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パリ航空ショー:今年の目玉は太陽光飛行機
使えば使うほど安くなる再生可能エネルギー
2011.07.13(Wed) 鈴木 春恵
欧州
世界最大の航空ショーの1つ、パリ国際航空ショー。1年おきに開催されるこのイベントの前回、つまり2009年のスターはなんといってもエアバス380だった。(2年前のコラム)。
今年の話題をさらった太陽光で飛ぶ飛行機
格納庫内のSOLAR IMPULSE
そして今回は、太陽エネルギーで飛行する「SOLAR IMPULSE(ソーラーインパルス)」がスペシャルゲストとして登場し、一躍脚光を浴びているさまは、いかにも2011年という年を象徴している。
SOLAR IMPULSE第1号機(HB-SIA)が、ガソリン燃料を全く使わず、26時間10分19秒の無着陸飛行に成功したのが昨年の7月のこと。
そして、この6月20日から26日にわたって開催されたパリ国際航空ショーのために、本拠地であるスイスを飛び立ち、いったんベルギーの国際空港を経由したのちに、フランスへとやってきた。
航空ショーの会場は、例年どおりパリ郊外のブルジェ飛行場。展示物が展示物であるだけに、巨大な規模を誇るショーだが、スペシャルゲストSOLAR IMPULSEは、数々の航空機が居並ぶ会場の奥の奥、正門から脇目もふらずに歩いてきてもゆうに20分はかかる滑走路脇。
四方にバリケードが張り巡らされた特別の格納庫のなか、幌もしっかりと閉じられた状態で鎮座していた。
翼幅はエアバス340に匹敵
テレビ記者の求めに応じて、操縦席に着くパイロットのボルシュベルグ氏
中に入って機体のすぐそばまで近づいてみると、コックピットは小型のプロペラ機ほどに、あるいはもっとコンパクトな印象なのだが、一見した限り、その全容はなんともつかみにくい。
それは「とんぼ」とあだ名されるとおり、胴体部分に比して、翼が極端に細長いため。至近距離だと全体像が視界からはみ出すほどなのだ。
「翼幅63.40メートルというのは、エアバス340に匹敵し、1600キログラムの重量は、トヨタ自動車の『プリウス』と同等」
そう語ってくれたのは、SOLAR IMPULSEプロジェクトの代表者であるベルトラン・ピカール氏だ。1958年スイスはローザンヌ生まれ。医学博士にして空の冒険家でもある彼の名前は、1999年、史上初の気球による世界一周無着陸飛行を成し遂げたことで世界的に有名になった。
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