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なでしこJAPAN世界一で実感する「1勝2奇跡」という条件の意味
2011年07月25日
<< Prev | Next >> 自分が生きている間に、日本代表がサッカーワールドカップで優勝する日が来るとは思っていなかった。それが2011年7月17日に現実のものとなった。日本全体に熱狂をもたらしたなでしこJAPANが日本に凱旋。なでしこ人気は高まる一方だ。
一方で、われわれは、あの2011年FIFA女子ワールドカップが何だったのか、少しずつ冷静に分析できるようになってきている。なぜ、日本代表は不可能と考えられていたワールドカップを獲得できたのか、サッカー専門家によるさまざまな分析を目にした。そこで、今回は、この問いに対する答えを巡り、経営戦略の専門家である私の視点から分析をしてみたいと思う。
なでしこJAPANの奇跡
今回のワールドカップ優勝により、サッカー論とは別に、“戦力論”の観点から分かったことがある。それは、「強いアジアのチームが世界一になるためには、1勝2奇跡が必要条件だ」ということだ。
決勝トーナメントに出場したなでしこが、準々決勝のドイツ戦で奇跡を起こし、準決勝のスェーデン戦で勝利を勝ち取り、そして決勝で世界最強の米国に対し、再び奇跡を起こしてみせた。そこには、大前提として、なでしこの卓越した精神力、そして、世界で勝てるパスサッカーという技術力の高さがあったことは確かだ。
それを前提に、冷静に戦力論として振り返ると、彼女たちはやはり2度、奇跡と呼ばれる勝利を経ている。その奇跡がない限り、多分世界の頂点には立てなかったのではないだろうか。
1度目の奇跡を起こしたドイツ戦は、日本にとって完全にアウェーの状態。そのドイツを相手に、なでしこは90分を守りきる。そして迎えた延長戦の後半108分、澤穂希からのパスを前線で受けた丸山桂里奈が、右サイドに走り込み、ほぼぎりぎりの角度でドイツゴールにシュートを打ち込んだ。この1点を守り切った日本は王者ドイツから奇跡の勝利をもぎ取った。
そして、2度目の奇跡を起こした、世界ランキング1位の米国戦では、試合が始まるやいなや身体能力に勝る米国が怒涛のように日本のゴールに攻め込む。ゴールキーパー海堀あゆみのファインセーブに何度も救われながらも後半24分、米国についに先制点を入れられる。それを後半35分に宮間あやのゴールで追いつき、試合は延長戦へともつれこむ。
ところが、延長前半14分に米国のワンバックに豪快なヘッディングシュートを決められ、突き放されてしまう。このとき、日本のサポーターのほとんどが「これで終わりか」と観念しかけたが、なでしこだけはあきらめていなかった。「まだやれる」と周囲を鼓舞し合うなでしこの選手たち。そして、試合終了まで残り時間3分、宮間の放ったコーナーキックに飛び込んだ澤の右足から、光の矢のようなシュートが米国ゴールに突きささった。
そしてPK戦。海堀が2度米国のPKを止めると、日本は4番手熊谷紗希のシュートが米国ゴールの左上隅に突き刺さる。この瞬間、日本は奇跡の勝利を手にした。
このようにドイツ、米国と2度の奇跡を起こし、なでしこJAPANは世界の頂点に立った。そして実はこれが、アジアのチームがこれまでも何度か到達しているベスト4と、今回初めて到達した世界の頂点との距離の差なのである。
ベスト4ならあと1勝ないしは1奇跡で到達できるが、頂点にたどり着くには、「1勝2奇跡」が最低でも必要なのだ。
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