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活況呈する低所得者向けビジネス 先進国のピラミッドの底辺にも宝は眠る
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投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 03 日 22:32:30: 6WQSToHgoAVCQ
先進国においてもBOPは今後の企業にとって重要なターゲットになる
世界中で市場構造自体が変化していくき、先進国と途上国といった
市場のクラスタリング自体が意味を失っていく
アップルのような圧倒的なグローバルブランドは今後もTOPからMOPを支配するだろうが
個々の国別の特異性など、より細かなターゲッティングに成功した企業が
マス市場を支配して、成長していくことになるだろう
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/13687
活況呈する低所得者向けビジネス 先進国のピラミッドの底辺にも宝は眠る
2011.07.01(Fri) The Economist
企業は増え続ける米国の低所得者にサービスを提供することを学んでいる。
2006年にC・K・プラハラド氏が新興国の「ピラミッドの底辺に眠る富」という概念を世に広めて以来、経営学の権威たちは熱心にその説を唱えてきた。彼らは著書で、格安のインドの病院や100ドルのコンピューターを作る中国企業の話を書き連ねてきた。だが、そんな経営学の権威も、こと富裕国の低所得者層の話になると、途端に興味を失う。
マクドナルド真似た反ファストフードCMに本家が怒る、米国
タタ・モーターズのようなエキゾチックな響きはないけれど・・・〔AFPBB News〕
それも分からなくはない。マクドナルドやウォルマートには、アラビンド・アイ・ケアやタタ・モーターズのようなエキゾチックな響きがない。ピラミッドの底辺を狙う西側の企業は華々しさに欠ける。
その多くは教育水準の低い交代勤務労働者に依存しており、中には、高利貸しや保釈金立替業などの裏社会に足を踏み入れているところもある。
だが、世界で最も裕福な先進国の1つである米国でも、お金に困る低所得者層が巨大な成長市場となっている。
平均的な米国世帯では、2005年から2009年にかけて実質所得が減少した。信用(クレジット)が枯渇し、大学の学費や医療費が急騰するに従い、数百万人の中産階級の米国人が「生活の切り詰め」を余儀なくされた。
急増する米国の貧困層
今ではおよそ4400万人の米国人が公式な貧困ライン(4人家族で年間2万1954ドル)以下の生活を送っている。2009年には1世帯当たりの消費支出が2.8%減少した。消費支出の減少は1984年に労働統計局がデータの集計を始めて以来、初めてのことだ。
これはアメリカンドリームへの挑戦と言える。だが、賢明な企業にとってはチャンスでもある。最も貧しい米国人でさえ、ほかの多くの国の水準からすれば裕福であり、彼らにサービスを提供することは商売になるのだ。
例えばマクドナルドは好況に沸いている。食糧価格の高騰をよそに、同社の店舗は2006年以降、売上高を年間4%伸ばしている(この数字は開店1年未満の店舗は含んでいない)。4月には米国で正社員・パート従業員を何と5万人も雇い入れた。多くの企業が人員を減らしている中で、だ。
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ウォルマートやターゲットは果敢に新市場に進出し、業容を拡大している〔AFPBB News〕
ディスカウント店も盛況だ。ウォルマートとターゲットは、新たな市場(ベーシックな医薬品など)および新たな地域(スラム街など)への参入を進めている。
ドイツのディスカウントチェーン、アルディも、米国で驚くほど成功している。ウォルマートとは異なり、同社は小規模店舗――フットボール場というよりはバスケットボールのコートのサイズ――を専門とする。
アルディが扱う商品の90%以上は地味な自社ブランドだ。また、同社はサプライチェーンを簡素にしておくために、在庫を1000製品程度にとどめている。これに対し、ライバルの中には在庫を10万点抱えている企業もある。
しかし、アルディは買い物するのが不快な場所ではない。店内の通路は広く、装飾も華やかで、米国のスラム街の景観を損なう一部ディスカウント店のようなイメージとは異なる。
イノベーションの数々
アルディの成功は興味深い事実を浮き彫りにする。この市場では多くのイノベーションが起きているということだ。
企業は旧来の貧困層だけでなく「nouveaux pauvres(にわか貧乏)」にもアピールできるよう自社を変革している。つまり、ラテやサラダを好むが、今はカネに窮している中流階級の人々だ。
ウォルマートは食料品売り場を大幅に拡充した。マクドナルドは肉やチーズをパンに挟んだ通常のバーガーだけでなく、フルーツやクルミサラダなどの健康的なファストフードも販売している。同社は米国にある1万4000店舗のうち、6000店の改装・改築も計画中だ。
さらに、マクドナルドとダンキンドーナツの両社はそこそこ美味しいコーヒーを安く提供し、スターバックスに挑んでいる。
オンライン質屋の台頭
都市部の貧困層にとって不可欠な存在である質屋にも改革の手が及んでいる。ポーンゴー(Pawngo)は、同社曰く「一時的なキャッシュフロー問題を抱える大卒の知識職業人」の便宜を考え、インターネット上に質屋を設けた。顧客が(例えば)卒業のプレゼントをフェデックスでポーンゴーに送れば、銀行振込の形で融資を受けられる仕組みだ。
起業家も緊縮の時代に対処するためにビジネスモデルを調整している。評判が良いモデルの1つは、前払い制度だ(これは信用力が低かったり、散財を嫌ったりする人たちにアピールする)。
リープ・ワイヤレスやメトロPCSなどのプリペイド式携帯電話サービス会社は、携帯電話通話市場の成長の90%を獲得した。ヒューストンのダイレクト・エナジーは前払いによる電力料金プランを導入したばかりだ。
次に人気のビジネスモデルが、人々が所有するのではなく、共有したり、借りたりできる「共同消費」だ。
スワップ・ドット・コムでは、手持ちのDVDやビデオをほかのカウチポテト族と交換することができる。スレッドアップ(ThredUP)は子供服で同様のサービスを提供している。また、仕事を持たない学生はクレイグズリスト(案内広告のサイト)を通じて車に同乗させてもらえるし、カウチサーフィングを利用すれば、他人のアパートに泊まることもできる。
このような新しい世界に適応するのは容易ではない。企業は昔から、米国は常に裕福な人々が暮らし、階級を上がっていく国だと考えていたからだ。
だが、米国経済は2007年の金融危機以前から構造的変化を経験しており、頂点にいる人々の報酬が急増する一方で、それ以外の多くの人は所得の停滞に見舞われていた。一部のエコノミストは、現在の病んだ状況が数年は続くと予測している。これが意味することについて十分考えてきた企業はほとんどない。
携帯電話会社は無邪気にも、現在、誰もが車やテレビを所有しているように、近いうちに誰もがスマートフォンやブロードバンドを持つようになると考えている。だが、コンサルティング会社バーンスタインリサーチがまとめた「貧困問題」に関する新しいリポートは、彼らのそんな確信は恐らく見当違いだと指摘している。
全世帯の3分の2程度に行き渡ったブロードバンドの普及率は、既に頭打ちとなったかもしれない。有料テレビの普及率は低下し始めている。
需要があるのはデリーもデトロイトも同じ
世界一の億万長者、意外な清貧生活 メキシコ通信王スリム氏
メキシコの通信王カルロス・スリム氏は世界長者番付でトップに立つ大富豪〔AFPBB News〕
楽観主義者の慢心は、より明敏で悲観的なライバル企業にとってチャンスを生む。また、その多くがフルーガル(倹約)イノベーションの遺伝子を備えた新興国の企業にとっても前進への糸口となる。
カルロス・スリム氏のアメリカ・モービルの子会社トラックフォン・ワイヤレスは2008年以降、米国で300万台を超えるプリペイド方式の携帯電話を販売した。
6000人の医師ネットワークへのアクセスに加え、月間5ドルで電話による医療アドバイスを提供するメキシコ企業のメディコール・ホームは、国境の北側の米国まで事業を拡大している。
新興国の巨大企業であるインドのタタや中国のハイアールは、米国は自社の格安製品にとって打ってつけの市場だと考えている。ピラミッドの底辺は大方の人が考えている以上に広大だ。超低価格の商品やサービスを提供する企業はいずれ、デトロイトでもデリーと同じくらい引っ張りだこになるだろう。
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