると正式に発表した。年内に着工し、2014年までに稼働する予定だ。

当初の生産能力は年間24万台で、約5000人の新規雇用を創出する見込み。フォードは15年までに世界の生産台数を約50％増となる年間800万台に引き上げる計画を掲げており、新工場の建設もこの一環とされる。

新工場は、タタ・モーターズの格安車「ナノ」専用工場の近くに位置する。敷地面積は460エーカー（約186万平方メートル）で、スタンピング施設、車体工場、車両組立ライン、塗装施設を備える。エンジンの生産能力は年間27万基。

フォードはすでに、南部タミルナド州チェンナイ近郊マライマライ・ナガルの既存工場の生産能力を年間20万台に引き上げるため５億米ドルを投じており、新工場と合わせると年産能力は44万台に達する。同社はまた、マライマライ・ナガル工場に付属するエンジン工場の年産能力を25万基から33万基に増強するため、7200万米ドルを投じている。

同社は昨年、15年までにインドに８車種を投入すると発表。インド市場向けに開発した小型車「フィーゴ」は発売15カ月で販売台数が10万台を突破した。今月14日には新型「フィエスタ」を発売している。

フォードのアジア太平洋・アフリカ事業のジョー・ヒンリクス社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は、世界でも最も自動車産業が活発な地域の一つで成長を遂げるためには、新工場が重要な意味を持つと述べた。新工場の建設地にグジャラート州を選んだ理由について同社は、企業寄りの政策と整ったインフラ、北西部の港へのアクセスの良さ、熟練した労働者の存在を挙げた。

■企業優先の環境に高評価
グジャラート州には、タタのナノ専用工場のほか、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）のハロール工場、アジア・モーターワークスのブージ（Bhuj）工場、アトゥル・オートのラージコート（Rajkot）工場などがあり、インド有数の自動車生産拠点の一つ。

業界関係者は、自動車産業が盛んな南部タミルナド州チェンナイとデリー近郊の北部ハリヤナ州グルガオンで最近、各メーカーの労働争議が発生していることも、フォードがグジャラート州を選ぶ理由と指摘していた。マルチ・スズキのほか、ＰＳＡプジョー・シトロエンも同州への工場設置を検討していると伝えられており、二輪大手バジャジ・オートも、ムンドラ港の近くに第４工場を建設する計画がある。

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