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「世代会計」という概念
ひょんなことから 世代会計 という言葉を知った。少子高齢化と社会保障(公的年金など)を考える上で有用な概念のようだ。
世代会計(generational accounting)という概念は、アメリカの経済学者ローレンス・コトリコフ(Laurence J. Kotlikoff)が1992年に提唱したものだという。
世代会計とは「現行の公共政策のもとで現在世代及び将来世代が現在から将来にかけて政府に支払うべき純納税額(支払い税額マイナス受取移転額)を直接計算するもの」と定義される。 つまり、言い換えると、「人々がそれぞれ生涯を通じて、政府にどれだけの負担をなし、政府からどれだけの受益を得るのか」という視点から財政のあり方を評価する仕組みのことなのである(ここでいう受益とは、警察・消防や公衆衛生などの公共サービス、道路サービスなど社会資本の提供するサービス、公的年金の給付、医療等を指し、負担とは、税金、社会保険料、年金保険料等を指すものとされる)。
世代会計の一番の特徴は、将来世代の負担に着目している点にある。
政府債務残高は、その時点での債務をあらわしているにすぎないので、例えば、財政赤字の数値を変えずに現存世代に有利な政策を行うと、政府債務残高をみる限りでは、何の変化も生じない。しかし、世代会計でみると、こうした政策は、将来世代の負担が増大することになる。
つまり、世代会計は、こうした形で、将来世代へのつけ回し政策の問題点を浮き彫りにすることが出来るのであって、この様に、将来に対する不確実性を払拭し、政府の財政状況を長期的に捉えなおすことが、世代会計の目的なのである。
(慶應義塾大学 麻生良文研究室 学生論文より)
将来世代の負担を算出するのに様々な仮定が入らざるをえないことには注意しなければならない(そのあたりも上述の論文の中で述べられている)が、それでもなお、現在の社会保障政策もふくめた財政が未来にどういう影響をもたらすかを推し量るのに参考になる視点だと感じた。そこから見えるものは愉快なものではないかもしれないけれど。
日本銀行金融研究所の機関誌『金融研究』(1998年12月発行)に「世代会計の国際比較」という論文が載っており、以下のようにまとめられていた。
世代会計の基本的メッセージは、政府財政支出の負担者はゼロサム・ゲームを行っているということである。現存世代の人々が支払う額が少なければ、将来世代の人々の支払いは多くなる。
==
世界の主要産業大国 − 米国、日本、ドイツ − はすべて、世代政策において厳しい不均衡を抱えている。
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(今後、大幅に政府の純サービス消費を削減しないかぎり、)将来の日本人は、政府の無策のおかげで現行の税率の2.5倍以上の税負担を負うことになるだろう。
(関連記事) 日本の国の借金と資産
2006-08-28 経済・政治・国際 | 固定リンク
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コメント
本ブログの指摘は鋭いですね。私も世代会計のブログを開設しました。よろしければご覧下さい。http://blogs.yahoo.co.jp/tachikimakoto
投稿: 立木信 | 2007-11-21 23:12
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