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ヒラリーが手中に収める世界食糧支配の切り札「GMO」は今後「核兵器」化する(SAPIO)
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投稿者 なんじゃこりゃー 日時 2011 年 4 月 08 日 19:11:27: 0zLT2gtfzmeo.
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20110407-01/1.htm
世界的食糧危機を背景に急拡大する巨大種子メジャーと国家戦略
ヒラリーが手中に収める世界食糧支配の切り札「GMO」は今後「核兵器」化する
(SAPIO 2011年3月30日号掲載) 2011年4月7日(木)配信
文=原田武夫(株式会社原田武夫国際戦略情報研究所代表)
アメリカは世界最大の軍事国家であると同時に世界最大の農業国家でもある。トウモロコシや小麦の輸出量は世界一を誇り、この圧倒的物量によってアメリカは世界の食糧を支配し続けてきた。そして今、世界的な食糧危機に際し、新たな支配の手を伸ばし始めている。
米国務長官ヒラリー・クリントン。外交を担う彼女が、実はこれまで「食糧安全保障」に並々ならぬ意気込みを見せてきたことをご存じだろうか。
すでに国務長官就任2日目には「食糧安全保障」に積極的に取り組む意向を示したと伝えられ、直後の2009年1月にスペイン・マドリードで開かれた「食糧安全保障に関するハイレベル会合」にもアメリカとしてより積極的に取り組んでいく決意を表明している。さらに、それから3か月余りが過ぎて出演した米ABCテレビの人気政治番組「THIS WEEK」でも、「オバマ大統領は私に対して、食糧安全保障について率先して努力するように要請しました」といった発言を残している。
興味深いのは、その「時期」である。07年夏のサブプライム・ショック以降、原油や穀物といった商品先物価格は激しい値動きを見せてきたが、ヒラリー国務長官が「食糧安全保障こそ、私のテーマ」と声高に喧伝し始めたのは、穀物相場がすっかり落ち着きを取り戻してからである。多忙を極めるはずの国務長官が、なぜそこであえて「食糧安全保障」を叫ばなければならなかったのか。
その答えは彼女の経歴に隠されている。
名門イェール大学のロースクールで後に大統領となるビル・クリントンと出会い、結婚したヒラリーは、77年にアーカンソー州のローズ法律事務所に籍を置く。同事務所は投資銀行であるステファンズ・グループの顧問弁護士を務めていた。そして、同グループが最大の株主となってきたのが、種子ビジネスを手がけるデルタ・アンド・パイン・ランド社である。
日本ではあまり知られていないが、同社が83年に政府の補助金を得て研究開発を進めてきたのが「GMO(遺伝子組み換え作物)」だった。98年にはGMOの特許を取得。これによって同社のタネを用いて作付けする農家は同社に特許使用料を払わなければならなくなった。しかも、同社は1回の収穫しかできない「ターミネーター・シード」と呼ばれる技術まで完成させている。この技術の持つ意味は極めて大きい。なぜなら、一度この種のタネに侵食されたら耕作を続けるためにそれを永遠に買い続ける必要があるからだ。これを駆使すれば、穀物の種子を用いた知的財産権ビジネスの拡大も思うがまま。まさに“食糧兵器”そのものといえるだろう。
ヒラリーはローズ法律事務所時代、商品先物相場で10万ドル近い利益を上げており、ファースト・レディーだった94年に問題視されたこともある。
GMOビジネスとただならぬ関係にあるヒラリー。彼女が「食糧安全保障」をことさら取り上げる理由がおわかりいただけただろうか。
このようにアメリカは国家戦略の一環に農作物の知的財産権も位置付けていると見て間違いないだろう。
そこで最近、種子メジャーとして台頭著しいのが、米モンサント社である。大豆やトウモロコシ、小麦などのGMO技術を持つ企業を次々と買収し、勢力を拡大してきた世界最大の種子会社である。実は前述のヒラリー国務長官に至るデルタ社も06年に同社の傘下に入っているのだ。
世界的な人口増大が見込まれる中、中東や北アフリカの政情不安もあって、食糧不足が懸念されている。とりわけ耕作には適さないような痩せた土地が多い途上国においては、それらを解決する手段としてGMOに対する期待感が高まっている。世界的不作の原因のひとつとなった気候変動、これに対しても強い種が望まれている。そうなれば、モンサント社をはじめGMO技術で圧倒的な優位に立つアメリカ勢が、世界の食を支配する可能性も現実味を帯びてくるだろう。
ましてや、世界の食糧安全保障を司る国連食糧農業機関(FAO)が各国に構える事務所は、アメリカのインテリジェンス網としても利用されている。食糧支援という美名の下、各国の食糧事情を調べ上げているのだ。実際、2月8日には中国山東省を中心とした旱魃は「世界食糧市場に影響を及ぼすだろう」と勧告しているが、一方の中国はこれを牽制するような動きを見せている。旧正月には温家宝首相自らが山東省を訪れ、「物価の安定化を実現するうえで、食糧生産はその基本となる。今後はすべての可能性を考えたうえで、最大の努力を払って食糧栽培を確保しなければならない」などと発言し、2月9日には国務院の常務会議で、補助金などを盛り込んだ食糧生産の支援策を公表するなど、アメリカに付け入る隙を与えない施策を講じているのだ。
「純粋種」でも世界の食糧を支配する
では今後、世界の食糧は「メイド・イン・USA」に支配されるのだろうか。
しかし、巷間いわれるようなアメリカの食糧支配は一筋縄ではいかないのも事実だろう。インドがGMO導入に待ったをかけたように、EUや日本などでもGMOに対する警戒心が依然根強い。
もちろん、そのことはアメリカ勢も熟知している。むしろGMOは使えないことを前提に研究開発を進めているようなフシが窺える。「これは使える」としながらも先進国を中心としたGMO規制の流れに同調することによって、アメリカに次ぐGMO開発国が生まれる機会を潰し、技術を独占する。いわば核兵器と同じような構図ではないだろうか。自らさんざん核兵器の開発を進めておきながら、世界中に広まり出すと、「核のない平和の世界」を提唱し、核不拡散という真逆の動きで主導権を握る。
そう考えていけば、今後アメリカが描こうとしている食糧戦略も見えてくる。GMOの真逆、すなわち「純粋種」による食糧支配である。実際、アメリカ勢の動向をつぶさに見ていくと、そこにつながるような動きも垣間見える。
たとえば、08年にはマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が主導する格好で、地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」をノルウェーに完成させ、世界中の純粋種を掻き集めている。あるいは、昨年10月の「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)」で、途上国が多く抱える遺伝資源によって先進国が得た利益を配分するという取り決めがなされたが、そこでもアメリカは表立った反対を見せていない。本来、遺伝子を独占したいビジネスモデルを推し進めてきたアメリカにしてみれば、不可解な動きに映るが、おそらく後で振り返れば、それが大きな分岐点ということになるのだろう。
加えていえば、就任当初はあれだけ食糧安全保障を口にしたヒラリー国務長官も最近はすっかり影を潜めている。
GMOの研究を先行させつつ、その実、純粋種しかダメとなった時にも手立てを講じる。来るべき時に備え、アメリカはどちらに転んでも覇権が握れるように、両睨みで食糧支配を進めようとしている。
【PROFILE】1971年香川県生まれ。(株)原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。東京大学在学中に外務省入省。在ドイツ日本大使館、アジア大洋州局北東アジア課などを経て自主退職。著書に『狙われた日華の金塊』『世界通貨戦争後の支配者たち』(ともに小社刊)など。
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